映画の秋

ご無沙汰しております。唐突ながら、最近食べたケーキです。立体的!

フォークでひと突き。ま、そうなるよね。食べるってそういうこと。この後さらにグロテスクな展開になったけれど自粛。以前食べたペンギンケーキは中がカシスのムースで、血の色に似ていたけれど、あれに比べるとこちらは穏やかな色調。

池袋、メトロポリタンホテルはペンギン好きの聖地であった。
ここ半年ほど、身体が先に新しい世界に強制的に足を踏み入れ、気持ちが追いついていない状態だったけれど(そういう時に文章を書くのはなかなかしんどく、日記が疎かになっていた)、8月後半にバラバラになった感覚が統合する瞬間が不意にあり、待ち望んだエネルギーが回復してきた感がある。
過去に自分が経験した中では中国に行った時、身体はすでに移動していて、感覚のうちいくつかは準備はできているけれど(特に言語感覚のうち、読み書き聴くはある程度整っていた)、話すハードルが高く、徐々に微細な発音の難しさが原因だと思い当たり、マンツーマンで発音だけ矯正してくれる先生を探し交渉して毎週通い、1ヶ月ほど過ぎた後に突然バチっと感覚が統合する瞬間が訪れ、以降すらすら話し通じるようになった時と似ていた。あんな興味深い瞬間は二度と人生には訪れないだろうと思っていたけれど、予期せぬ疫病によって再度もたらされた。
自粛中にどう過ごした何を観た、という話は何人ともしたけれど、こういう身体感覚の話を誰かとしてみたいな。
エネルギーが回復した途端、急に忙しくなったので、何年かぶりに手帳を買い、公開される映画の情報も調べて書きこんでみたけれど、東京国際映画祭もフィルメックスも無事開催されるのですね。
東京国際映画祭は 10/31(土)〜11/9(金)。今年は部門を減らして統合したり、フィルメックスとの連携があったりするようです。ラインナップ発表は9/29(火)。
東京フィルメックスは10/30(金)〜11/5(木)。例年より早い時期の開催で、東京国際映画祭と時期が重なるので要注意。
https://filmex.jp/2019/news/information/filmex2020
週末にしか行けないかもしれないけれど、こんな年にも東京に映画の秋がやって来ることが嬉しいです。
厄難祓除

ご無沙汰しております。感染者数が鰻登りで、いよいよ魔都という言葉が似合ってしまう様相の東京ですが、私は(今のところ)元気です。
緊急事態宣言解除以降、しかしワクチンも特効薬もない中で楽観的になる理由もないな、と行動の何をどこまで解除して良いものか判断がつかず、出社は電車が空いてる時間を選んで週2回、近所で外食数回、時間指定で予約して歩いて行ける博物館に2回、国立映画アーカイブで古い映画1本、新作映画を観るタイミングを伺っているうちに感染者数が増えてきたので映画館行き自粛解除は当面保留、という感じの生活です。
映画や動画を観ることについては、
・配信系はNetflixとamazon primeに登録。今のところは必要十分。
・映画館の割引特典を使うために日本映画テレビ技術協会の個人会員を数年間更新していたけれど、しばらく映画館通いが難しい状況は続くだろうと3月末で退会。
・通勤時間の音楽用だったSpotifyを通勤が減ったので解約し、Youtube Premiumに登録。広告を飛ばせるのは大変便利なもので、Youtubeを観る時間がぐんと増える。
などウィルス感染拡大がもたらした変化とはいえ、私の行動レベルにおいてもこれが時代の変わり目か…という気分。

<写真上>
根津神社、夏越しの大祓は中止。茅の輪は設置しておくから「各自自由にくぐってください」とお知らせがあって、「各自自由にくぐってください」って表現が面白いな、と思いながら自由にくぐったけれど、自由くぐりは今年だけで終わるといいなぁ。
<写真下>
不要不急の外出自粛の連休のお供。リアルな粽は作り手の引退により粽の絵の御札で代用されることになったそう。神社に行っても開運!などゆるふわではなく、自分と周囲が健康でいられますように、どうか!と祈るばかり。神頼みってこんな逼迫した時に生まれる感情なのか。ぐぬぬ…もう大仏建立するしかない!って昔の人が決めてあんな巨大なものを一生懸命作るに至った混沌を少し理解した。ペンギンラベルのボトルは引越し祝いにいただいた日本酒です。
TOHOシネマズでジブリ旧作がかかっていて贅沢でいいなぁ!と眺めながらも、行くのは難しい…でもあまり観ていないジブリを観る機会は欲しい…と区の図書館で調べて、DVDを借りることに。まず借りられた『耳をすませば』を連休中に観る予定。私が利用する館は(今のところ)無事だけれど、区内の別の図書館の職員の方が陽性確認されたそうで、そちらは休館になった。これが都民の日常にじわじわ迫りくる恐怖というものか。
大河

外出のひとつひとつに言い訳めいた説明を求められる感があるけれど、必要な外出と自分で認定し、根津神社に月はじめに行き月次花御札を授かる、は継続している。
例年であれば露店が出て、千駄木や根津の駅から人の波ができる恒例のつつじまつりは、今年は中止になった。つつじ苑への立ち入りも禁止。しかし季節どおりにつつじは咲いており、空いた時間を狙って境内から遠巻きに眺めることはできる。

ソーシャル・ディスタンシング・参拝

5月の御札は菖蒲。右の薬玉は、夏の邪気を祓うため5月端午の節句から、9月重陽の節句まで飾るもの。
中華圏のニュースを現地のメディアから摂取して1月下旬から自主的に自粛生活に入ったので、最後に映画館に行ったのは1月。Netflixもamazon primeも、それらをミニシアターサイズの画面で観られる装置も部屋にあるけれど、気分の問題で映画ぶんの長さの集中力を作るのが難しく、時間ができたら観ようと積んでいたあれこれは、時間ができたからといって観られるものでもないんだな、を実感中。
目下の最大の楽しみは、大河ドラマ『麒麟がくる』です。観たい意欲はあるけれど歴史に明るいわけではない自分は、武将の名前、血縁・主従関係を把握しきれず混乱して脱落しそうだな、と思ったので、近所の書店の前を通りかかった時、公式ガイドブックが売られているのを見かけて初めて買ってみた。これがなかなかの良策で、放送開始前にその日のあらすじを軽く読み、見慣れない名前があったら相関図を確認、それでも不明点があったらwikiなどで調べる、を繰り返し(試験勉強みたい…)、今のところ脱落していないどころか、最高に面白い!
斎藤道三(本木雅弘)と高政(伊藤英明)の父子関係は、高政のカイロ・レンばりの拗らせ感が『スター・ウォーズ』的で、道三が土岐頼芸(尾美としのり)の鷹を皆殺しするくだりは『ゴッドファーザー』のベッドに馬の首事件のようだった。光秀は今のところフラストレーションを溜め込む中間管理職的人物として描かれ、信長&帰蝶夫婦は無邪気で可愛らしく、底知れぬ不敵さ。史実をベースに創作がふんだんに盛り込まれているのだろうけれど、歴史、なんとドラマティック…(興奮)!!
明日の放送は斎藤道三ってどういう人生だったっけ…とググった時から楽しみにしていた長良川の戦い!予告を何度も観て気持ちを高めているところ。脚本、キャスト、歴史そのものの魅力に加え、大河ドラマってCMなし45分の短さがちょうど良い。映画のための2時間の集中力は難しくとも、45分なら大丈夫という現在、そのうち世界が落ち着き、自分も回復するとまた映画にどっぷり没入できる日も来るのだろう。
麒麟がくる
https://www.nhk.or.jp/kirin/
読み込んでいる公式ガイドはこちら。実用の書。
https://www.nhk-book.co.jp/detail/000069233832020.html
4月の現状

ご無沙汰しております。お元気ですか。
外に一歩足を踏み出せば、たちまち人と触れ合ってしまう都心暮らしですが、私は元気です。家族、同僚、近くの友人も遠くの友人も、知る限り陽性者も疑いの人もおらず、このまま誰も煩わうことなく、この特殊な日々を乗り切れたらいいな、と願っています。これを読んでくださっているどこかの街のあなたも、あなたの身近な人々も、ご無事でありますように。
全国のミニシアターを救うべく立ち上がったクラウドファウンディング、
https://motion-gallery.net/projects/minitheateraid
会見はDOMMUNEで聴いていたけれど、どのコースにするかちゃんと読んで検討しよう、と思ってる間に4月が終わるので、連休中に決めて支払いたいと思っています。
コースによってはリターンに含まれる「ミニシアター・エイド基金」特別ストリーミング配信サイト「サンクス・シアター」の作品群が魅力的で、気になりながらも見逃していたものが多い。濱口ファンとしては『何食わぬ顔(long version)』『親密さ』が含まれていることに!!!の気分。『親密さ』なんて4時間超えの映画だから、家に篭って何もやることがなーい期にぴったりすぎる。
という感じで日記もそろそろ復活していきますので、また遊びにきてください。素敵な連休になりますように。
<photo>東大本郷キャンパスの桜。開門時間であれば入り放題なので近隣住民の憩いの場だけれど、緊急事態宣言以降、出入り禁止になった。
春江水暖

Golden Penguin Award 2019に私が選んだ『春江水暖』は中国映画で、杭州郊外にある富陽という街が舞台。行ったことはないけれど、水辺にいかにも中国らしい寺があって綺麗な街だった。なんてことはない、中国に山ほどある、風光明媚な地方都市なのだろうけれど、綺麗な街だ!と思っている人が撮っている映画だった。
『パラサイト』でオスカーを撮ったポン・ジュノ監督の、この人はすごい「人たらし」なんだろうな!と各所への気遣いと映画愛に溢れたエモーショナルなスピーチが素晴らしく、とりわけスコセッシの言葉を引用した “The most personal is the most creative”、しみじみと良かった。『春江水暖』のグー・シャオガン監督に感じた、自分に集中してる!の印象も、まさにそれだった。監督の両親が富陽で営んでいたレストランが再開発の波に飲まれて閉店することになったエピソードを映画にすることを着想し、結果として『春江水暖』になったらしい。中国の「百度」で調べたところによると、意外にも大学での専攻は服飾設計(コスチュームデザイン)だったそうで、山水画や漢詩など伝統要素を現代に落とし込む衒いのない手さばきは、少し服飾の人っぽいなと思った。
映画についてほとんど情報がないけれど、フィルメックスのサイトに上映後のQ&Aも掲載されています。154分観終わった最後に「第1部完」って字幕が出て、会場が軽くどよめいていた。監督は穏やかな印象だけれど、時おり肝の据わった感も漂わせる人で、撮れるかわからない続きをさらっと匂わせるあたりも、静かに大胆。
https://filmex.jp/2019/program/competition/fc7
フィルメックスの市山ディレクターの熱意で東京の観客がこの映画に出会えたとのことで、市山ディレクター直々に字幕も担当されており、中国語→日本語の認識で観ていると、微かに翻訳が謎な箇所があり、??と思っていたら、Q&Aの場で見る限り、市山ディレクターは中国語を解していらっしゃらない様子だったので、中国語→英語字幕→日本語字幕と言語を跨ぐうちに、??の箇所が生まれたのかな、と思った。配給が決まったと小耳に挟んだけれど、『春江水暖』のタイトルのまま公開されるか不明なので、逃さないように情報を得ておきたい。
『春江水暖』は漢詩(蘇東坡「恵崇春江晩景」)の一部。春江水暖鴨先知。春の到来を、長江の水が暖かくなったことで、鴨が先に知る。
Golden Penguin Award 2019
https://cinemastudio28.tokyo/goldenpenguinaward_2019
写真は本日の不忍池。光が白くて、スワンボートは春がもう近いって私より知ってるはず。
川口

年明けから世界情勢に新型ウィルス、ざわざわすること続き。毎年1月2月はびっくりするぐらいエネルギーが低く、日常の通常運転にふらふらしているところ、緊迫度が増してゆくニュースをこまめにチェックして対策を考えなきゃならないなんて、心がよれよれになる。
観たい映画があるけれど、不特定多数が密室に数時間集う映画館はどうしても躊躇してしまう。空いてるのかな。しばらくNetflixなど配信で楽しむことにするけれど「しばらく」っていつまで続くんだろう。ワクチンが開発されて普及するまで?
マスクをして近所を歩いていたら、不動産屋の前にこんな情報が。川口アパートメント!前の東京オリンピックの年に建てられた高級レジデンス。川口松太郎(作家/川口浩のパパ!)が創設したアパートメントで、もちろん川口浩もかつて住んでいたとのことで、浩ファンの私としては俄然興味があり、過去に何度か賃貸・売買どちらも物件情報をリサーチしたこともあった。外から建物を凝視したことはあるけれど、管理が厳重で部外者は出入りできない。東京には入りたくても入れない場所があるんだなぁ…と見上げる種類のロマンです。
リサーチして断念したのは、交通の便が私としては良くないこと(車移動や自宅で仕事する人なら問題なし)、立地と広さのわりに売買価格は高くないけれど管理費が高いこと、セントラルヒーティングやランドリールームなど設備が独特で(施工当時のアメリカ流を取り入れたのか、ランドリールームは『ローズマリーの赤ちゃん』的空間を妄想)時間の融通の効かない会社員には住みこなすのが難しそうなこと、等が理由だった。
東京には素敵なヴィンテージマンションがいくつもあるけれど、写真を見る限り川口アパートメントの共有部分のデザインが最も好みなので、いつか中に入る機会を得て実物を見てみたい。
↓こちらに共有部分の写真数点あり。室内を現代風にリノベーションしすぎるのはもったいないな…。
https://www.vintage-mansion.tokyo/detail/51983/
<最近のこと>
根津神社に毎月お参りし、月次花御札を授かる計画、2月は梅。世界中の無病息災を真剣にお祈りした。明るい気持ちで春を迎えられますように。

松の内

『パラサイト』のポン・ジュノ監督と濱口竜介監督の対談記事を発見。
https://www.houyhnhnm.jp/feature/313802/
卓球台のある暗い部屋の記憶、そのまま映画になりそう。ポン・ジュノ監督による『寝ても覚めても』論、もっと知りたい。
〈最近のこと〉
なんとなく1月15日まで松の内、という感覚だったけれど、いつまで松の内か?には地域差があり、1月15日は関西に多い傾向と知った。自分のルーツを大切に、これからも1月15日派で推し進めたい。
初詣は1月12日(松の内!)、私にとっての氏神さま・根津神社へ。月次花御札(つきなみはなみふだ)という、家内の邪気を祓ってくれるという月替わりの御札を毎月いただきに行こうと長らく考えており、今年実行することに。その月々の花や植物が描かれた美しい御札で、1月は松。玄関に飾った。
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