RIVER
上へ上へと伸びゆくトーキョー。
解禁されたtofubeats「RIVER」(映画『寝ても覚めても』の主題歌)、素晴らしくて毎日30回は聴きながら夏の東京を歩いてる。
このtweetを読んで、
アルバムのブックレットに入る文章から「RIVER」について部をチョイ見せ。実際は1万字弱の制作日誌が入ります。 pic.twitter.com/oxeaat5vIG
— tofubeats (@tofubeats) 2018年8月16日
「まずは映画を見終わったあとに見ている方々が朝子のことを嫌いにならないような曲にしたいな、というようなことをボンヤリ考えた」という箇所、優しいなぁ、と何度も読んだ。
青い時間
この界隈に引っ越してから、夏といえば不忍池に蓮が満開、と知りながらも目撃したことはなく、今年ようやく見た。池のどのエリアで咲いているのか、位置をようやく把握。あの世とこの世の境目のような景色。
何で刷り込まれたのか、蓮が咲くときに鳴るポン!という音の真偽を調べていたら、無印良品のコラムにたどり着いた。
https://www.muji.net/lab/living/120801.html
蓮の花が咲くのは、午前3時45分頃だそうです。それは、夜から朝に変わる時間だといいます。自然の音を録音し続けている音楽家の話によると、朝の4時ぐらいに鳥の声も虫の声も一斉に止まる瞬間があるのだとか。すべての動きが止まり、あらゆる生命が生まれる、そんな不思議な瞬間があるらしいのです。蓮の花の咲く時間も、このことと関係しているかもしれません。
この「鳥の声も虫の声も一斉に止まる瞬間があるのだとか。すべての動きが止まり、あらゆる生命が生まれる、そんな不思議な瞬間」って、ロメールもまさに『レネットとミラベル 四つの冒険』の「青い時間」という1篇で描いており、あの映画以外にこの不思議な時間に触れているものは初めてだったので、読みながら、わ!と声が出た。
ロメールが映画に仕立て、蓮の花が咲く音が聞こえる青い時間。
クレアのカメラ
有楽町、ホン・サンス&キム・ミニ特集で『クレアのカメラ』。
http://crest-inter.co.jp/sorekara/crea/
相変わらずのキム・ミニ受難物語だけれど、今回の4作のうち最も気楽に観られる1本だった。カンヌの気候、陽光があまりに気持ち良さそうだったからかもしれない。過去にホン・サンスは『アバンチュールはパリで』というなんだか文化村マダムのいかにも好きそうなタイトルの映画を撮っているけれど、
http://www.bitters.co.jp/paris/
これがびっくりするぐらいマイペースなホン・サンス映画で、パリを舞台にした映画らしさが微塵も感じられない。かろうじてパリ要素があるとしたらオルセー美術館で撮っているシーンがある程度だけれど、ホン・サンスがオルセーで撮るとしたら、あの絵が登場するのでは?という絵が案の定登場して(しかもホン・サンス・ズームで寄ってた記憶!)爆笑しちゃった。ええ、クールベ「世界の起源」ですとも。しかし『アバンチュールはパリで』というのは安直な邦題に過ぎず、原題は『昼と夜』っぽいシンプルなタイトルだったような。
カンヌで撮られた『クレアのカメラ』はその点、カンヌの街や空気もしっかり映っており、カンヌ映画祭の裏側も覗き見られて一粒で何回も美味しく、妖精のような立ち回りのイザベル・ユペール(アニエスベーの黄色いカーディガン、おそらく私物だろうな)にキム・ミニ(カンヌの仮設オフィスで仕事する際の黒いシンプルなワンピースが素敵)、ホン・サンス・ミューズふたりが並んでカンヌを歩くだけで十分に映画が成立している、新鮮で極上の素材だから生のまま齧って大丈夫、というこの上なく贅沢な映画だった。
キム・ミニが働く仮設オフィス、ドアに貼られたポスターが一瞬映り、それがホン・サンスの『あなた自身とあなたのこと(Yourself and yours)』のポスターだったから、相変わらずの虚と実、公と私の入りまじりっぷりに冒頭から微笑、キム・ミニの歌う可愛すぎる歌を経由し、微笑は最後まで続いた。
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