不安定な女を見守るシリーズ

愛用中の万年筆、Pilot Kakunoに透明軸が出た!Kakunoは子供用の初めての万年筆という位置付けの商品でもあるので、万年筆にはペン先の向きってものがあるよ、と教えるため表側に顔が書いてある。左がグレー軸(にっこり)、右が透明軸(てへぺろ)。こういうの考える会議、楽しそう、参加したい。
春に観た「ジャッキー」をもう一度観たくて、早稲田松竹でかかるって把握しているけれど、併映の「スノーデン」に興味が湧かない。実在の人物シリーズか。他にもっと「ジャッキー」と魅力的なもう1本の組み合わせないかしら?って探してみるけれど、今のところ見つからない。代わりにギンレイホールで「台北ストーリー」と「タレンタイム」の2本立てという豪華な番組を発見。9月。
「ジャッキー」、この上なくシンプルで潔いタイトルだけれど、そのシンプルさと、ナタリー・ポートマンのいかにもなジャッキー・ルックが、ああ、あのジャッキーね?知ってるわ。いまさら観る必要ない。って観客を遠ざけているのか、私の周りでもあまり観た人がいないけれど、あの時期シャンテで公開されていた「お嬢さん」「ムーンライト」と並べても、私は「ジャッキー」が特に好きだった。
ある映画を説明するのに、別の映画の名前を引っ張り出してくることは、なるべくしたくないけれど、観ている間のハラハラした不安定な気持ちは、カサヴェテス「オープニング・ナイト」に通じるものがあった…と言ったら、え?そうなの?スルーしてた、それなら観てみたい!と反応した人がいたので、ここにメモしておく。それからアニエス・ヴァルダ「5時から9時までのクレオ」のニュアンスもあったし、吉田喜重「告白的女優論」も、ちらっと思い出した。どれも観客が不安定な女をハラハラ見守ることを強いられることで共通しており、「ジャッキー」はその系譜上の最新作で、とても美しい映画です。
↑ この公式サイトも、スマホ最適で作ったものを、PCで見ると間延びしてただ引き延ばされるだけの粗いつくり、宣伝にもお金かかってないね…。
海辺の生と死

「海辺の生と死」、公開は今日から。先月、完成披露上映で一足先に観た。戦時中、加計呂麻島を舞台とした、島尾敏雄・島尾ミホの出会いの物語。映画の中では朔、トエとそれぞれ名前が違う。
南の島といえば、海、空、砂浜…と海なし県・盆地育ちの私が抱くステレオタイプなイメージを裏切るように、この映画で映される加計呂麻島の風景はどこか翳りがあり、ひんやりした風が吹いていた。島唄、方言、踊りを異国見物のように眺めながらも、朔とトエが出会い熟してゆくにつれ、島の風景も人々も後退し、次第にあなたとわたし、ふたりだけの密室に変化してゆく。
トエという女性は単なる激情型というわけでもなく、俯瞰しながら演出する監督の役割と、中心で演じる女優の役割を往復しながら自分の物語を推し進める。島に暮らしながらもどこか遠くを望むような寄る辺のなさを抱え、相手役を待ち望んでいたところに朔が登場し、腕を掴んで強引に舞台に引きずりあげる。朔のほうも、繊細な文学青年っぽさと、特攻隊の隊長という強い役割の間を揺れ動く掴みどころのなさがあり、ふたりの隙間が偶然ぴたりと符号したように見えた。ふたりのその後の展開を知ってしまっているため、特異で特別なふたりの出会いの物語、と色眼鏡で観てしまうけれど、すべからく恋って、こんなふうにどうしようもなく不意に始まってしまうもののようにも思える。クライマックスの長い夜、物語を盛り上げる材料はすべて揃いましたという熱気の中、女優人生・一世一代の名演を見せる時、それは今!とばかりに芝居がかるトエの動きはトエならでは、ではあったけれど。
登壇した満島ひかりさんの「島尾ミホさんは、島生まれだけれど東京で生活していたこともあって、また島に帰ってきたり、どの場所にも居場所が見つからず、愛だけが居場所だったのかな、と思う。私自身も沖縄で生まれ東京に来て、似たようなところがある。」との言葉が耳に残った。舞台挨拶のニュースは、主演2人の噂ばかり書き立て、こんな言葉があの場所にいなかった人に伝わらないなんて、勿体ないことよ、と思ったのでメモしておく。
衣装も素晴らしく、島の自然にすんなり溶け込む天然素材の服に、ほとんどノーメイク。そんなトエが着替えてガラリと別の女になるような、それでもやっぱりトエの延長のような夜の場面が印象的。
http://www.umibenoseitoshi.net
3分でわかる

心身ともに夏バテ気味。しけしけである。暑さに参ってるのではなく、上半期の蓄積疲労に襲われ、食事後、気絶したように眠ってしまう。今日はさっさと寝よう。
クリストファー・ノーラン「ダンケルク」の情報が続々と流れてきて嬉しい。北米で公開され絶賛だとか。映画、観る前の情報摂取は控えているけれど、クリストファー・ノーランは予習のせいで映画がつまらなくなった!なんて感じさせないほど遥か予測のつかない映画体験がもたらされる信頼もあって、「インターステラー」も映画館に向かうメトロの中で、相対性理論やワームホールについての理解を軽く深めたりした。
「ダンケルク」は史実に基づく物語ということで、そのあたりの歴史を軽く調べておこうと思っている。公式をチェックしていたら林先生による3分でわかる!という動画が上がっていたので、ありがたや…と思いながら、さっそく観てみた。
http://wwws.warnerbros.co.jp/dunkirk/
それが仕事とはいえ、よくしゃべる人ですね…ポカーン…と眺め、わかりやすいけれど、もうちょっと知識を深めておきたい気もするね。9月の公開まで軽めリサーチは続く。おやすみなさい…。
早稲田松竹

早稲田松竹、ずいぶん久しぶり。そしてこんなに混んでいる早稲田松竹は初めて!というレベルで混んでいた。10時半からの上映に、9時45分ごろ到着すると、もう50人ぐらい並んでいた。
「哭声/コクソン」と「お嬢さん」2本立て。「お嬢さん」は2度目。1秒たりとも観客を退屈させてはならぬ!と高らかに宣言するかのような韓国映画の心意気。妙に内省的な映画より、こういうサービス精神旺盛な映画を観ると、私の中の関西人細胞が活性する。ウジウジした映画観るとすぐ疲れちゃって、どうでもいいよアナタのことなんてってすぐ思っちゃうもん。
初回から満席立ち見なのに(どちらも2時間半の長い映画なのに…)、みんなスクリーンに集中しているのか客席は水を打ったように静か。そして座って観ていただけなのに運動後のような、プールの後のような身体の重さを感じて帰宅後、気絶気味にバタッと寝た…。
早稲田松竹のいいところは、最前列からスクリーンまでの距離が広めで、最前列で観ても身体が疲れないことです。前に座る族としては、座席とスクリーンの距離、大事。
観たい方には、朝早めの到着をオススメします。明日も混みそう。
http://www.wasedashochiku.co.jp/lineup/2017/ojosan_kokuson.html
旅と映画

この時期特有の、ということだろうけれど、台北は急に天気が変わり、折りたたみ傘必携だったけれど、晴れ・曇りの間になるべくあちこち動くことを心がけたら、昨日で台北といえば!台北っぽい!ことを全部終え、今日はのんびり過ごした。台北は2度目で、故宮博物院も夜市も以前行ってるので今回はパス。あくまで映画がメイン。

朝から南港という駅まで行った。遠かった…。駅前にある巨大ショッピングモールに入るシネコンでかかっている、ホン・サンス「夜の海辺で一人」を観るため。日本でも公開が決まったと聞くけれど、いつ観られるかは不明なので、せっかく予定が合うならば…と。どうやって探しても台北でかかっているのはその映画館のみで、台北のはずれにあってはるばる出向かなければならない。ベルリンで受賞の話題性もあるし、映画祭でかかってもおかしくないのに…と思いながらMRTに揺られ、どこ…?という駅で降り、不思議なショッピングモールの中を抜けて。ホン・サンス愛を確かめられているみたい。
そうやって観た「夜の海辺で一人」は、わざわざここまで来て、韓国映画&中国語字幕という環境でも観て、良かった…としみじみする素晴らしさだった。一人の女性の彷徨の物語だから、旅先で観るのにぴったりの映画でもあった。
旅に非日常を求める人もいるけれど、マイペースな私は、普段どおりのことをしたがるほうで、映画を観て、書店に入り、喫茶店などで軽めの食事をする…という日常はどこでも変わらない。それでも旅先で観る映画は染みるのは、生活の場所じゃない分、孤独が何割増しだから、なのかも。

…と、この日記は、部屋のバルコニーから書いてるのだけれど、さっきから視界左上が明るいぞ?と見上げてみたら、月の存在感。今日は満月、しかも山羊座の満月(私は山羊座)。素敵な満月を、台北で見られて幸せです。
完成披露

「海辺の生と死」完成披露上映会へ。
噂のふたりが登壇することもあって、マスコミがいっぱい。ふたりは目を合わせないように示し合わせているように見えたけれど、それでも一瞬の目が合う数秒、一斉にバチバチとシャッター音が響き、帰宅すると記事が上がっていた。
こういうの
https://www.cinematoday.jp/news/N0092469
佇まいの儚さと迸る座長の貫禄のギャップに目が離せなかった満島ひかりちゃんの言葉、一言一句、素晴らしかったから、あれだけマスコミがいたのだから、一社ぐらい正確に文字起こししていただきたいわ。
最前列3列まで占めたマスコミが上映前に去った後、立ち見の人々がそこに誘導されるのかと思えば、立ち見は155分の長めの映画の間ずっと立ち見のままで、最前列は空席のままだった。遅れて来たのだから廊下に立ってなさいって言われた小学生みたい、ブラック企業っぽくあった今夜のテアトル新宿…。
映画の感想は後日。
J’adore!

フランス映画祭、あっという間に終了。あっけない。
今年は絞って3本。
・オープニングセレモニー + 「ルージュの手紙」
http://unifrance.jp/festival/2017/films/sage-femme
・「エタニティ」をトラン・アン・ユン監督Q&Aつきで
http://unifrance.jp/festival/2017/films/eternite
・レイトショーで「RAW」を!
http://unifrance.jp/festival/2017/films/grave
「RAW」、トロント映画祭でかかった時、失神者続出という噂も聞いていたので、日曜の夜にこんなの見ちゃって大丈夫かしら?と思っていたけれど、わりと大丈夫だったし、髪を乾かして、さっさと寝ましょ、明日から仕事だし、という気分でおります。
観客賞アンケート、3本ともJ’adore(大変良い)を選択、3発3中の密度の濃い映画祭であった。
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