如月

仕事帰りに銀座に髪を切りに行ったら、ひな祭りとバレンタインでウィンドウが華やかに入り乱れており、そういえば2月になったのだった。慌ただしくて、かろうじて曜日感覚はあるけれど日付の感覚が怪しい。今週ずっと仕事が立て込んでいたのに、振り返れば夜、映画を観た後に講義まで参加できたし、美容院にも行き、お昼に天丼を食べに行き、28も更新し、毎日24時までには眠っていた…朝型ばんざい!
写真は先日、プレゼントを買いに行ったショコラティエのある神楽坂の一角。瓦?と西洋風のドアの謎のコンビネーション。
そういえば日劇っていつ閉まるのだっけ…と調べてみたら、今週いっぱいだった。2/4日曜で閉館。もはや選択肢は少なかったけれど、慌てて1枚チケットを予約。
さよなら日劇ラストショウ
https://www.tohotheater.jp/event/nichigeki-lastshow.html
古い映画で日劇の外観が映るたびに、映画が娯楽の王様だった頃の、さらに映画館の王者の風格が漂ってかっこよかったので、閉館記念のパンフレットが欲しいな。売り切れてなければいいけれど。
スーパーブルーブラッドムーン

22時前、御茶ノ水を歩いていたら、聖橋あたりに人がわやわやと集まっていた。みんな上空を見つめているので、真似して見上げてみたら、皆既月食の夜だった。スーパーブルーブラッドムーン。iPhoneカメラの限界を感じる1枚です。梅干しみたい…。
そんな時間に聖橋にいたのは、アテネフランセでハンガリー映画「心と体と」上映&マスタークラスに参加する、贅沢な時間を過ごしたから。
http://eigabigakkou.com/news/info/8857/
講師:イルディコー・エニェディ(『心と体と』監督/ハンガリー)
大九明子(『勝手にふるえてろ』監督)
司会:矢田部吉彦(東京国際映画祭プログラミング・ディレクター)
めちゃくちゃ豪華。最近、作家やコラムニストが映画のトークで登壇することが多いけれど、面白かったためしがないので基本、避けている。映画の作り手2人を中心に、矢田部さんの素晴らしい司会で進行される約90分。夢と鹿の登場する映画「心と体と」も期待以上で、そして「勝手にふるえてろ」の大九監督が対談相手に選ばれるのも納得のキャスティング。映画の感想は追って書きます。公開は4月。
しばらくかかりきりになっていた仕事をなんとかリリースでき、1月も終わり、月食も観て、節目感の強い1日。
affogato

仕事がずっと立て込んでいるけれど、しばらく続くから慣れるしかないとして、金曜は無理矢理気味に冬休みをとり、免許更新など所用を片付ける。早起きの素晴らしいことに、神田の免許センターが開くのと同時に入り(8:30)、手続き・講習の後に移動して、家の中で紛失したメガネ(こんなに何もない部屋に住んでいるのに…)を新調すべく眼鏡屋の開店(10:00)と同時に入り、秒でメガネを選び視力測定までして支払いを済ませ、早稲田松竹の朝イチの上映(10:40)に間に合った。一日で一番好きなのが午前中になりつつある。人が多い東京は、出遅れると混みがちなので、待ち状態が苦手な私は朝こそ動くべし、と心得た。
無事にキェシロフスキも2本立てで観られて満悦。「トリコロール 青の愛」「ふたりのベロニカ」を続けて観ると、久々にどっぷりTHEヨーロッパ映画を観た!という気分に。良くも悪くも私の中のヨーロッパのイメージ、20歳までに観た映画によって形成されている。
表情をなくしたジュリエット・ビノシュがカフェでいつもの、と頼んで出てくる、ガラスの器に盛られたダブルのヴァニラアイス、カップ&ソーサーで出てくるエスプレッソ。慣れた手つきで熱いエスプレッソを一息にアイスクリームにかける。どの国、どの街でもカフェでアイスを頼むたび、ビノシュのあの手つきを思い出す。
写真はずいぶん前。渋谷、VIRONの2階。あらゆる種類のアイスを愛しているけれど、特にこんな、うやうやしく盛られたアイスに目がない。
真冬の水道管

部屋、水道管の不具合でキッチンエリアまわりの床を剥がし、補強して復元する工事が必要となった。5日ほどかかるらしい。以前あった1ヶ月ほどかかった耐震補強工事の時ほど対象エリアが広くないので、別の場所に避難が必要なほどではないらしく安心した。どさくさ紛れに家賃を下げる交渉を試み、成功した(ちゃっかりしてる!)。それにしても身の回りの壊れっぷりにもほどがある。これは吉兆のはず、と己を諭すしかない。デルフィーヌのトランプ、私の水道管。
明日は低温注意報らしい。地上を歩く時間が1日10分未満なので、普段どおりで良いかと思っているけれど、どうだろう。水道管の膨張に気をつけるべし、と読んだけれど、工事待ちの身としては、これ以上何を?という気分。
気がつけば1月も終盤、オスカーノミネートが終わっていた。観ることを楽しみにしているのは「ファントム・スレッド」と「フロリダ・プロジェクト」です。いずれも東京では5月公開。外国語映画ではハンガリーの「心と体と」。「フロリダ・プロジェクト」は監督の前作「タンジェリン」を偶然映画祭で観て、iPhoneで撮られた映画という物珍しさを上回る、映画そのものの良さがあった。撮りたいものがまずあって、プロの俳優ではない被写体を緊張させないために、大袈裟な装置ではない、iPhoneがカメラとして選択された、という真っ当な判断を映画から感じ取れた。「フロリダ・プロジェクト」のスチルを目にするたび、暖かそうでいいなぁ…と真冬の東京から羨ましく思っている。
タンジェリン
雪の二日目


雪の二日目。東京都港区、7時45分頃。
帰り道にはもう雪は溶けたり、みなさんの除雪の頑張りの結果だったりで、アスファルトがしっかり見えていた。ああ、あっという間に止んで、麗しい思い出だけ残る雪だった。偶然出会って、ほんの少しだけ楽しく喋って、もう二度と会えない人みたいに。
「泳ぎすぎた夜」の予告の最後のように、仰向けで深い雪に倒れこみたい。もっと北に向かわなければ。
今日壊れたもの、iPhoneのケーブル。おそらく寿命だった。どんどん壊れるなぁ。
雪の東京

上空から東京を見下ろす高層階で仕事をしていると、窓の外の景色が刻々と変化してゆくのが面白く、人がどんどん去った後、ぶらぶらとバルコニーに出て撮った1枚。遠い国のモノクロ映画でいつか観たような、雪の東京。視界の変化はもちろんのこと、音が雪に吸収された、雪の日にしか味わえない種類の静寂が好き。音楽をかけず、無音で過ごしたくなる。
何年も欲しいな、と思いながら、これぞというものが見つからず見送っていた、秋冬に履く暖かく歩きやすいブーツ、スエード素材ながら防水加工が施してあり雨・雪でも履ける機能的な一足をこの冬ついに見つけ、あのブーツがあるから大丈夫、と思いながら昨夜は眠った。今日は仕事の外出の予定もなかったので、両手がフリーになるように、古川さんに仕立てていただいたCinema Toteで通勤。
雪の映画といえば、ロシアのアニメ「雪の女王」(1957年)を真っ先に思い出す。偶然借りて観てみて、特典映像で宮崎駿が熱く語っているのを見つけた。宮崎アニメの原型のような物語だった。大切なものを守るために裸足で戦う少女が主人公。やがて登場する雪の女王が、かつて紅白で猛威を振るっていた小林幸子のようなルックスでラスボス感もあった。
http://www.ghibli-museum.jp/snowqueen/intro/
普段より時間はかかったものの無事に帰宅でき、NHKニュースをつけると、明朝は路面が凍るから、小刻みに歩きましょう…そう、あの動物のような!「ペンギン歩き」がおすすめです!と丁寧にペンギンが歩く映像つきで真面目な声でアナウンサーが解説していた。
トランプと湯たんぽ

金曜夜にジャズコンサートから帰った後は、ひたすら部屋に籠って片付けたり、家まわりの連絡をしたり(設備に不具合があり不動産屋に連絡)、28に関する連絡メールを何通も送る等、部屋着のような格好で地味にto do listを消してゆく週末を過ごした。
特に今年に入ってから加速していることに、部屋じゅうのモノが壊れる。材質的にも強度的にも壊れようがないだろう、と思っていた金属製の湯たんぽですら壊れた。小さな穴があいた)。薄ら怖くなって「モノ 壊れる 同時 意味」などgoogleに尋ねてみたら、大きな変化の前の予兆、吉兆と書かれていることが多く、買い替えで発生する面倒気分を期待で制御しようとしておる。
ロメール「緑の光線」では、浮かない表情で街とヴァカンス先を往復するデルフィーヌが、あちこちで偶然、トランプのカードを拾うという不思議エピソードが度々挿入され、彼女に訪れる変化の予兆をさりげなく示していた。デルフィーヌのトランプ、私の湯たんぽ。
シナリオ採録つきのパンフレットを取り出し、ついでにMONKEY映画特集号も。西川美和監督による「我が心のデルフィーヌ」という、「緑の光線」のデルフィーヌに触れた短篇が収録されている。この号は「永い言い訳」公開と同じ頃に発売され、この短篇はどう読んでも「永い言い訳」を連想するものだった。
終わるときは終わるし、壊れるときは壊れる。そういうものよ。壊れてもいいから、私も観たいわ、緑の光線。明日は雪らしいけれど。
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