好みについて

映画祭を離れ、静養日。
山形から始まった秋の映画祭シーズン、落ち着いて振り返ってみると、数ある映画の中から、自分好みをピックアップするのが上手になった自分に気づく。ドキュメンタリーばかりだと疲れるから途中でフィクションを挟もうって「アウトレイジ最終章」を観に行ったり、東京国際映画祭でも最近の興味(台湾など)とそもそも好きなもの、冒険して観るもののバランスの取り方が、もう、私の取り扱い説明書をきっちり読んで選んだような選び方で。
けれど映画祭って、私にとっては未知に触れて興味の幅を広げる役割を持つものでもあるので、これで良いのかしら…?という疑問も頭をもたげてきて。好みの条件ばかり揃った人が目の前に現れたとして、はたして愛せるか?問題のような。占いどおりに人生が進んだら怖いでしょう?みたいな。
と、昨夜、中国のアニメ「Have a nice day」を観て思ったのでした。つまらなくないけれど、妙な既視感があって、それは過去に観て好きだった映画や、過去に自分の生活があった場所の香りが充満した映画のように思えたからかもしれない。好みを知っておくと便利だけれど、好みの外にちゃんと出ることはもっと大事では〜と考えつつ、とりあえず早寝します。
http://2017.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=133
台湾シンクロ

映画祭が始まるので?身だしなみを整えるべく、仕事帰りに美容院へ。渡された雑誌をずっと読み、ふと顔を上げると、鏡に窓の外の夜空とネオンが写っていた。あ、視界が「台北ストーリー」みたい。1985年の台北では富士フィルムの、2017年の銀座ではHaierのネオンが夜空に。やがてみんなフィルムで映画も写真も撮らなくなるって、中国の家電メーカーのネオンが銀座に輝く日が来るって、1985年には誰も思いもよらなかっただろう。
ネオンのシーンを確認するために、買ったまま積んであった「台北ストーリー」のパンフレットをめくったら、最後に主演の侯孝賢と、共同脚本の朱天文の対談が掲載されており、台湾ニューシネマの始まりの頃、(エドワード・ヤンも含め)いつも一緒にいては映画の話をしたという侯孝賢の言葉の次に、朱天文が、私たちはよく”明星珈琲館”というカフェでいろんな映画の話や企画の話をしました。そしてヤンさんの家で多くの外国映画を観ました。と語っていた。
明星珈琲館、台北の老舗ロシアカフェ。昨日の日記に書いたばかりという台湾シンクロ。エドワード・ヤン的スポットでもあったらしい。珈琲とお菓子をオーダーしただけなので、次に行ったら食事しようと思う。
眺めのいい部屋

今日のカスタードつめたてシュークリームと右手。
新宿武蔵野館で、もうすぐ終わりそうな「ポルト」を観てきた。行ってみたい国ポルトガルの、行ってみたい街ポルトが舞台。ガイドブックを真面目に読む習性のない私にとって、映画こそ最高のガイド。
フランスからやってきた女が暮らす、ドウロ川と街が眺められる大きな窓のある部屋。引越したばかりだから家具も何もなくて、床に直置きの段ボールとマットレス。眺めのいい、広めガラガラの部屋が大好物なので、映画の中の住んでみたい部屋上位に新星登場という感じ。
最近の映画は長いけれど、「ポルト」は76分と短く、金曜の夜に観て、電車に乗って帰っても21時前。あらゆる局面において「短くても、語ることができる」ことを肝に銘じたい。この映画のように。
http://mermaidfilms.co.jp/porto/
D.D.

部屋の片付けの中、映画資料が未整理のまま雑に積まれておりまして、ずっと探してるパンフレット、今日は見つかるかなーって探してみたけれど見つからなかった。よよよ…。
そんな最中、ダニエル・ダリューの訃報が流れてきたので、ジャック・ドゥミの分厚い書籍を開いて、写真を観る。ここしばらく、ダニエル・ダリューの名前を新しめの映画で見かけるたびに(「ペルセポリス」とか…でももう10年前の映画かな)、え?ダニエル・ダリュー?おいくつだったかしら?と年齢を調べるまでが鑑賞行為の一環だった。「ロシュフォールの恋人たち」は、双子姉妹もさることながら、二人のママン役のダニエル・ダリュー、当時50歳?妙な若づくりもしていないのに、マチュアさとフレッシュさの混じったまま映っていて、あの映画を観るたびにママンに釘付けでした。
100歳で亡くなるなんて、生けるフランス映画史だったのだね。亡くなっちゃったけれど。共演したジェラール・フィリップより5歳年上だったって情報も流れてきて、いつの話やねん…と現役生活の長さに時空が歪んだ。Adieu! D.D.!
最終日

山形最終日。曇天の初日以外は見事な秋晴れで気持ち良い滞在。街っ子気質なので、あまりに何もない場所に行くと過ごし方がわからなくてオロオロするけれど、山形、都会の便利さと地方都市の個性が混じり合う、過ごしやすい街だった。映画館も本屋もあるし、コンビニもたくさん。頻繁に行くわけじゃないけれど、コンビニが目に入る場所に何軒か確認できると、いざとなれば行けるから安心感が違うのよ…。
最終日は映画選びに迷いながら、せっかくなので東北特集にすることにして、朝からコンペで1本。南三陸で撮られたドキュメンタリー。
https://www.yidff.jp/2017/ic/17ic14.html
それから、「やまがたと映画」の特集で、かつて酒田市にあり、淀川長治氏が「世界一の映画館」と呼んだグリーンハウスの証言集を。
https://www.yidff.jp/2017/program/17p8.html
地酒はその土地で飲むのが一番美味しいのと同じで、せっかく遠くに観に来たのだからその土地の映画を観るがよろし、と台北で台湾映画を観てしみじみ思ったけれど、今日の東北映画特集、我ながら最高の組み合わせだった。ホクホク。最後の会場が山形美術館で、広々とした公園の中にあり、ロダンの彫刻あるロビーで上映待ち。運営もスムーズで、会場間の移動も100円のコミュニティバスを活用できたり、映画にのんびり集中できる環境が整えられていて、リピーターが多いのも納得の素敵な映画祭だった。また2年後に再訪できたら嬉しい。
今日の走り書きメモ。
微かに紅葉

山形2日目。
初山形なので、映画ばかりじゃなくちょっと街歩きもしようと昨日は文翔館、今朝はバスに乗って蔵王温泉からゴンドラで山頂へ。微かに紅葉していた。好きな小説に登場する場所だから、行ってみたかった。ロケ地巡りのように。
下山して、コンペ2本。最後は今回の目玉のフレデリック・ワイズマン「エクス・リブリス」、これを観られただけで山形に来た甲斐があった。ワイズマンがコンペって、ワイズマンが応募したのかしら。コンペの他の監督たちは、いきなりの大御所登場にどんな気分なのかしら…と、つらつら考える。
https://www.yidff.jp/2017/ic/17ic05.html
ひとまずの行動メモ。
魔除け

引越したばかりの人から、新住所が送られてきたので、ふとデスクの上にあったカードを送った。新居のポストに届くデヴィッド・リンチ。どーん。魔除けに壁に貼った、と連絡がきて爆笑。
角川シネマ新宿でのデヴィッド・リンチ特集、2週間なので気をつけないと逃しそう。そろそろ、まず1本観ないと。
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