没後10年

台北、こちらの建物は侯孝賢プロデュースの映画関連複合施設「台北之家」。アメリカ大使館だった建物をリノベーションしたらしく、カフェやバー、もちろん映画館もあり、雰囲気ある場所だった。観たい映画がかかってなくて、映画館には入らなかったけれど、ショップで少し買い物をした。
こちらでもらった映画の上映スケジュールを見ていると、系列映画館が台北の別の場所にもう1箇所あり、7/14から週替わりで没後10年の節目にエドワード・ヤン特集が始まったらしい。

1本目が「海辺の一日」、その次が東京でもリバイバル中の「台北ストーリー」(去年のフィルメックスで観た)、最後に「ヤンヤン 夏の思い出」。フィルムが修復されたらしい。「海辺の一日」はエドワード・ヤンの長篇第1作で、東京で滅多にかからない。私は1度だけ、亡くなった年(2007年)の東京国際映画祭の追悼企画で観たっきり。その時に観られたのもずいぶんラッキーなことで、それから一度も上映されていないと思う。他の映画に比べてピンとこなかったけれど、予告篇を観ると、改めてまた観てみたいなぁと思う。東京でもかかりますように!
光點華山電影館で上映中。女性陣の髪型に80年代を感じるわ。
http://www.spot-hs.org.tw/movies/MovieDetail.asp?MovieId=586
インスタを見かけた、前売りチケット等のデザインも素敵だった。
揺蕩う

起きて外に出ると、昼の世界が光で真っ白。アイスが枯渇していたので、この間くじ引きで当てたパルムをもらいに行こうとセブンイレブンまで歩く。アイスケースにチョコミント氷があったのでそれも買う。嬉しくて帰りがてら道ばたで写真を撮ったら、光と影の陰影が真夏だった。間もなく梅雨も明けるだろう。隅っこに写ってる手とアイスの影が猫みたい。
台北で観た2本の映画…「ミレニアム・マンボ」と「夜の海辺で一人」と、行きの飛行機で読み始め、東京で読了した柴崎友香「寝ても覚めても」が、どれも女の人が居場所をどんどん変えて揺蕩う物語で、なんとなく自分のムードに寄り添っており、この気分から抜け難く、しばらく浸っていたい。そんな物語ばかり摂取したのはまったくの偶然だけれど、自分が引き寄せたようにも思う。
けれども早稲田松竹、これは混むだろう!と予測した2本立ては案の定混んでいるようで、立ち見を避けるためには、揺蕩う気分から抜け出し、早めに電車に乗らねば。1日に何本も映画を観る映画好きって、気分の切り替えが早い人が多そうで(私も時々ハシゴするけれども)、この気分にもうちょっと浸っていたいなんて時は、皆さんどうしてるのかしらね。
遭遇

台北の中心あたり、中山界隈を歩いていると、見慣れた人と目があった。…北野武!こんなところで何を…?

スーツケースの「RIMOWA」のイメージキャラクター、台湾では北野武なのね。中華圏では北野武なのだろうか。広い中華圏、どこまで勢力を広げているのだろう。ご活躍を、知らないところでも稼いでたんですね!と思うと同時に、2017年上半期、最も貪り読んだ本はビートたけし「顔面麻痺」だったので、以来、北野武/ビートたけしを見かけるたび、私が今こうやって見られるのも、北野武/ビートたけしが生還したからだよなぁ…と、しみじみした感慨がついてまわるようになった。
台北で北野武を見かけるのも、今朝「アウトレイジ 最終章」の映像を観て、楽しみで血が湧きたったのも、死の淵から北野武/ビートたけしが生還したからであるよ…。ほんま、生きてるだけで丸もうけやで…。
公式サイトの「作品情報」に人物相関図が追加されていて、この人とこの人が同じ組!と、通勤電車で見つめてしまった。
続・西門映画散歩

台北、西門の映画館街。古いビルの2階?にあるらしいU2電影館。ここで映画を観たなら、帰りは1階の「台北牛乳大王」で映画を反芻しながらぼんやり何か食べる…が、ひとつの建物でできて便利そう!と思いながら撮った1枚。
中華圏で撮った写真って、その場にいると感覚が麻痺しちゃっているけれど、後で見返すとつくづく街に赤が多いな、と思う。
昨日知ったけれどこの週末、日本は3連休!久しぶりに早稲田松竹へ行き「哭声」「お嬢さん」のハイカロリー2本立てを観る予定。混みそう!どちらも長くって、朝から観て終わるの夕方。
http://www.wasedashochiku.co.jp/lineup/2017/ojosan_kokuson.html
高田馬場駅を越える必要があるので2本だての休憩時間では行って戻ってこれないけれど、早稲田松竹に行って小腹が空いたら時々行くのは、バインミー☆サンドウィッチ。美味しくっておすすめのトーキョー・シネマ・フード。映画館に通う人って、それぞれお気に入りの映画館周りのレストランや食べ物調達箇所があって、そういう情報交換って楽しいのでは!
西門映画散歩

台北、西門は映画館街でもあるらしく、中山堂での上映が始まるまでの時間潰しに、ぶらぶら歩いた。google mapを見ると「台北市電影主題公園」とある。電影=映画なので、何かしら?と向かってみる。着いたら、何がどう映画?と探しても何も見つからないようごく普通の公園だった。あるいは朝9時半だったので、まだ映画らしさが起き上がっていなかったのかもしれない。
けれども、公園に向かう途中の路地に、?!という看板を見つけて近づく。

花様年華餐坊!むしろこちらが電影主題ではないかしら。「花様年華」は物憂げな色気溢れる映画だったけれど、こちらの花様年華は卡拉OK(カラオケ)設備完備をアピールする陽気な店…なのかもしれない。
往復の飛行機で読んでいた「寝ても覚めても」を昨夜読み終わり、頭があの物語でいっぱい。
恐怖分子的

マンゴーの美味しい時期にしか営業しないかき氷屋さんのマンゴーかき氷。もっと執拗にかき氷を食べるかと思えば、1食しか食べなかったのは、暑すぎて倒れる!という暑さではなかったからかな。帰国したら東京の方が暑いぐらい。
空港の中華電信ブースで手に入れたプリペイドSIM、72時間無制限に使って音声通話もできて300NTD(1000円程度)だったの、信じられないほど便利だった。乗換案内でルートをサクサク検索し、どこ?っていう場所にある映画館にも行けたし、google mapはどこにでも連れて行ってくれた。
しかし音声通話ができるということは、台湾国内で使える携帯番号が割り当てられることでもある。空港から台北駅に移動中、謎の電話がかかってきた。出なかった。無事の到着は知らせる人には他の方法で知らせたし、この番号を知る人はいない。ホテルに着いて、台湾の携帯番号を聞かれたので、知らせた。これで知る人々はできたけれど、よほど緊急事態でもない限り電話して来ないだろう。
その後1日過ごしていると、何度か同じ番号から電話がかかった。出なかった。映画を観る電源を切っている間にも着信があったようで、いよいよ中華電信からSMSに通知が届いた。

留守電メッセージを残さない着信が3件あったけれど、大事な電話かもしれないから、知らせておくね、という内容。知らんがな!と無視していると夜、いよいよ電話攻勢が始まり、数分置きに鳴ることに。落ち着かない。たまらない。けれど電話をかけてる人も、いたずら電話でない限り、間違った番号にかけてるって気付くまで落ち着かないだろうと思い、深呼吸して出てみた。
謎の音楽が大音量で流れ、やっぱりいたずら電話?しかしよく聞くと妙齢と思われる女性が電話口でまくしてている。彼女にとっても、は?あんた何してんの?何回かけてると思ってんの?と腹立たしい事態なのだろう。が、知らん。そちらの主張は無視し、あなたはかけ間違えてる、いったい誰の電話にかけているの?これは日本人旅行者の電話番号である。と負けじと大声で何度か繰り返すと、事態を飲みこんだのか大人しくなり、電話が切れた。
その後ピタッと電話は止んだので、伝わったらしい。さっさと出て話したほうがお互いのためだったわ。けれど、なんとなく出るのが怖かったのは、やっぱり「恐怖分子」の見過ぎだと思う。一本のいたずら電話から、あれよあれよと展開して最後にはあんなことに。ここは台北だもの。時折、窓の外から聞こえてくる、パトカーの警笛音もあの映画の中にいるような気分を無駄に煽っていた。
誠品書店 / 張愛玲

台北最終日。晴れた!朝、空港に移動するまで数時間あり、2日目に行って気に入った西門の「蜂大珈琲」でモーニング。今回、何度訪れたかわからない中山堂広場を抜け、台北郵局(北門郵便局)で明信片(ポストカード)と封書を送る。
郵便料金の相場がわからなくて、どれも国際郵便だから…と多めに見積もって現金を使い切らないように気をつけていたけれど、台湾の郵便料金は驚きの安さで、カウンターで、??!!という表情を浮かべてしまった。書留にするか?って何度か聞かれ、そうするとお高くなるんでしょう?と、普通のでいいですヨーと断ったのだけれど、書留にすればよかったかな。安すぎて訝しさが残る。無事に宛先に到着しますように…。
現金が予想より多めに残ったので、台北駅の地下にある誠品書店へ。駅の店なので規模は大きくないけれど(旗艦店に行ってみたかったけれど天候不順で無理だった。次回は買いたいものも定めて是非…)、中国文学の棚に張愛玲の写真を発見し(左側のチャイナドレスの女性)、するする引き寄せられると、短篇集、長篇がずらりとシリーズで刊行されていた。

李安(アン・リー)が映画化した「ラスト・コーション」の原作「色、戒」で有名な女流作家。本人のファッションセンスも素晴らしく、私の中ではモダン上海といえば、張愛玲のチャイナドレス姿の写真をパッとイメージする。酷評してしまったけれど映画「メットガラ」でも、展覧会のイメージ・ソースとして張愛玲の名前は登場していた。映画の出来がさっぱりだったので、名前が挙がるだけで、張愛玲が展示のどんなインスピレーションになったのかの説明は皆無だったけれど。
日本では「ラスト・コーション」公開時に、表題作を含む短篇が収められた文庫が発売された(集英社文庫)。どの短篇も素晴らしく、夢中になって読み、いつか原書で読んでみたいと思っていたので、台北最後の買い物はこの一冊に。
特に好きな「多少恨」という短篇を移動しながら読み始めたけれど、張愛玲の文章は、風景や衣服など目に写るものの描写が細かく、膨大な中国語の単語の中から、よくぞ胸を打つ美しさを持つ言葉をひとつ選びましたね…と感嘆するような華やかな言葉が選ばれている。比喩表現が多いわけではなく、衣服であれば色やスタイル、建築であれば床や壁の素材など、とにかく視覚面での詳細な描写が連続する。そして人物の動作や心理描写はそっけないほど簡潔で、映画の脚本のト書きみたい。これらが総合されて、頭の中で映画が上映されるような読書となる。
「多少恨」は冒頭、男女が出会う場が上海の映画館で、映画館そのものの描写から本文が始まることもお気に入りの理由。登場する国泰電影院は、内部は近代化したとはいえ、外装はそのままで現在も営業中とのことで、いつか行ってみたい映画館のひとつ。
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