青い時間

いつかの海。茅ヶ崎。
海なし県出身だからか、海との距離はいつまでも縮まらない。ロメール・夏映画、「夏物語」も好きだけれど、物語と自分の距離が縮まらないのは海辺の物語だから、だろうか。
ロメール・夏映画では断然「レネットとミラベル 四つの冒険」の「青い時間」が好き。ロメール映画には時折、ある自然現象が訪れるのを主人公たちとじっと待つ時間そのものが映されており、「緑の光線」が最たるものだけれど、「青い時間」も同じくで、夏の朝の青い時間が映っている。早起きしてあの時間を味わってみたいって、ずっと思っているけれど。
あまり行けなかったけれど、もうすぐ終わるとなると寂しいものですね。
ミュージカル特集ふたたび

5月に行った喫茶you。混んで並んでいなければ、銀座界隈での映画前の腹ごしらえとして最高!
度数の合ったレンズで見る世界は昨日よりクリアで、心なしか身体への負担も軽減したように思う。検査は大事。
シネマヴェーラのサイトをチェックしていたら、ぼやぼやしているうちにミュージカル特集が始まっていた。
http://www.cinemavera.com/programs.php
1度しか上映がない「鋪道の囁き」、去年のこの特集で観て再見したいけれど、タイミングが合わない。戦前(1934年)にこんなにハリウッドへの憧れを全開にしたモダーンなミュージカルが作られていたのだね。そして洋装の女性への「この西洋乞食!」ってパンチの効いた罵り言葉、それから中川三郎!ルビッチ映画に登場しても違和感のなさそうな佇まいの俳優(というより本職はダンサー)。などなど見所満載でオススメです。去年書いた感想はこちら。
洋装の中川三郎が、部屋に帰って和装に着替え、ポマードてかてかの頭のまま眠る…!という場面、最大の再見したいポイント。身のこなしの綺麗な俳優の、撫でつけた髪に弱い。
視力回復?

ロメール「愛の昼下がり」を観るために、昼下がり、有楽町へ。外に出ると雨が降っていた。なくなりそうなコンタクトレンズを買いに行く。いつも時間がなくて眼科の診察はパスしがちだけれど、視力がさらに悪くなったのか、見え方に違和感を感じていたので、みっちり視力検査してもらうことに。
右のほうが視力が悪く左右の度数の差があり、その差が開いたのか何なのか、バランスがおかしくなっている気がする…など、現状報告しながら検査してもらうと…なんと!視力回復していた!度が進んだのではなく、戻った(って言うの?)!コンタクトの度数では右-5.0→-4.5と2段階、左-4.0→-3.75と1段階回復。物心ついた頃から視力なんて悪くなる一方だったから、回復なんて逆方向があることすら知らなかった。
視力測定は1年以上ぶりで、その間の生活を振り返ってみると、夜の外出を意識的に減らしたので映画を観る本数はぐっと減り、厳選して観ることに。けれどPCに向かう時間は増えており目を使う総時間は変わっていないはず。ならば他に思い当たることはひとつで、体調を整えるために食事に気をつけることにして、糖分・糖質をなるべく摂らない生活を始めたのが1年ほど前だった。健康に気をつかっている人のような書きぶりだけれど、体力があまりないくせに、幼少のみぎりから活動量が多い生活なので、生活習慣や食事をコントロールして、なけなしの体力を効果的に配分することに興味があるのです。もしや?と調べてみると糖分と視力は因果関係があるらしい。身体機能の悪化は様々な要因の組み合わせ結果で、こればかりは個人差もありましょうが、私の場合は食事を通じた体質改善が、不調を正常化させ(他にもあれこれずいぶん良くなった)、効果が視力にまで及んだ…ということだろうか。
映画好き同士でそんな話題になることも少ないけれど、視力って映画好きにとって何より守るべき生命線だと思うので、誰にも薦められることではないけれど(健康法は「ただし個人差はある」の極みだから、お医者さんや専門の方に相談することはあっても、それ以外は…ねぇ?)私にとって嬉しい変化。眼鏡も買い替える!
面白かったのは利き目という概念があるらしく、私は右らしい。無意識に使っている方の目ということらしく、利き手は左なので、利き目と利き手は関係ありますか?と聞いたら、関係はないのだとか。検査してくださった方に、ロジックで話した方が腑に落ちるタイプと思われたようで、それから以降の種々の説明がやたらロジカルに変化したのも興味深かった。
以上、映画に関係ないようで、おおいに関係あるきょうのできごと。
ロメールを観に行った角川シネマ有楽町でチラシをチェックしていたら、見覚えのある色彩のものがあったので手に取った。「ロスト・イン・パリ」、もしかして…と思ったら、ベルギーのアベル&ゴードン監督・主演の最新作!ずいぶん前に観た「アイスバーグ」「ルンバ!」が面白くて、いつかまた観たいなぁ…!と時折思い出していた。2人は道化師でもあって、ほとんどセリフはなく身体の動きで物語を進行させる。色彩感覚も独特で、地続きとはいえフランスからベルギーに移動すると街や人のちょっとした色彩が違うもので、アベル&ゴードン監督の色はベルギー色だな、と思った記憶。「ロスト・イン・パリ」はパリで撮ったらしいから、これまでとはまた色が違うのかしら。
「ロスト・イン・パリ」のタイトルの文字情報だけでは、またパリ映画…?と食傷気味に詳しく調べなかっただろうので、チラシの色がパッと目に入って手に取ることができて良かった。やっぱり目…目は大事…と、この日記の振り出しに戻る…。
8月公開、ユーロスペース。
http://www.senlis.co.jp/lost-in-paris/
クレールの膝

ロメール特集で観た「クレールの膝」、1970年。クレールがロメール女優たちの中でもとりわけの美少女、男がヒゲもじゃ程度の記憶しか残っておらず、再見すると記憶は間違っておらず、でも記憶以上にふくよかな物語で驚いた。これはもっと何度も観るべき映画だったのでは。
サイトのあらすじより。
避暑地アヌシーで旧友の作家オーロラと再会した外交官ジェロームは、たわいもない会話から、ふたりの若い娘たちを誘惑することに。結婚を間近に控えた中年男が10代の少女の膝に執心するという一見不道徳な物語だが、ロメールらしい官能性とふしぎな可笑しみが見る者の目を釘付けにする。少女たちの輝く肉体とネストール・アルメンドロスによる美しい映像が、見事なアンサンブルを奏でる。
アヌシーの水辺、陽光、夏、湖にアヒル。こんな風景と夏の開放感の中、薄着の男女が集まって恋が始まらないとしたら嘘だね!という気分にさせられるアルメンドロスのカメラ。
ジェローム(ヒゲもじゃ。ジャン=クロード・ブリアリ!)とクレール(美少女)の間の話が中心かと思えば、クレールが登場するまでが長く、前半はほとんどローラ(ベアトリス・ロマン…若い!)とジェロームの話。愛や恋を観念的に語ることで意気投合したふたりは、恋に似た気持ちを抱き合うけれど大きく盛り上がりはしない。やがてクレールが遅れて登場し、弾けるような肢体が画面に登場するや否や、ジェローム同様、観客である私も、さっきまで小難しい顔して見守っていた、言葉を尽くして語られた愛についての議論など何の役にも立たないね!世にも美しい場所で、さらに夏なのに、湿っぽい言葉なんて野暮!と薄情に手のひら返して、クレールの膝に夢中になっていくのだ。こまっしゃくれた態度のローラも同級生男子(ファブリス・ルキーニ…若い!)の登場により、ジェロームとぐっと距離ができ、もうヒゲもじゃには興味はないわ、あたし若いし。と豹変するのも痛快。最初から全員を登場させず、登場人物が徐々に増え、相関図の矢印が複雑さを増していく構成、楽しい。
ジェロームずるい。私もクレールの膝に触りたい。けれど、相手を弱らせた隙に膝を思いのまま撫でまわすなんて、ただの姑息な中年男の作法すぎて興ざめ。大人の余裕ってものはどこに行ったの。あ、そんなの最初からないのか。
そんなジェロームの一部始終を、長らくの友人であるオーロラという女性が観察者として見守る。オーロラは作家らしく、ジェロームから逐一報告される揺れる男心を聞きながら、時にジェロームにローラをけしかけたり、クレールの膝に触れるようハプニングを演出したりする役割。聞き役なくして誰の物語も成立しない。ジェロームの物語はオーロラの存在なくして展開せず、ふたりは一心同体、表裏一体だけれど、彼女がその役割を静かに引き受けるのは、物書きらしい好奇心ゆえなのか、それとも観念でも肉欲でもない、別の種類の愛ゆえなのか、私の納得に至るには、あと何度か観なければならない。
女優の歌

北京の夏の路上。中華圏に行って街をぶらぶらしているうちに空の色がどんどん変わって、夕方から夜に光が変化してゆく、あの時間が大好き。
「ラビリンス」のPV、あの時間が映っていて何度も観てしまう。香港。Mステで観た満島ひかりちゃんの歌唱が素敵で、しばらく頭がぼーっとした。
女優の歌う歌が好きで、あれこれチェックした中では薬師丸ひろ子の「Woman」のこの歌唱が今のところ最高。3分少し固唾を飲んで見つめると、映画1本観た気分。
Rohmer tote 2017

シネマトート研究。ロメール特集のトート、去年買ったものは生地の厚みもサイズもちょうどよくて使い倒してる。去年、アテネフランセで使い込んでクタッとしたロメールトート持った男性がいて、わー!と興奮した。ちょっとガーリーな雰囲気のトートだけれど、その人にはとても似合っていた。
今年のトート(写真)は去年のより、サイズは縦に小さめ。蓄積疲労のせいか口内炎がたくさんできて醤油が染みるレベルなので、週末はこれにタオルなど詰め、疲れをとりに銭湯に行こうかと思う。銭湯にロメール、似合うかな。
ロメール特集は来週いっぱいで終了。予定通り2本見て、あと1本観に行く。
http://mermaidfilms.co.jp/rohmer2017/
【本日更新】Design for Living 生活の設計 / Dress for Noriko Chapter1 着想

本日更新しました。
映画好きの私のための、映画から着想を得た服を、hPark 古川博規さんに仕立てていただく、着想から完成までの過程を追う連載「Design for Living 生活の設計」。1着めは、「Dress for Noriko」。
物心ついた頃から何度も観ているけれど、観るたびに不穏さばかり増してゆく小津映画からの着想。Chapter1は、私が映画を観て思ったことを、わーっと喋った秋の日の記録。そして映画をご覧になった古川さんがメモした、謎かけのようなキーワードと写真群です。
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