蕎麦

関西出身の私にとって、東京の美味しい食べ物は蕎麦。自主的な外食イコール蕎麦屋に行くことで、日々の食事は自分で作ったほうが薄味が安定的に食べられて良い。
映画祭目的で地方に行くと、山形(山形国際ドキュメンタリー映画祭)や長野(小津安二郎記念・蓼科高原映画祭)、蕎麦処が多く必ず食べるけれど、遠くに行かずとも歩いて行ける根津「よし房 凛」が一番好みの蕎麦で、来客時やお礼をしたい時に予約してお連れします。昼間は平時から行列、大晦日には数時間待ちの行列の大繁盛店。
昨夜は冬限定の牡蠣汁せいろを食べた。前回ここに来たのはCinema Radio 28収録でゲストのトッシュ・バーマンさん、瑪瑙ルンナさんと。昨日もCinema Radio 28のゲストと一緒に。久しぶりにラジオ収録しました。近々更新しますので、お楽しみに!
よし房 凛(よしぼう りん)
ランプ交換

家にテレビがなくプロジェクターとTVチューナーやアンプ、スピーカー類を繋げて映像を観ている。2015年か2016年に一式揃えた記憶があって、使いながらずっと不思議だった。ランプが切れない。交換目安時間分の視聴をしていないのかもしれないが、永遠に切れなさそうで怖い….ランプ、私より寿命が長いかもしれない…と妄想していたら突然切れた。
改めてEPSONのサイトを見るとランプは在庫限り、プロジェクターも修理対応期限を過ぎていた。ドライバーひとつでランプ交換を済ませ、このランプが切れたらプロジェクターは買い替えだな、いつになるかな、と思った。
今はもっと性能が良いのだろうけれど、私のプロジェクターは窓ぎわの壁に投影し日当たりが良いので、朝昼は投影しても観られず、日が暮れてからの道具である。最近はTVerや配信で何でも観られるようになり稼働が少なくなったけれど、リアルタイムで観たい番組…M-1ブランプリやスポーツ観戦時に役に立っている。何より、テレビって薄型であろうとリビングの主役の存在感がでがちで、ソファやテーブルがテレビの方角に向かって配置されがちだけれど、プロジェクターだとただの壁なので何も圧迫せず他の配置を強いないところも良い。
トニー・レオンの印象

ジョニー・トー監督本人の印象がジョニー・トー作品そのもので感激した、と書いたので昨年、東京国際映画祭で来日したトニー・レオンの印象も書き留めておきたい。
『2046』上映後、トニー・レオンが登場し30分ほどトーク。写真はカメラ性能に難あるiPhoneで撮ったもので、ちゃんとしたカメラを持ち歩こうと決意するきっかけになった。貴重な機会なのに画質悪い!
詳細はこちら
https://2023.tiff-jp.net/news/ja/?p=62638
動画も
https://2023.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3604WFC21
30分ばかり同じ空間にいたトニー・レオンの印象は、街ですれ違っても気づかないぐらい普通の雰囲気だと思った。素朴で謙虚で、映画にまつわるインプットをたっぷりして演技に挑むプロフェッショナル。予習として孤独で謎めいた色っぽい男を演じる『ラスト、コーション』を事前に観たので、役と実物のギャップに驚いたが、あの男はトニー・レオンの精巧な演技の賜物で、色気も艶も陰も出力コントロール可能な「つくりもの」という事実にさらに驚いた。
挨拶程度しかわからないけれど、トニー・レオンの生の声を聴いていると耳ざわり、独特な音の抑揚、広東語の印象を私の中で形作っていたのは、映画を通じて慣れ親しんでいたトニー・レオンの声によるものが大きかったと知った。
生身の人間って情報量が多い。とても。
Cinema memo : 関心領域

ここ数カ月なかなか映画を観に行けなかったけれど、映画賞ノミネーションや結果を眺めると数少ない観た映画の名前が挙がっている。
アカデミー賞情報をちゃんと読むと、カンヌのグランプリ『The Zone of Interest』は邦題『関心領域』で公開が決まり、監督はジョナサン・グレイザー、前作が2013年『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』…!
アップリンク渋谷があった頃、年末恒例「見逃した映画特集」が助かる上映で、振り返ればあの特集で観たのが最後で、その後に映画館に滅多にかからない映画ばかりだった。坂本あゆみ監督『FORMA』、三宅唱監督『THE COCKPIT』など。
『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』、初見の監督ながらスカーレット・ヨハンソン主演なら楽しめるはず、と行ってみたら奇怪な物語、おぞましく美しい映像に、これ以上なくぴったりの音楽が添えられ、音楽担当ミカ・レヴィの名前を覚えた。
『関心領域』は監督10年ぶりの新作、音楽ミカ・レヴィ!俄然楽しみ。5月24日公開。
https://happinet-phantom.com/thezoneofinterest/
東博の椅子

東博の本館1階奥、庭に面した一角にある椅子を見に行った。以前ここに置かれたハンス J.ウェグナーのシェルチェアが「空間と椅子」の関係として私の中で満点だった記憶があった。
引越してもうすぐ5年ながら部屋がガラガラで、家具を増やそうか、選ぶなら椅子かな、とあれこれ見ている。
いざ行ってみると、あれ…思ってたんと違う。ブラウンの柔らかそうなレザーのベンチ。東博で椅子の大移動があったのだろうか。今度スタッフの方にシェルチェアがどこに移ったのか聞いてみようかな…と、過去の写真を探してみると、

床も壁も違う!違う場所だった。本館2階にあるらしいシェルチェアを1階で探して勝手にがっかりしただけだった。テーブルを囲むブラックのシェルチェア、生物群みたいな躍動感がある。天井にある照明とのバランスも良かったので、次また東博に行ったら写真を撮る。
龍飛鳳舞

もうすぐ旧正月。
1月、東博で正月恒例「博物館に初もうで」、去年の兎年にちなんだ美術品のチョイスは可愛すぎた、辰年は雄々しいものばかりだろう…楽しめるかな…と展示室に入ったら、
最初にドドーンと康熙帝の書が展示されており、威風堂々っぷりに一撃で圧倒された。
巨大なキラキラした紙に、太めの筆で書かれた龍飛鳳舞。きっと故宮で書いたのだろう。こんな道具を準備されるのも、これほどおおらかに書けるのも、中国の皇帝以外に誰がいましょうか。些末なことがどうでもよくなった。
https://www.tnm.jp/modules/r_event/index.php?controller=past_dtl&cid=5&id=10980
Weekly28/ジョニー・トー監督/映画か東京

秋からずっと緊張度の高い忙しさで、ジョニー・トー特集は横目でスルーする予定だったけれど、直前に監督来日の知らせを読み、さすがにこれは!とチケットを買った。
ジョニー・トー漢の絆セレクション、上映は4作。東京はシネマート新宿が会場。『エレクション 死の報復』上映前に監督の挨拶がある回に行った。
ジョニー・トー作品、DVDや配信で観られるものはほとんど観たけれど、スクリーンで観たのは数本で、私にとっても貴重な上映。去年『福田村事件』を観た時、音楽・鈴木慶一の素晴らしさに震え、北野武『アウトレイジ』『アウトレイジ ビヨンド』をDVDで観て、黒社会映画の気分になり勢いでジョニー・トー『エレクション』も観たものの、続編『エレクション 死の報復』に辿り着くには時間切れしたので、ちょうど観たかった。
さて、ジョニー・トー監督….!!映画祭や舞台挨拶で監督や俳優をたくさん見るので、存命の映画人で生で誰を見たら嬉しいかな?もう見たい人はだいたい見たかも?とクールな態度でいたけれど、ジョニー・トーを忘れていた。そして生ジョニー・トー、これまでの誰よりも嬉しかったです。過去の写真のイメージから、眼鏡をかけた中華圏に3000万人いそうなおじさんをイメージしていたけれど、生ジョニー・トーは本人が俳優としてジョニー・トー作品に出演していても不思議じゃないくらい背が高く精悍で引き締まって、けれどユーモアも気さくさもある想像以上に素敵な印象の人物であった。香港の面粥屋でこんな人に遭遇したら、きっと見惚れるだろう。話しかけてしまうかもしれない。なんというか…存在の美しさに。あまりにも作品と本人の佇まいが一致していた。

監督曰く、白内障の手術により眼鏡が不要になった。最近は週3ぐらいでサッカーしている、とのことで老廃物の溜まってなさそうなつやんつやんの肌であった。68歳、長生きして変わりゆく香港の物語をずっと見せてほしい…!そして『エレクション』の製作準備のエピソードも聞け貴重な舞台挨拶だった。
『エレクション 死の報復』(2006)は前作『エレクション 黒社会』(2005)の続編で、いずれも1997年香港返還後が黒社会にも影響を及ぼすさまを、星の数ほどある組織のうち伝統を重んじる最大派閥「和連勝会」の2年に1度の選挙を通じて描く物語。
続編『エレクション 死の報復』は前作より時間が経過し、黒社会の生存戦略が狭い香港での覇権争いだけではなく、返還により中国大陸といかに連携を築くかに視点がシフトし、中国公安も登場し、言語も登場人物によって広東語と普通話が入り混じる。黒社会から足を洗い真っ当な家庭を築きたいジミー(ルイス・クー)は新たな人生のため、俺は周りのオールドファッションなヤクザどもと違うんだ!と経済や普通話を学ぶインテリヤクザだが、本人の願いと裏腹に周りから見ればただの一介のヤクザに過ぎず巨大な中国公安に翻弄されていく…という筋書きで、私が面白いと思うのがジミーが普通話を習得しようと奮闘するシーンがちらほらあること。
公安との会話は問題なくともレストランでメニューの読む時、読解はもちろんできるが普通話での発音がわからず一生懸命注文するが、店員がくすくす笑いながら流暢な普通話発音で修正される。このシーンが面白いのは懐かしさがあるからで、1997年香港返還時、私は日本でニュース映像を見て、その後しばらく北京に暮らし、いったん日本に戻った後、また何カ月か香港や北京で過ごしたのが2000年頃までの数年。『恋する惑星』で見るビルのすぐ上を飛行機が飛ぶ時代の香港でも、返還後の香港でも過ごし友達もいた。
返還から数年経過した2000年初頭の香港。市政府勤務の友人は、管理職は普通話を覚えるようお達しがあったとのことで教育を受けており、私との会話(普通話)がスムーズだった。別の友人と電話で話していると後ろから笑い声が聞こえ「後ろでお姉ちゃんが爆笑してる。普通話で話してるのが珍しくて面白いって」と説明してくれた。中華系デパートの踊り場で、普通話教材がデモンストレーション付きで販売されており、香港の人はどうやって普通話を学ぶんだろう?と興味が湧き眺めていたら、売り場のお姉さんに話しかけられたりした。読み書きは同じでも発音が違うから、外国人が習得するのとはまた別の難しさがあるのかな、と。
友人と街を歩いていて、ふと「返還後の香港は変わったと思う?」と聞かれ、「たまに来る私からすると変化はあまり感じない。空港が変わったから別の街に来た感じはちょっとしたけど」と答えると「変化は実際は大きい。どんどん香港の良さがなくなっている」と嘆きが返ってきた。あまりに時間が経過し、もう連絡先も失くしたけれど元気でいてくれたらいいな、と願っている。
レストランで普通話発音での注文に苦戦して修正される、ジミーの頑張り屋で可愛いところが現れるシーン。裏では非情なヤクザしぐさに手を染めても、生き残るための変化対応に、彼は彼で必死なんである。『エレクション』シリーズ、「黒社会組織の定例選挙」という設定だけで十二分に興味深いところ、裏側に「ジョニー・トーの描く香港返還」がビシッと張り付いており、私自身の「あの頃」とも重なって大切な映画。初めてスクリーンで観られて感無量だった。
ジョニー・トーはその後2008年、古き良き香港に愛を捧げる最高にロマンティックな映画『スリ』を撮るので、この世のすべての人にセットで観てほしいです。いつか『スリ』も映画館で観たいし、旧正月明けには新作にとりかかるという監督が現在の香港をどう描くかも楽しみ。
<最近のこと>
2月に入ってから「映画か東京」について写真1枚、文字数行で書く日記をこのdiaryページで書いています。
きっかけは年明け、タブレットを新調して古いPCやタブレットを処分し、勢いでiPhoneも新調する?と検討して、不満がカメラの性能しかないので、眠っていたコンパクトデジタルカメラを活用するのはどうかな、と久しぶりに持ち歩き始めたから。
以前たくさん存在していた気がする、写真と文字数行で淡々と綴られる静かな日記を静かに読むのが好きでした。今はSNSがそれに代替しているけれど、何か書こうとSNSを開くと目に入るノイズが強すぎて、結局デザインやフォントも好きに設計したdiaryページで淡々と記録するのが良いと思いました。
あちこち行ったり見たり、まとめて書こうと思ううちに時間が経ち、記憶力が良いばかりにずっと脳内にはあるので良いメモになるかも。「映画」か「東京」についてで、映画を観なくてもほぼ東京におり、東京にいなくてもどこかの街で映画を観ているので、現在と過去が混じったりして、何かしら書くことがあるはず。
毎日、短くても何かしらdiaryを更新します。
ふと映画や東京について思い出すことがあれば、ぜひ遊びにきてください。

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