手書きアルファベット

山の上ホテル、前身「佐藤新興生活館」の設計図が展示されていた。
1930年代の設計図、手書きアルファベットはアールデコ調で、サイレント映画の中間字幕の飾り文字みたい。
さっぱりと書いても意味は通じるところ、あえてこう書く心意気。
京都の料亭で食事した際、飾り障子の話題で女将さんが言った
「最近の職人さんは余計なことしはらへん。余計なことするのが職人やのに」って言葉を思い出した。
https://www.yamanoue-hotel.co.jp/concept/
プリンアラモード

間もなく休館する山の上ホテルで、プリンアラモード。
白鳥のシュークリームが優雅で、いつかと願っていた。
座席争奪戦は苛烈を極め、9時に行列に並び10時半に整理券を獲得、15時着席。
休息のための喫茶にこんな労力をかけるなんて、ロジックエラーを感じる。
不忍池

「映画か東京」日記は写真1枚、文字数行。
3年前の不忍池。
古くからの歓楽街はどこもそうだが、上野は時折ぞっとするほど死の香りがして冬は特に濃い。
と、アリ・アスター監督来日日記の不忍池を見て確認する。
彼が撮るとどこも黄泉の国に見えて面白い。
https://www.fashionsnap.com/article/ariaster-photodiary/
【本日更新】Golden Penguin Award 2023

本日更新しました。
Cinema Studio 28 Tokyoは謹んで、Golden Penguin Award 2023を発表します!
Golden Penguin Award とは執筆陣・スタッフが2023年に観た映画のうち、「最も印象に残っている映画」を1本選び、それぞれのGolden Penguinを捧げ発表する賞のこと。2023年に撮った映画にまつわる写真を添えました。
コロナ禍を経てみんながそろりそろりと外に出た2023年。皆さんの文章を読んでも、飛行機の中で映画を観ていたり、遠くから移動して東京で私と会ってお喋りした人が参加してくれたり、「移動」が日常に戻ってきたな、と実感しました。
観た場所も、選んだ1本もバラバラの28らしいAward。暖かい場所で、あなたの2023年を振り返りながらお楽しみいただければ幸いです。
https://cinemastudio28.tokyo/goldenpenguinaward_2023
Golden Penguin Award、積み重ねることによって書く人にも読む人にも編集する私にも、意味深いAwardになるかも?と思って始めたのですが、実際そうなってきたな、と思っています。遡って読むと閉館した映画館の写真もあったりして、胸がギュッと鳴りました。
https://cinemastudio28.tokyo/goldenpenguinaward
最近、化石みたいに古いMacBookを処分すべく最後にデータを整理したら、デザイン担当・川畑あずささんにGolden Penguin Awardのデザインを依頼する際、イメージ共有用に作った資料が出てきたのですが、

「金馬賞(中華圏)、金熊賞(ベルリン国際映画祭)と、映画賞ではさまざまな金の動物が頑張って働いており、ペンギンも働くべきです」って真顔でペンギンに労働を促している過去の自分がいて笑いました。「ペンギン 賞」「ペンギン トロフィー」などでたくさん検索して、この資料作ってるとき最高に楽しかったです。
Weekly28/私は彼女をよく知っていた/寄席

年明け、所用で柳下美恵さんに連絡したら国立映画アーカイブでのチネマ・リトロバート映画祭でこの映画を観るけれど、よろしければご一緒しませんかと返事がきて、詳細を読むと1965年のイタリア映画『私は彼女をよく知っていた』だった。
去年の夏、イタリア人の友人・フランチェスコがCinema Radio 28に出てくれた時、「おすすめのイタリア映画を1本だけラジオを聴いている皆さんに薦めるとしたら何の映画?」という質問をしたら、答えが『私は彼女をよく知っていた』だった。日本で紹介されることが少なく、観られる手段もなく、なかば諦めて頭の片隅に置いていた。誘われたらたまたま探していた映画だった、こんな偶然があるものですね。
↑ この回の 36:20前後から『私は彼女をよく知っていた』の話をしています。
https://www.nfaj.go.jp/exhibition/cinema_ritrovato202312/#ex-79041
*国立映画アーカイブのサイトより抜粋
戦後イタリアの奇跡的な経済成長下における刹那的で享楽的な日常を描いた「ブームのコメディ」(1958-1964)の典型とも言える傑作。ネオレアリズモの先駆的作品『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(1943、ルキノ・ヴィスコンティ)などで脚本を手がけたピエトランジェリが、トスカーナの貧しい村からローマへ出てきて、ショービジネスの世界で破滅していく女性の姿を描く。2015 年にクライテリオン、FCB、ティタヌスが三者共同でオリジナルネガをもとにデジタル修復を行った。
1965(伊/仏/独:ウルトラ・フィルム/レ・フィルム・デュ・シエクル/ロキシー・フィルム)(監・原・脚)アントニオ・ピエトランジェリ(原・脚)ルッジェーロ・マッカリ、エットーレ・スコラ(撮)アルマンド・ナヌッツィ(美)マウリツィオ・キアーリ(音)ピエロ・ピッチオーニ(出)ステファニア・サンドレッリ、ニーノ・マンフレディ、ウーゴ・トニャッツィ、ロバート・ホフマン、ジャン=クロード・ブリアリ
「マルチェロ・マストロヤンニやソフィア・ローレンのような世界的スターではないけれど、当時のイタリアの有名俳優が総出演している」とフランチェスコは言っていた。
あらすじどおり、有名になりたい若い女性がショービズの世界に足を踏み入れ破滅していく物語で、フェリーニ『甘い生活』のような中身はないが華やかさだけはある狂宴のシーンが多い。そして2024年1月現在タイムリーなことに、スターに取り入り仕事を得るために、落ち目のコメディ俳優が若い女性(主人公)を献上する、話題の「上納システム」が描かれる場面があり、息を詰めて凝視した。お前この場で客を笑わせてみろよと指示されたコメディ俳優が、電車の走行音をガタンゴトンと全身を使って鳴らす場面があまりに長く満身創痍なので、「破滅していく」あらすじならば、満身創痍すぎたコメディ俳優がその場で倒れ亡くなり、若い女性が容疑者扱いされる流れかな?と推測したけれど違った。心配になるぐらい必死の芸だった。
主人公は成功のため身体を差し出すことを躊躇しないが、いまいち戦略に欠けるのと、若い美人は他にも山ほどいるといういことか、スターになる兆しも、ちやほやした扱いを受けることもない。一人の女性の顛末を描くが、固有の名前を持たず、どこにでもいそうな匿名のモブキャラ的存在に思えてくる。鑑賞して数日経過した今、演じたステファニア・サンドレッリの魅力は記憶にあるが、ヒロインの名前が何だったか思い出せない事実に『私は彼女をよく知っていた』という秀逸なタイトルが皮肉としてじわじわ効いてくる。彼女の名前は思い出せないが、「彼女のような属性の人物」が何を考えどう行動し、どう消費され、やがて蝕まれていくか私も、誰もがよく知っている。
そんな彼女が魅力的に見えるのが、有名になるには役立たなさそうな男たち…試合に負けたボクサーや、車整備のツナギを着た労働者…と一緒にいる時で、背伸びする必要がないからか屈託のない表情をしており、本当に可愛い。あのナチュラルな可愛さそのままで誰かに見つけられればいいのに、誰かに見つけられるためには、どこにでもいそうな着飾った女にならなければならず破滅に至る、そんな物語だった。
フランチェスコによると、イタリア国内で名作として捉えられている映画で、このような物語を名作として評価するイタリアに興味を抱いた。物語はシニカルながら、コミカルな演出が随所にある。手放しに面白い!と思える場面と「笑える場面として描かれてるっぽいが何が面白いのかわからない…国民性の違い…?」と考えてしまう場面の比率が、私がフランチェスコと話していて、手放しに面白い!の時と「彼は面白い話をしているっぽいが、言葉の意味を理解したところで…何が面白いの…?」と考える時の比率と同じだった。世界共通の古びない笑いもあるが、時代の笑いも、土地の笑いもあるし、笑いのツボの個人差もある。笑いの難しさよ。
<最近のこと>

『私は彼女をよく知っていた』後の講演に興味があったけれど、寄席のチケットを買っていたので神保町に移動。同じ建物に入り左側が神保町シアター、右側が神保町よしもと漫才劇場で、時と場合によってどちらにも用がある。入口に小津特集と令和ロマンのポスターが並ぶ2024年お正月。
関西人なので…?新年は寄席に行きたい。最推しはニューヨークで、単独ライブを年一度の楽しみにしています。神保町所属での推しはシンクロニシティという男女コンビ。この日はシンクロニシティと、2023年M-1敗者復活戦で一番面白かったエ゙バースのライブだった。どちらも生で見るのは初めてで、実力も個性も強いけれど真逆のキャラのコンビでめちゃくちゃ面白かったです。今年のM-1に期待。吉本興業が揺れているけれど、M-1が無事開催されますように。
書店や喫茶店、レストラン、映画館もお笑いの劇場もあって、さらに近所だし、神保町っていい街。

Weekly28/窓ぎわのトットちゃん/大河ドラマ

2024年、新年を祝う言葉を発するのも躊躇う年明けになりましたが、皆さまご無事でしょうか。
映画初めは地元・奈良のシネコンでアニメ『窓ぎわのトットちゃん』。
このタイミングで映画に!?と公開されても現実感が湧かず、そのうち観るかもとのんびり構えていたら家族から誘いがあり一緒に鑑賞。
観られてめちゃくちゃ良かったです。あえて絵本のような独特の作画にすることで、小さい子供に観てもらいたい狙いがあったのかな。トモエ学園でのトットちゃんの日々、小児麻痺のやすあきちゃんとの出会いと別れ、やがて戦争に突入。原作を丁寧になぞりながら、想像力たくましいトットちゃんらしいのMGMミュージカルのような場面やホラー映画のような悪夢の場面が事実を装飾していく。
パパは音楽家、ママは洋裁上手な専業主婦、洋館に住み朝食はパン卵サラダ、お友達のやすあきちゃんは田園調布に住んでいる1940年代前半、東京西側で文化的な生活をおくる小さなトットちゃんに戦争の影が忍び寄り、やがた引き返せない大きな渦に巻き込まれていく流れが、それまでの景色に微かに加えられる変化によってセリフも説明もなく静かに描写される。
2022年の年の暮れの『徹子の部屋』で、「来年はどんな年になるかしら?」の問いかけに、ゲストのタモリさんが「新しい戦前になるんじゃないですかね」と答えたこと、1年経ってみて的確な予言だったと思っている。戦争を知る世代が少なくなる中、アニメ化された『窓ぎわのトットちゃん』は美しくやがて虚しい反戦映画で、その虚しさに暗闇で泣いた。
<最近のこと>

今年の大河ドラマ『光る君へ』、紫式部に吉高由里子、藤原道長に柄本佑がキャスティングされ楽しみにしている。以前『鎌倉殿の十三人』の予習復習としてマンガ版『吾妻鏡』を読み、理解に役立ったので歴史マンガを今回も探した。『源氏物語』のマンガはいくつもあれど、紫式部の人生を紹介するマンガは少なく、一番新しい集英社の一冊を購入。
他のキャストを知らなかったので第1話冒頭から安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)が登場して興奮。かなり前、京都で晴明神社の前を通りかかり、参拝し魔除けシールを購入。その頃なぜか自転車に乗って怪我することが多かったので、当時乗っていたプジョーの自転車にビシッと貼った。…すると…!なんということでしょう!あんなに生傷絶えぬ自転車生活だったのに!ピタッと怪我や負傷がなくなった….!!…嘘やと思ってるやろ?私は絶対、陰陽師の魔除けパワーやと思ってるよ!
ま、単に注意深く自転車に乗ることを心がけるようになっただけかも?短いながらユースケ・サンタマリアの存在感もさすがだったので俄然、大河が楽しみです。

Cinema Studio 28 Tokyo 7周年

Cinema Studio 28 Tokyoは、インターネットを漂う、東京にあるらしい、あるかもしれない映画館
12月28日、映画の誕生日に生まれたCinema Studio 28 Tokyoは7周年を迎えました。
2023年は、かつての日常生活が戻ってきたものの世界はもう「かつての」なんて懐かしい場所じゃないんだな、と実感する日々でした。Cinema Studio 28 Tokyoは新たに音声配信Cinema Radio28をスタート。思い返せば、映画というキーワードを使いながらも、誰かにその人が何を感じてどう過ごしてきたのか、ずっと質問してみたかったように思います。いざ実践してみると「映画にまつわるお喋り」はシンプルなことのように思えるけれど、話し手も聞き手もお互いに「健康に生きていること」「約束して会えること(例えば異国からの移動を経て)」「映画について話せるほど心身が安定していること」など当たり前のようで当たり前でない条件をクリアする必要があってはじめて成立するんですよね。2023年お話したゲストには何年も会えなかった友達も含まれており、皆さんとお喋りする贅沢な時間を過ごし、それを見知らぬ誰かにも聞いて楽しんでいただけるなんて、夢のようです。
写真は送っていただいたポストカード。ポーラ・ネグリという大好きなエルンスト・ルビッチ作品にも出ている俳優さん。
新しい映画も歴史ある映画も観られるよろこびを享受しながら、書いたり話したりして、8年目の28を続けていきます。楽しみにしていただければ幸いです。
Cinema Radio 28はこちら。年末年始に是非どうぞ!
https://www.cinemastudio28.tokyo/cinemaradio28
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