【本日更新】新連載「雲の上で踊る」2018年 春
本日更新しました。
翠子さんによる新連載「雲の上で踊る」スタートしました。みどりこさん、とお呼びしましょう。
映画は世界の共有物だから、私が都心の映画館で観る映画を同時多発的に、流氷が漂着する場所で観る人も、満員電車の中で観る人もいて、同じ映画でもやっぱり味が違うのかしら。
など、ぼんやり考えていたある日、ポストに葉書が届きました。ずいぶん以前に住所を交換したものの、しばらくやりとりのないうちに翠子さんは引っ越し、その自然豊かそうな住所を思わずgoogle mapで検索してみたら、どうやって生活しているのだろうと思うほどの雲の上でした。
そんな雲の上で翠子さんは時々映画を観ているようだし、翠子さんが過ごした春夏秋冬と、その季節に観た映画の記憶について、手紙のように遠い都会で暮らす私に届くなら、その手紙は私が受け取るだけではなく、遥かな場所を思うすべての人にとって受け取るべきものになるのでは、と考えています。
短篇映画のような2018年 春の手紙、どうぞお楽しみください。
Rhapsody in Blue
パリ在住ピアニストの友人が毎年、夏の帰国ついでに催すコンサートを楽しみにしており、今年はピアノ連弾でガーシュウィン『ラプソディ・イン・ブルー』を弾くと知って俄然楽しみに。
もちろん反射的にManhattan!!!と反応。映画史上最も美しいオープングのひとつと思う。『ラプソディ・イン・ブルー』ピアノヴァージョン、聴いたことがないので、安易にyoutubeで探したりせず、コンサートを楽しみに。
Cinema memo : エヴァ・グリーン
一気に夏めいた東京。梅雨、中休みと言わずこのまま明けて欲しい。発作的に暑い日・水辺という大好きなシチュエーションを脳内が求め、該当する写真を探してみると、何年か前の夏の北京を引き当てた。みんな大好き、后海界隈。私も好き。
この日はここ数年で体感温度がもっとも高かった日で、空港に向かう前に名残惜しく、后海のほとりにある茶館へ。何の部屋?と聞きたくなる広い書斎のような個室に通してもらい、独占状態でのんびり絵葉書を書いた。今日40度よ、今年一番の暑さ!と店員さんに言われながら、熱いお茶をすする。
話は変わり、ホン・サンス祭もまだ1本しか観ていないけれど、4本のうち2本は過去に観ているからのんびり追うとして、ポランスキーの新作が公開された。忙しいな、6月。
告白小説、その結末
芳しい感想がどこからも聞こえてこないけれど、別にいいの、つまんなくても。エヴァ・グリーンをスクリーンで眺められるだけで。私は『ドリーマーズ』以来、エヴァ・グリーンの魅力に嵌り、今でも『ドリーマーズ』が一番好きだけれど、
ダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンド・シリーズで最高のボンドガールはエヴァ・グリーンだとも思ってる。ヴェスパーロスに陥るジェームズ・ボンドに共感しきりだった。
ブレードランナー2049
5月に観た映画メモ。早稲田松竹でブレードランナー新旧2本立て。『ブレードランナー2049』は2017年の映画。監督はドゥニ・ヴィルヌーヴ!
http://www.wasedashochiku.co.jp/lineup/2018/bladerunner.html
世の熱心なブレードランナーファンの方々がどんな気分になったのかは知らないけれど、確かにブレードランナーの続編だし、ドゥニ・ヴィルヌーヴの映画でもある!最高!と私は思いました。『メッセージ』を観た時も思ったけれど、ドゥニ・ヴィルヌーヴ映画の水墨画のような色調が好みで、色数が少ないのにカラフルな映画よりずっと色のグラデーションを感じる豊かさがあって、『ブレードランナー2049』も例外ではなかった。カラフルな場所にいたり、カラフルな洋服を着ると(着ないけれど)気が散って落ち着かない私は、現実世界がドゥニ・ヴィルヌーヴの色なら心安らかに暮らせそう。
ライアン・ゴズリングは好きでも嫌いでもないけれど、表情のバリエーションが少ないのに、僅かな目線の角度や口角の上げ下げ(だいたい上がってる)で感情を表現できる面白い俳優だな、とこの映画を観て思った。バーチャル恋人とのバーチャル・セックスシーンが新鮮で興味深いけれど、あんな未来がもうすぐ訪れそうな気もする。ハリソン・フォードとの共演シーン、迷い込んだステージのある部屋が鈴木清順映画のようだった。
そしてライアン・ゴズリング残酷物語でもあり、『ラ・ラ・ランド』と続けて『ブレードランナー2049』を観た日には、この世界にはライアン・ゴズリングが幸せになるエンディングは存在しないのか!誰か幸せにしてあげて(できれば生身の人間で)!とライアンの幸せを祈ること間違いなしである。
http://www.bladerunner2049.jp/
ブレードランナー
ずいぶん前に観た映画の鑑賞メモ。早稲田松竹で、ブレードランナー新旧2本立て。続けて観ると2017年の『ブレードランナー2049』は、1982年の『ブレードランナー』あってこそだな、と納得するので、2本立てに感謝。
http://www.wasedashochiku.co.jp/lineup/2018/bladerunner.html
80年代の映画、世代的に私はほとんど観ておらず、『ブレードランナー』も初見だった。それなりに古いSFを観る時の「ちょっと前の世界が想像した、近未来」のくすぐったい感じや、80年代の映画特有の、こんなんが流行ってたなんて、なんてクレイジーな時代だったのか!感(日本の80年代トレンディ映画群にありがち)に溢れた映画なのかな…と身構えていたら、どちらも微塵もなく、今年の新作です、と言われても信じてしまいそうなタイムレスさだった。
どうして?と考えたのだけれど、ハリソン・フォードの髪型やファッション、いつの時代もこんな男の人はいるよなぁ…と思うベーシックなものだったからかもしれない。レプリカントたちはめいめいに好きなファッションだったけれど、今観ても違和感がなかったのは、昨今80年代がリバイバルしているせいだろうか。
人間が創ったレプリカントが、人間の想定した以上の思考を持ち始め、人間がそれに振り回される…やや最近の『エクス・マキナ』にも共通するところがあって、1982年から30年以上経過し技術は映画の世界に近づいたけれど、物語る想像力、妄想のテーマはあまり変わってないのかも、と思った。
ショーン・ヤングって女優、知らなかったわ。めっちゃ綺麗!とwikiで調べてみたら、なかなかの人物だった。人生いろいろ。
好き・嫌い
上野動物園のペンギン、羽(毛?)の生え変わり時期なのか、病気じゃなければいいんだけど…の右の子、見た目のせいで周囲にちょっかい出されるのか、当の本人(本鳥?)も気が立っているのか、周囲と喧嘩しがちで、ちょっと近づいただけで嘴をわぁわぁしはじめて、きみたち!…!仲良くしなさい!と願ったものです。元気かな。
監督の前作『タンジェリン』が面白かったので、半年前から楽しみにしていた新作『フロリダ・プロジェクト』、ずっと手帳に書いているけれど、なかなか足が向かない…のは、上映されている映画館(ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿WALD9)がどちらも苦手だからだ!映画は観たいけれど映画館に行きたくないからぐずぐずしちゃうんだ…と気づいた。
好きな映画館もあれば嫌いな映画館もある。苦手な理由は主に立地、観客層。都内の映画館でもっとも観客層が落ち着いていて気持ちよく観られるのは、TOHOシネマズ日本橋説を唱えている。映画館の好き・嫌いって理由もあわせて聞くと、その人の趣向が見える気がしてなかなか面白い。私は都内だと早稲田松竹が好きだけれど、最前列で観てもスクリーンとの距離がしっかりあって疲れないから、学生街にあるせいか名画座だけれど観客層が若め…等が愛する理由です。
悩み多き『フロリダ・プロジェクト』、一度行ってみたかったユジク阿佐ヶ谷に7月末にかかるそうなので、そちらで観ようと決意。時間の都合がつけば、台湾巨匠傑作選と併せて観たい。
https://www.yujikuasagaya.com/
夏至
夏至。万事うまくいけば、この時期にヨーロッパに行きたかったけれど、ホン・サンス『それから』のコピーじゃないけれど、「人生は、ままならぬ」ものですね。『それから』を観ると、は?!人生は、ままならぬって、あなたが言うなんてどういうつもり?って、あの妻のように問い詰めたくなる瞬間の連続だけれど。
夏越しの大祓、ずっと行きたくて平日だから無理だったけれど、今年は土曜!ついに行けそうで近所の友人と誘い合わせた。近所の和菓子屋で水無月が発売されるという情報も軒先の張り紙から得た。
毎年、この時期になると、夏の盛りに観たい映画を、観られる環境にあるかないかを問わず妄想するけれど、数多ある夏の名作から今年パッと浮かんだのは、濱口竜介監督『何食わぬ顔』。
電車に揺られながら、女性が国語辞典の「なつ」から始まる一帯を淡々と読み上げるシーンがある。夏、懐かしい…。なかなか観る機会のない映画だけれど、あのシーンは至高。
補足。『何食わぬ顔』、こちらで有料ダウンロードできるらしい。なんと!梅雨が明けたらダウンロードして観ようかな。でもこれはshort versionで、私が観たlong versionより短い。どうしようかしら。
【about】
Mariko
Owner of Cinema Studio 28 Tokyo
・old blog
・memorandom
【search】
【archives】
【recent 28 posts】
- 1900s (3)
- 1910s (5)
- 1920s (10)
- 1930s (26)
- 1940s (18)
- 1950s (23)
- 1960s (58)
- 1970s (14)
- 1980s (40)
- 1990s (46)
- 2000s (37)
- 2010s (240)
- 2020s (28)
- Art (30)
- Beijing (6)
- Best Movies (5)
- Book (47)
- Cinema (2)
- Cinema award (15)
- Cinema book (58)
- Cinema event (99)
- Cinema goods (15)
- Cinema history (2)
- Cinema memo (127)
- Cinema Radio 28 (8)
- Cinema Studio 28 Tokyo (89)
- Cinema tote (1)
- Cinema Tote Project (1)
- Cinema trip (43)
- cinemaortokjyo (2)
- cinemaortokyo (100)
- Drama (3)
- Fashion (40)
- Food (65)
- France (15)
- Golden Penguiin Award (9)
- Hakodate (6)
- Hokkaido (3)
- HongKong (3)
- iPhone diary (1)
- journa (1)
- Journal (248)
- Kamakura (1)
- Kobe (1)
- Kyoto (18)
- Macau (2)
- memorandom (4)
- Movie theater (210)
- Music (43)
- Nara (15)
- Netflix (3)
- Osaka (2)
- Paris (13)
- Penguin (15)
- Sapporo (3)
- Taiwan (47)
- TIFF (24)
- Tokyo (358)
- Tokyo Filmex (14)
- Weekly28 (10)
- Yakushima (3)
- Yamagata (11)
- YIDFF (6)
- Yokohama (5)
- Youtube (1)