東京上空

2017年・秋の東京上空いらっしゃいませ。
眺めのいいテラスから、工事中の競技場も新宿のビル群も東京タワーも紅葉も遠くに富士山も見える。夜は夜でネオン煌めき、ここに人が立っているのを眺めるのは、「her」のホアキン・フェニックスを眺めるような近未来アーバン感がある。「her」、ハリウッドでもビーチでもない近未来LAが映し出されていて、あの景色好きだったなぁ。
「泳ぎすぎた夜」を引きずりながら本棚の前に立ってみると、「雪は天からの手紙 中谷宇吉郎エッセイ集」が目に入ったので、鞄に入れる。電車で読んだメールに、これから帯広に向かう、と書かれていて、寒そう…と思いながら本を開くと、最初のエッセイが「雪の十勝」だった、というシンクロ。東京の寒さにすら怯えているけれど、雪は雪で羨ましい。
変化

金曜に荷造りし、今日は荷解き。1駅分だけだけれどオフィスが移転し、内装がずいぶん変わった。
昨日、冬が始まったことと、昨夜観た映画によって、夏から続いていた南国気分(台湾前後を含む)から日本の冬に心が移動し、小さな変化が一気に重なって、今日は何も読む気にも観る気にもなれず、気分の節目をぼんやり舐めた。
雪深いところが恋しくなり、2月に行った新潟の写真を引っ張り出し眺める。
冬の初日

ひっぱりだしたウールのコートで夜、フィルメックスへ。冬服ってこんなに重かったっけ。薄物に肩が慣れてしまっておる。
昨夜のオープニング映画のことを書こうと思っていたけれど、今晩観た映画で上書きされ、心を巻き戻せない。
「泳ぎすぎた夜」、ふたりの監督の過去作も観て、メイキング往復書簡もずっと読んでいたし、予習ばっちりで膨らんだ期待をやすやすと超えてゆく映画だった。公開は来年春らしいけれど、冒頭の窓の外に降る雪から身体ごと北国の冬に連れて行かれる物語だから、今日のような、冬の初日に観られたタイミングの奇跡。映画の神様っているんですね。
え、上映、1回だけなのか!
http://filmex.net/2017/program/competition/fc09
感想は明日から。
フィルメックス

東京フィルメックス開幕。オープニングの会場は日劇SCREEN1。日劇はなくなってしまうのよね。審査委員長は原一男監督。みなさんも審査員になったつもりでみなさんの人生をもって映画を観て、最終日に審査員が選んだ映画と意見が一致したかしなかったか、競ってみませんか、と挨拶された。
こちら
http://natalie.mu/eiga/news/257324
オープニング作品はシルヴィア・チャン監督「相愛相親」。監督としても女優としても素晴らしかったけれど、今日のファッションが素敵で細部まで観察してしまった。ベロアのエレガントなパーカ、プリーツスカート、薄手のタイツにショートブーツ。トレンド要素もたくさん入ってるのに、洋服に着られた感がなくて、ピッと伸びた背筋と余分な脂肪のない身体、快活なトークや表情にもぴったりで、スタイリストが用意したものかもしれないけれど、久しぶりにパーソナリティと装いが完璧に合っている人を見てうっとりした。その人に一番似合う服を着ているのを眺めるだけで、こんなに背筋の伸びる気分になるなんて、シルヴィア…偉大…。

映画の感想は明日書く予定。日劇を出てエレベーターを待っていると、観客としてこっそり観に来ただけなのに強引なファンにサインをねだられる西島秀俊に遭遇。映画館通いする人々から散々、目撃談を聞いていたけれど初めて遭遇したので、ツチノコを見つけた時ってこんな気分かなって気分を味わった。
映画祭の初日らしい1日であった。
師走の足音

気温がぐっと下がって、12月の予定がどんどん埋まる。年始に京都で食べた蒸し寿司、お寿司、蒸して美味しいのかな?って思ってたけれど、これが美味しかった。暖かいものを身体が欲していて、冬だなぁ。
12月の映画館の番組もチラホラ出始め、早稲田松竹の「軽蔑」「フェイシズ」の組み合わせ、最高!
http://www.wasedashochiku.co.jp/lineup/schedule.html
これで決まりだな、と思っていたけれど、シネマヴェーラの年末年始は毎年クラシック映画…と調べてみたら、今年はヒッチコックだった。こちらも捨てがたい。未見だけれどラインナップにある「ふしだらな女(1928年)」ってノエル・カワードの舞台の映画化なのか。ルビッチ「生活の設計」もノエル・カワードの舞台の映画化なので気になるけれど、あらすじの「アル中夫から不倫を疑われ離婚訴訟に敗訴した女性が、傷心旅行中にイギリスの御曹司から求婚され…。 世間から“ふしだらな女”の烙印を押されたヒロインの涙にぬれたクローズ・アップが痛ましい」って、ルビッチだったらコメディにしそうな設定で、「痛ましいヒロイン」なんて逆立ちしても描かなさそうなものを、ヒッチコックだからまるで違う映画になるんだろうなぁ。あまり良い気分にはならなさそうだけれど、怖いもの観たさでちょっと観てみたい。
http://cinemavera.com/preview.php?no=199
去年の映画納めはシネマヴェーラで「教授と美女」、今年の映画初めは京都・立誠シネマで濱口竜介監督「THE DEPTH」だった。毎年、映画納め、映画初めは慎重に選んでいる。もう少し情報を集めてみようっと。
フィルメックス予習

今週末からフィルメックス開幕!
28各種業務連絡メールを書きながら、教えていただいて、フィルメックス ディレクター林さんが出演されたラジオ番組をタイムフリーで聴いてみたら、フィルメックスだけでなく、映画を観ることそのものの楽しみにも触れられた内容で満足。これで映画にハマった!という瞬間ってあるよなぁ。それを聞くのがとても好きです。
2017年11月17日 20:26まで聴けます。
http://radiko.jp/#!/ts/TBS/20171116100225
フィルメックスのコンペ、これは賛否両論になりそう!という1本はどれでしょう?という質問に、林さんが「フィルメックスのコンペは、全部そうですね」って、さらっと答えてるの、笑いつつも頷きました。
写真は近所の友人に教えてもらって、最近ちょこちょこ買いに行っている根津のル・クシネというお菓子屋さん。金土日だけ営業。緑もふもふの外観。
閉館/廃業

リレー連載「Cinema on the planet」で夏、りえこさんにご紹介いただいたL.A.のThe Silent Movie Theatre (home of The Cinefamily)、掲載して数週間後にセクハラ騒動で一時閉館、その後調査が入り、ついにオフィシャルに閉館が決まってしまったのだそう。なんと!
https://cinemastudio28.tokyo/cinemaontheplanet_004
wiki(en)によると、まったく穏やかではなかった…。上記リンクの記事中にあるyoutubeで、アンナ・カリーナ登場動画の聞き役は女優ブリー・ラーソン。彼女はCinefamilyのアドバイザリー・ボードだったのね。
In August 2017, an anonymous email was sent to Cinefamily members. The email detailed a 2014 sexual harassment allegation against Belove that resulted in a settlement and accused Shadie Elnashai, vice president of the board of directors, of “raping multiple women”.Both men subsequently resigned, and Cinefamily itself suspended all operations as of 26 August 2017. Brie Larson, a member of the Cinefamily advisory board, announced she was stepping aside from the organization for the foreseeable future.
ニュースを騒がすハリウッドのセクハラ騒動は監督、俳優にとどまらず映画館の裏側にまで。被害に遭われた方が一番お気の毒であることはもちろん、かなり長期の上映企画でフレデリック・ワイズマンの全作上映が去年始まったばかりのまま中断してしまって、熱心に通っていた観客もがっかりしていることでしょう。経営難でもなく、そんな理由というのが、遠くからでも哀しいわ。
りえこさんの記事にあるように、映画さながらのドラマティックな事態に陥りがちなこの映画館(お祓いしてもらった方が良いのでは…)、けれどこれまで何度も復活を遂げてきたことだから、次は健康的な運営でファン思いのオーナーが登場しますように。
日曜夜、「シン・ゴジラ」はおおいに楽しんだ。何度観ても面白すぎる。そして去年、蒲田の銭湯・大田黒湯温泉第二日の出湯がゴジラ湯と化した件を日曜の日記に書いたけれど、その銭湯が廃業したと教えていただきました。
取り壊し前にさよならイベントも開催中。11/18は1日のみ最後に復活するそうです。もうゴジラはいないけれど、露天が素敵だったのでお近くの方は是非。
そして銭湯のサイト、ゴジラ湯終了時のお知らせが「ゴジラ完全沈黙の為、 2016年11月8日(火)をもってゴジラ湯を終了いたします。」って書かれていて、なんとファンのツボを丁寧におさえた表現かしら…と今更ながら知りました。
生活圏内ではないし、一度しか行かなかったけれど、「シン・ゴジラ」の年に蒲田でゴジラ湯に浸かったこと、ずっと自慢していこうと思っています。
はぁ、場所って儚いな。それでも、セピアな思い出を語るより、現在進行形の愛を囁きながら暮らしていきましょう。
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