データ班

そのトピックについて話題にすることがないから、案外知らなかったその人の側面、というのは誰にでもあることで、私の場合まるで知られていないのは野球好き、という点だと思う。
母(高校の先生)が野球好きで、文化系部活の受け持ち(華道部とか書道部とか)のくせに己の趣味全開にして何故か野球部に深入りし、県大会の予選から球場に応援に行く人だったので、小さい頃からしょっちゅう球場に連れられて行った私も自然に野球好きになり、物心つくと友人と誘い合わせて高校野球の応援に甲子園にも行き、夏休みにふと「スコアのつけ方」的な実用書を買って習得しスコアをつけながら観戦していた時期もあった。親の影響は恐ろしい。
第100回大会の今年、猛暑ゆえ日中は家にいる時間が長いせいか、高校野球観戦する時間が増え、やっぱり面白いなぁ!と思う。タイミングがあえば、かつて甲子園に通った友人と遠隔でチャット実況しながら観ておる。準々決勝の土曜、どの試合も見応えがあり、冷蔵庫に何もないのにテレビ(スクリーン)の前を動けなくて困った。試合と試合の合間に八百屋に走って行き、走ってまたテレビの前に戻った。
大阪桐蔭の監督のインタビューで「データ班が相手チームのデータをしっかり集めてくれたおかげで勝てた」と、データ班が、データ班が、と何度も繰り返したので、もちろん映画『マネーボール』を思い出した。
とても熱中して観た映画で、まさにデータ班大活躍物語だけれど、データを分析し尽くして勝ち上がった先のほろ苦さにこそ野球の旨味がギュッと詰まっていた記憶があり、第100回大会が終わった頃、じっくり再見したい。ブラッド・ピット映画の中でも特に好きなのだけれど、ブラピというより映画というより、単に野球が好きなだけというのが理由だと思う。野球>ブラピ。
*これを書いている翌日が決勝。まさに映画のような好対照な対戦、もちろん仕事でリアルタイムで観戦できないけれど、ほんま、仕事してる場合ちゃうわ!
ペンギン充

この夏のアニメ『ペンギン・ハイウェイ』の宣伝で、舞台挨拶に本物のペンギンが登壇したり、
https://natalie.mu/comic/news/289515
始球式の応援に駆けつけたり、
https://natalie.mu/eiga/news/295559
ガチャピン&ムックと動画に登場したり、
あの手この手の宣伝で頻繁にペンギンが視界に入るので、なんて贅沢な夏!ペンギン充!と歓喜しているところです。
RIVER

上へ上へと伸びゆくトーキョー。
解禁されたtofubeats「RIVER」(映画『寝ても覚めても』の主題歌)、素晴らしくて毎日30回は聴きながら夏の東京を歩いてる。
このtweetを読んで、
アルバムのブックレットに入る文章から「RIVER」について部をチョイ見せ。実際は1万字弱の制作日誌が入ります。 pic.twitter.com/oxeaat5vIG
— tofubeats (@tofubeats) 2018年8月16日
「まずは映画を見終わったあとに見ている方々が朝子のことを嫌いにならないような曲にしたいな、というようなことをボンヤリ考えた」という箇所、優しいなぁ、と何度も読んだ。
クレアのカメラ

有楽町、ホン・サンス&キム・ミニ特集で『クレアのカメラ』。
http://crest-inter.co.jp/sorekara/crea/
相変わらずのキム・ミニ受難物語だけれど、今回の4作のうち最も気楽に観られる1本だった。カンヌの気候、陽光があまりに気持ち良さそうだったからかもしれない。過去にホン・サンスは『アバンチュールはパリで』というなんだか文化村マダムのいかにも好きそうなタイトルの映画を撮っているけれど、
http://www.bitters.co.jp/paris/
これがびっくりするぐらいマイペースなホン・サンス映画で、パリを舞台にした映画らしさが微塵も感じられない。かろうじてパリ要素があるとしたらオルセー美術館で撮っているシーンがある程度だけれど、ホン・サンスがオルセーで撮るとしたら、あの絵が登場するのでは?という絵が案の定登場して(しかもホン・サンス・ズームで寄ってた記憶!)爆笑しちゃった。ええ、クールベ「世界の起源」ですとも。しかし『アバンチュールはパリで』というのは安直な邦題に過ぎず、原題は『昼と夜』っぽいシンプルなタイトルだったような。
カンヌで撮られた『クレアのカメラ』はその点、カンヌの街や空気もしっかり映っており、カンヌ映画祭の裏側も覗き見られて一粒で何回も美味しく、妖精のような立ち回りのイザベル・ユペール(アニエスベーの黄色いカーディガン、おそらく私物だろうな)にキム・ミニ(カンヌの仮設オフィスで仕事する際の黒いシンプルなワンピースが素敵)、ホン・サンス・ミューズふたりが並んでカンヌを歩くだけで十分に映画が成立している、新鮮で極上の素材だから生のまま齧って大丈夫、というこの上なく贅沢な映画だった。
キム・ミニが働く仮設オフィス、ドアに貼られたポスターが一瞬映り、それがホン・サンスの『あなた自身とあなたのこと(Yourself and yours)』のポスターだったから、相変わらずの虚と実、公と私の入りまじりっぷりに冒頭から微笑、キム・ミニの歌う可愛すぎる歌を経由し、微笑は最後まで続いた。
カメラを止めるな!

噂の『カメラを止めるな!』、TOHOシネマズ日比谷で。お盆、かろうじて休んだ平日の朝、500人ほどのスクリーンは満席ではなかったけれど老若男女集っており、映画が始まると有名な俳優は誰も出ていないし、低予算ならではのチープさもあって、これがヒットするのか、ブームってすごい!
確かに普段、映画の話をしたことがないような友人知人も軒並みこの映画を話題にしながら、誰もあらすじも詳しい感想も教えてくれなかったのは、なるほどこういう展開だからか、と観終わってみて納得。映画撮影の裏側ものとしてトリュフォー『アメリカの夜』的な溢れる映画愛とチャーミングさ。
を感じたものの手放しに熱狂はしなかったのは、あまりにも!な分かりやすさ、これからね!伏線を!回収しますよ!と、どどーんと宣言し、ほら!これがね!あの!伏線の回収です!わかりますか!ってどんどん教えてくれちゃったからかな。セリフもないのに目線ひとつで多くを妄想させてくれちゃう粋な映画が好きなルビッチ党だし…。けれど、この分かりやすさこそがこのインディーズ映画をTOHOシネマズ日比谷でかかるようなヒット作に押し上げたのね…とも同時に考えたのでした。
http://kametome.net/index.html
夜の浜辺でひとり

有楽町で。ホン・サンス『夜の浜辺でひとり』は、去年台北で観て以来2度目の鑑賞。
台北で観た時のことはこちらに書きました。日本で配給されるか不明だったので、台北の東の外れのシネコンまで観に行った。つるんとした巨大なショッピングモールがある南港というエリアは、東京で例えるなら二子玉川のような場所ではないかしら。
http://cinemastudio28.tokyo/cinemaontheplanet_007_part2
今回、日本で特集上映されたホン・サンス&キム・ミニ映画4本はどれも、私生活での2人を否応無しに想像してしまう物語ばかりだったけれど、日本人の誰もいない台北郊外のシネコンで淡々と中国語字幕で物語を追いかけていると、ずいぶん遠い場所で映画を観ている私に、彷徨うキム・ミニの姿が身体の奥まで染みてきた。
物語の中で役柄がどう生きるかということ以上に、女優として仕事をする中でホン・サンスと出会い、それまでの自分とは違う場所に来てしまったキム・ミニの現在を勝手に想像し、肝の据わり方に妙な感慨を覚えた、というべきか。その覚悟に圧倒されたからか、4本の中で『夜の浜辺でひとり』が最も好きだった。まるで自分のような役柄を演じるなんて、どんな気分になるのだろうか。
ドイツで声をかけ時間を聞いたり、韓国のマンションホテルで窓を拭いていたり、不意に現れる謎めいた男。前半の終わり、死体のように力の抜けた彼女の身体を肩に乗せて連れ去ってゆく男の不気味さ。あの男は、彷徨う女優に取り憑いた振り切れない愛の幻影だったのだろうか。
http://crest-inter.co.jp/yorunohamabe/
ミッション:インポッシブル/フォールアウト

『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』はTOHOシネマズ日比谷で。これまでIMAXを求める際は新宿まで行っていたけれど、近くに環境が整ってありがたい。
パリ、ロンドンの中心で展開する物語は有名な建造物ばかり登場して観光気分を味わえるし、挑戦してみたいアクションをまずやってみて、それらを繋げるように物語を組み立ててゆくなんて往年の香港映画みたい…。このシリーズはもはや筋書き云々よりトム・クルーズの無闇な身体能力の高さを堪能する目的で観ており、加齢に逆行するようにエクストリーム加減が加速する生身のアクション、シリーズ次回作が楽しみと同時に、無理しないで…の念が増してゆく。トム・クルーズも生物だからやがて死を迎えることは避けられないとしても、撮影中の事故で唐突に世を去ることなく、死因:老衰等で大往生してほしいものです。
そんな、興奮の裏側にびっしり「心配」が張り付いた状態でポカーンと画面を眺めながらも、長きに渡る映画、観客への貢献に、なんだか胸がいっぱいに。トム・クルーズって、なんだか年々好きになっていくタイプの俳優。好きな俳優を聞かれて筆頭に名前が出てくるわけではないけれど、「功労賞」を捧げたい相手として心の中で地位が磐石になってゆく。
それから、そういえばイーサン・ハントって既婚者だったね、と冒頭の夫婦のシーンで思い出したけれど、妻(ミシェル・モナハン)と、前作に続き登場したイルサ(このシリーズのレベッカ・ファガーソン大好き!)、同じ系統のルックスで、イーサン・ハントの好みはブレないなぁ…と妙に感心すると同時に、今作から登場したホワイト・ウィドウを演じるヴァネッサ・カービーって、若い頃のニコール・キッドマンと同じ系統のルックスに思えて、トム・クルーズの好みもブレないなぁ…と妙に感心するという楽しみ方もあった。
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