SWITCHインタビュー

部屋にテレビはなく、スクリーン&プロジェクターでテレビを観ているのだけれど、カーテンを締め切っても朝だと窓からの光が眩しくて…という難点があります。
録画していたNHKのSWITCHインタビュー、フランソワ・オゾン&池松壮亮の回を観る。
http://www4.nhk.or.jp/switch-int/x/2018-07-21/31/20169/2037184/
フランス映画祭で監督が来日していた際、3時間で一気に撮った番組とのこと。池松壮亮が監督をユーロスペースに案内し、ロビーの壁にある監督の初期作品のチラシを指差したり。その後、センター街の映画バー「八月の鯨」へ、という流れ、自分の行動範囲すぎる。
「八月の鯨」、映画の名前のカクテルがずらりとメニューに並び、メニューになくてもバーテンダーがその映画を観ていればその場で作ってくれる、映画好きを連れて行くと喜ばれるバー。番組ではオゾン監督の『危険なプロット』『スイミング・プール』、池松壮亮主演『映画 夜空はいつも最高密度の青色だ』のカクテルが登場していた。
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13001917/
過去に行った時は、映画のタイトルを言ってみて、バーテンダーさんが観ていないから無理という時は「すみません、まだです!」と言われるのが好印象だった。まだ観ていないだけで、これから観るかもしれないニュアンス。
オゾン監督、好意的でない批評が出ると、監督のお父さんが批評家に直接連絡して文句を言うという熱いエピソードが聞けた。オゾン作品を観るか観ないかは俳優による、という感じだけれど、8月公開の『2重螺旋の恋人』はマリーヌ・ヴァクト主演ならば観なければ。『17歳」主演のあの美女。
https://nijurasen-koibito.com/
レディ・バード

6月1日、映画の日に観た映画。グレタ・ガーウィグ監督『レディ・バード』。
グレタ・ガーウィグを手放しで好きではないので身構えていたけれど、この情報量の多い物語をキュッと93分にまとめた巧さ。エモーションが発動しそうになる寸前にカットして次の場面に移るの、めちゃくちゃ気持ちいい。上半期随一の編集大勝利映画。
観終わって自分の母親のことを考えたという声が周りに多く、私もそうでした。家庭の事情が立て込んで、母曰く「親離れがとても早い娘だった」私は、あっという間に家の外に自分の世界を作り、何から何まで自分で決めて、母親に相談したり心の内を打ち明けたりすることが下手だったし、今でも苦手だけれど、『レディ・バード』の何でも共有して喜怒哀楽を全開にするママと娘の関係を観ると、私は私の性格のせいで、母にあんな感じの「娘を持つ母親の楽しみ」を与えることができなかったんじゃないかしら、と切ない後悔のようなものが生まれた。
以下、物語の内容に触れますが、
夢見ていたロマンティックな初体験が、ティモシー野郎(ティモシー・シャラメ)のスカした態度のために散々な結果になってしまった後、レディ・バードがちゃんと怒るのがとても良い。相手のスカした態度や、思春期らしいくだらない見栄っ張りに流されず、たとえ世界の恋人ティモシー・シャラメであろうと、自分が大事にされたい時に、雑に扱われたらちゃんと怒る。相手にも自分にも。レディ・バードがレディ・バードたるゆえん、素敵なところはそんなところで、それもこれもパパとママが大切なレディ・バードを素敵に育てたからなんですね、と印象的なシーンだった。
君の名前で僕を呼んで

5月に観た映画メモ。上半期、あの映画観た?って質問が飛び交った回数ランキング1位は『君の名前で僕を呼んで』だったと。
2ヶ月経って覚えている感想としては、
・ルカ・グァダニーノ監督はティルダ・スウィントン主演『ミラノ、愛に生きる』の監督と後で知って、ラブシーンの撮り方に特徴ある人だな、と思う。野趣溢れ、ちょっとフェティッシュ。
・ラストシーンのティモシー・シャラメは髪型とシャツの柄のせいか、幼い頃にテレビで観たアイドル時代の本木雅弘に似ていた。
・あのラストのおかげで、映画全体の印象がちゃんと残っておる。ラストよ。
というもので、切ない恋の物語に触れて何も手につかず放心…という事態には陥らず、大人って冷静でつまらないことよ…。
しかし前半、君の名前で僕を呼んでってどういう意味だろう?と疑問に思いながら観た。日本だと恋愛もので、(結婚して)あなたの名前になりたい、僕の名前にならないか、というセリフはありそう。逆に、例えば夫婦別姓の中国だと、あなたの名前になりたいという発想そのものがないのかぁ、あたなは王さんですね、私は張ですけど?的な感じなのかな…など、ぼんやり途中で考え始めてしまったので、目の前にある80年代イタリアの夏が一瞬遠のいてしまう。
その後、このタイトルの意味が明らかになると、ふたりの成り行き、桃がどうこうより、タイトルが興味深いな、と思った。あなたと私は体も心も混じり合い、あなたと私を象徴する最たるものである名前さえも交換するんです。
ここ数年、恋愛についての文章で最もロマンティックで面白かったのは、チームラボ代表の方のこのエッセイで、
理由がなくても言えるから「愛してる」しか言わない
https://gqjapan.jp/culture/column/20131030/trotting-arround-asia-127
エリオとオリヴァーが2人だけの短い旅に出て、あなたの場所でも私の場所でもない通りすがりの街で、身につけた語彙をすべて忘れて、君の名前で僕を呼び合うシーン、あれはまさに「世界がもっと言語から解放されたら」の瞬間が切り取られており、稀有なものを目撃した、と思った。
テレワーク待機

テレワーク(在宅等、オフィス以外の場所で勤務すること)、秋から本格導入される見込みで、私も早速トライしてみる所存。通勤は短いし、オフィスで働くメリットもたくさんあるけれど、それ以上に自分の部屋がスカッと物が少なく、静かで(騒がしいところで集中できないタイプ。基本、部屋は無音)、ペンギンも常備されており(精神安定に寄与)集中に最適な環境すぎる。気分転換に近所の店にランチに行くのもいいなぁ。
テレワーク未経験者は誰でも一度は考えることとして、何を着てメイクはどうすればいいの?など、身だしなみ方面の懸念について。会議は電話でできるけれど、テレビ会議で顔出しを求められると、ラフな格好じゃ急には対応できぬ…という事態になりそう。
そして、とっくに同じことを考え、とっくに対処策を考えている人がいるのが世界の素晴らしいところ。
「オンライン会議中の顔に自動で化粧 資生堂、女性のテレワーク支援するアプリ開発」
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1610/07/news107.html
しかし考えてみれば、オンライン会議って、双方の顔を見る必要ってあるのかな。相手の顔より、同じ資料を見てスムーズに話せることのほうが遥かに大事だと思うから、現実的な意見で恐縮ではありますが、私は顔より資料が見たいです。
など、つらつら連想して思い出したことに、宇宙ものSFで遠隔にいる誰かと顔を見ながらやりとりする場面がよく登場する。例えば『インターステラー』の、宇宙にいる父と地球にいる子供たちがビデオレター?でやりとりし、時間の流れる速度が違うから、父は宇宙で緩やかにしか年をとらないのに、子供たちはどんどん年をとって親を追い越し老いてゆくもどかしい切なさ。
あんな感じで相手が家族、夫婦、恋人だったら顔を見て話すことの重要度は高いけれど、会議ってどうかしら。私はきっと、最初はそれなりに身なりも整えるだろうけれど、あっという間にラフでぐだぐだになるに違いないから、便利なものが開発されて実用化するか、仕事の会議に顔見せは不要って共通認識を育んでいきたいものです。
GIRLS DON’T CRY

いただいた台湾産高級マンゴー。「銀座の茶館に台湾かき氷を食べに行く」もこの夏のTo do listに入ってます。
48グループのドキュメンタリー、前田あっちゃんが卒業する前は観ていたけれど、それ以降は観る習慣がなくなった。さして興味がない人にとってもドキュメンタリーとして秀逸だと思っていたけれど、私の観る動機も、映画好きというより、好きなアイドルが出ているから、というファン心理に支えられていたということか。
過去の東京国際映画祭で何本か観てから、タイのナワポン・タムロンラッタナリット監督のファンだけれど、しばらく東京で観る機会がなくて寂しい。監督はどんどん新作を撮っているというのに。
ナワポン監督の新作が、BNK48のドキュメンタリーだそうで、監督・被写体の掛け合わせとして最高では?! 観たいけれどこの先も観る機会のなさそうな映画2018年Best3に入りそう。
http://bnktyo.site/2018/07/20/bnk48-girlsdontcry/
暑さ

東京、久しぶりに、無防備に外に出ると命の危険に晒される暑さが続いている。
ここ数年、最も暑かった瞬間は、3年前の夏、北京の午後だった。朝から映画館で映画を観て、観終わってお昼を食べ、前門(天安門広場の南)にいたので、あろうことか天安門広場を横断しようと無防備な決断をしてしまった。北京で一番好きな場所だから。その日の北京が40度で、太陽が高い位置にある午後2時、遮るものが何もない、歩いても歩いても毛沢東の肖像画は近くならないほど広い場所にいることを、歩き始めてから気がついた。体感温度は40度後半だったと思う。ここ数年、最も死に近づいた瞬間だった。
グリルの上で焼かれる野菜の気分ってこんなんかしら、と思ったあの日に比べれば、現在の東京はまだマシと思えるのだから、何事も相対化なのかもしれない。
この日に観たのは、陳凱歌(チェン・カイコー)の『道士下山』だった。日本で公開されてもきっと観ないけれど、中国の映画館で観るとやたら面白く感じる、という部類の映画だった。ワイヤーアクションばりばりのカンフー映画。
中国最大の超大作が大コケし、3日で公開停止したニュース(こちら)を読んで、あ、ちょっと観たいなぁ、中国の無闇に金ピカでギラギラしたシネコンで、と思いました。
きのこ映画

『ファントム・スレッド』を観て、『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』も観ると、その映画の小道具、物語のスパイスとしての優秀さに、思わず「きのこ…きのこよ…」と観客は感嘆の溜息をつくであろう。
熊楠先生も現代を生きていたなら、きのこ映画研究をされたに違いない。どうかな。
世のきのこ好きは、ソフト化されたなら2本立てで、きのこ映画祭を催すと良い。きのこオムレツやきのこソテーをつまみながら。
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