雪の東京

上空から東京を見下ろす高層階で仕事をしていると、窓の外の景色が刻々と変化してゆくのが面白く、人がどんどん去った後、ぶらぶらとバルコニーに出て撮った1枚。遠い国のモノクロ映画でいつか観たような、雪の東京。視界の変化はもちろんのこと、音が雪に吸収された、雪の日にしか味わえない種類の静寂が好き。音楽をかけず、無音で過ごしたくなる。
何年も欲しいな、と思いながら、これぞというものが見つからず見送っていた、秋冬に履く暖かく歩きやすいブーツ、スエード素材ながら防水加工が施してあり雨・雪でも履ける機能的な一足をこの冬ついに見つけ、あのブーツがあるから大丈夫、と思いながら昨夜は眠った。今日は仕事の外出の予定もなかったので、両手がフリーになるように、古川さんに仕立てていただいたCinema Toteで通勤。
雪の映画といえば、ロシアのアニメ「雪の女王」(1957年)を真っ先に思い出す。偶然借りて観てみて、特典映像で宮崎駿が熱く語っているのを見つけた。宮崎アニメの原型のような物語だった。大切なものを守るために裸足で戦う少女が主人公。やがて登場する雪の女王が、かつて紅白で猛威を振るっていた小林幸子のようなルックスでラスボス感もあった。
http://www.ghibli-museum.jp/snowqueen/intro/
普段より時間はかかったものの無事に帰宅でき、NHKニュースをつけると、明朝は路面が凍るから、小刻みに歩きましょう…そう、あの動物のような!「ペンギン歩き」がおすすめです!と丁寧にペンギンが歩く映像つきで真面目な声でアナウンサーが解説していた。
Live Jazz

Live Jazzという名前のサンローランの香水があって、以前それを使っていたような。ボトルがピアノの鍵盤モチーフだったような。メンズの香水だったような。
昨夜は六本木Clapsにジャズのライブを聴きに。Cinema Studio 28 Tokyoでは今年、音楽&映画の連載が始まる予定でして、ジャズミュージシャンの川本悠自さんにお願いしております。連載開始はまだ少し先ですが、2月に別の企画でも登場していただく予定。共通の友人がいて、数年前に知り合いました。
「白雲一片去悠悠」は初のリーダーアルバムで、唐の時代、張若虛という詩人による漢詩「春江花月夜」の一節。この漢詩自体がそもそも素晴らしく美しい風景描写で好きなのだけれど、川本さんの悠自という珍しいお名前はこの一節からとられたそうです。ひとひらの白雲が悠々とゆく。
デザイン、仕立て、その他何でも、自分にできないことをできる人はみんな魔法使いのように見えるけれど、音楽って私にとって最高にミステリアスな魔法。とりわけ作曲ができる人は謎めいた魔法使いのようだわ、といつも思ってます。「白雲一片去悠悠」はすべて川本さんによるオリジナル曲で構成されたアルバムで、昨夜のライブでは演奏の合間にじっくりMCが入りそれぞれの曲が生まれたきっかけも明らかになりました。口笛、リヨンの街を歩いた気分、西日の射す西日暮里駅のホーム、現代美術の作品…から、あんな曲が生まれるなんて、帽子から鳩が飛び出すぐらいのトリッキーさを感じる。
お話がとても面白い方(MCが漫談タイムのようで、あちこちから笑いが漏れる感じの)なので、昨夜のステージのような高揚と魔法と面白さがそのままwebでも漂って、世界中の人に楽しんでもらえるような連載になれば、と思っておりますので、お楽しみに!
http://yujikawamoto.tksites.com/
「白雲一片去悠悠」、私はSonic Beamがとりわけ好きよ。
http://bowz.shop-pro.jp/?pid=125153733
【本日更新】Cinema Tote Project Serial No.000(for Mariko)

本日更新しました。
Cinema Studio 28 Tokyo執筆陣、スタッフのために1人ずつhPark 古川博規さんにトートバッグを仕立てていただくCinema Tote Project。製作の流れを掴むために、まずサンプルとして私自身のトートを仕立てていただくことに。
素材選び、デザイン検討、サンプルチェック、映画の要素を加えるために東京下町を奔走。自分の嗜好や生活をじっくり考え、理想のCinema Toteを作るために、多くのステップを踏み、その都度、何が好き?何故?と自分への質問を繰り返すこととなりました。
そして完成した私のためのCinema Tote、既製品への細かな不満をクリアした理想の仕上がり!身体にぴったり合うものって、使っていてストレスもなく、とにかく気持ちいいのです。
Cinema Tote Project、我ながら素敵なアイディア!これから生まれる様々なCinema Toteも楽しみに、まずは私のケースをお楽しみください。
Cinema Tote Projectって?を説明したIntroductionはこちら
https://cinemastudio28.tokyo/cinematoteproject_introduction
仕立ててくださる古川博規さんのブランドhParkはこちら
極地研

デザイナーあずささんから興奮気味に教えていただいた国立極地研究所のサイト、アーカイブ室のページにある貴重な動画。
http://polaris.nipr.ac.jp/~archives/contents/movie.html
猫のたけし、樺太犬、そして…ペンギン!「ペンギンも初めて見る人間を歓迎しているようです」という素朴なキャプションに粒子の荒い映像。厳しい環境ゆえか南極のペンギンはこころなしか目つきも鋭く身体つきもシュッとしているように思える。樺太犬とペンギンが同時にフレームにおさまる動画も貴重…。
写真ギャラリーのページにある焼き鳥パーティの画像、「セロリー、唐辛子、ニンニクなどをめちゃくちゃにぶちこむ」のテキストに爆笑。めちゃくちゃに!観ていないけれど映画「南極料理人」ってこんな感じなのかしら。きっとペンギンも出演しているだろうし、観なければ。
極地研のサイト、さすがに随所にペンギンのアイコンや写真が登場してニヤニヤするし、ペンギンに限らず、この研究所は東京大学総合研究博物館に並ぶ、私の萌えの対象となった。立川にある南極・北極科学館には今年是非に行くこととする。
写真は上野動物園のペンギンズ。のんびりしておられます。
黒蜥蜴

週末のこと。日生劇場で「黒蜥蜴」を観劇。演出はデヴィッド・ルヴォー、中谷美紀が黒蜥蜴を演じる。以前、京都で観た中谷さんの一人芝居「猟銃」が素晴らしく、これから彼女のお芝居は必ず観る、と心に決めていた。
http://www.umegei.com/kurotokage/
乱歩の小説を三島が戯曲化した「黒蜥蜴」。何度か映画化されており、10代の頃、京都・四条大宮にあったスペース・ベンゲットというアングラ度の高い映画館…(「石狩」という居酒屋の2階にあり、まず「石狩」の暖簾をくぐり、「いらっしゃい」などと声をかけられ、あのすみません…映画なんです…と申し訳ない表情を返して傍にあるエレベーターに乗らないと辿り着けない不思議な映画館だった)…で、何かの特集上映で「黒蜥蜴」を観た記憶。映画のことも何も覚えていないけれど、井上梅次が監督だった気がして、調べてみたら大映映画。1962年。京マチ子が黒蜥蜴を演じたようだけれど、どうして何も覚えていないのだろう。そして雨宮を川口浩が演じている…!当時、私の浩センサーはまだ発達していなかった。脚本・新藤兼人だし、再見してみたいものです。
さて、今回の舞台「黒蜥蜴」。休憩を挟み堂々3時間。小道具大道具をスムーズに動かしほぼ暗転なしで進行。バンドが傍に控え生演奏で音楽を奏で、照明も、衣裳も、俳優のルックスも身体のフォルムも、すべてが麗しい。そして何より麗しいのが言葉で、脚本は戯曲に忠実なのではなかろうか。戯曲といえども、三島の書き言葉そのもの。リアリティ?自然体?それって果して美しいのかしら?と嘲笑うかのごとく書物の中でしか昨今お目にかからない装飾過剰・絢爛豪華な日本語を、淀みなく発していく中谷美紀。前回の「猟銃」は一人芝居だったし、いったいどうやってあの分量の台詞を覚えるのかしらね。

3時間、あっという間に時間は過ぎた。未見ながら美輪明宏の印象が強いせいか、小柄で線の細い中谷美紀の黒蜥蜴はグロテスクさに欠けるような気もしたけれど、その分、黒蜥蜴の持つ可憐さ儚さが垣間見えて、美に執着する妖怪的存在というより、ただただ綺麗なものが好き。好きだから矛盾をはらんでいてもしかたがない。恋も綺麗だから素敵。歓びと憎しみは一対のものでしょう。と、不意に出くわしてしまった恋に身悶えるマイペースで可愛らしい女のような黒蜥蜴だった。そんな中谷版黒蜥蜴も、もっと年を重ねるとグロテスクさがどんどん出てくるかもしれず、当たり役として定期的に演じてくれるなら、定点観測のように観続けたい。
衣裳がどれも素晴らしく、後半に進むにつれ徐々に衣裳度が増していき、最後は「マレフィセント」のようだったけれど、布の分量が増える前の衣裳、冒頭、緑川夫人に扮する黒蜥蜴のシルバーグレーのドレスや、黒い別珍のドレスがとりわけ素敵。

日比谷駅から映画館に行く時、日生劇場前をよく歩く。貝殻モチーフのモザイクタイルを踏みながら、いつか中に入ってお芝居を観てみたい、と願っていた。曲線が印象的な内装に、シンプルながら華やかな「黒蜥蜴」の世界はぴったり。
建築物としての日生劇場。1963年竣工、村野藤吾設計。
http://www.nissaytheatre.or.jp/hallguide/theater.html

黒蜥蜴っぽく、黒い妖しい装いで、とクローゼットを眺めたけれど、私の洋服はだいたい黒く妖しいので、たくさんの中から迷うこととなった。新春だし、いち早く手に入れた2018年春夏のmameのワンピースで。刺繍の施されたシルクオーガンジーのカフスは、アンティークのハンカチからの着想だそうで、黒蜥蜴で描かれた時代にもぴったりだったかな。
Cinema memo : プログラミング

早稲田松竹のプログラミング担当の方、最近変わったのかしら。
これまで2本組の組み合わせ、わかりやすすぎて若干ベタな印象だったけれど、昨年末クリスマス時期に敢えての「愛は取り返しがつかない」特集とか、新年らしくエネルギッシュな「新感染 ファイナル・エクスプレス」と、私の映画気分にぴったり寄り添い、どうしてこの時期にこの映画?って深読みしたくなる凝った提案が楽しい。
見逃していた「グッド・タイム」の併映はサフディ兄弟の前作「神様なんてくそくらえ」なのでは、と予想していたけれど違って、「あさがくるまえに」だった。こちらも見逃していたので嬉しい。
戌年

髪を切りに銀座へ出て、和光のウィンドウを眺める。犬でウィンドウがみっしり詰まっていた。クリスマス頃、和光のウィンドウがAIモチーフと聞いて見たかったけれど、見逃した。
和光のウィンドウ・アーカイブ
https://www.wako.co.jp/display/
犬といえば、フィルメックスで観た「泳ぎすぎた夜」、どうやって撮ったのだろう?という珠玉の犬シーンがある。五十嵐耕平監督は「息を殺して」でも犬を撮っていたし、若くして犬映画の巨匠の風格。
【about】
Mariko
Owner of Cinema Studio 28 Tokyo
・old blog
・memorandom
【search】
【archives】
【recent 28 posts】
- 1900s (3)
- 1910s (5)
- 1920s (10)
- 1930s (26)
- 1940s (18)
- 1950s (23)
- 1960s (58)
- 1970s (14)
- 1980s (40)
- 1990s (46)
- 2000s (37)
- 2010s (240)
- 2020s (28)
- Art (30)
- Beijing (6)
- Best Movies (5)
- Book (47)
- Cinema (2)
- Cinema award (17)
- Cinema book (58)
- Cinema event (99)
- Cinema goods (15)
- Cinema history (2)
- Cinema memo (127)
- Cinema Radio 28 (8)
- Cinema Studio 28 Tokyo (92)
- Cinema tote (1)
- Cinema Tote Project (1)
- Cinema trip (43)
- cinemaortokjyo (2)
- cinemaortokyo (100)
- Drama (3)
- Fashion (40)
- Food (65)
- France (15)
- Golden Penguiin Award (11)
- Hakodate (6)
- Hokkaido (3)
- HongKong (3)
- iPhone diary (1)
- journa (1)
- Journal (248)
- Kamakura (1)
- Kobe (1)
- Kyoto (18)
- Macau (2)
- memorandom (4)
- Movie theater (212)
- Music (43)
- Nara (15)
- Netflix (3)
- Osaka (2)
- Paris (13)
- Penguin (16)
- Sapporo (3)
- Singapore (1)
- Taiwan (47)
- TIFF (24)
- Tokyo (358)
- Tokyo Filmex (14)
- Weekly28 (10)
- Yakushima (3)
- Yamagata (11)
- YIDFF (6)
- Yokohama (5)
- Youtube (1)
