ライブビューイング

11月某日、新宿ピカデリーにて。ライブビューイング初体験。開始前の注意事項として「極度のハイジャンプ」「連続してのジャンプ」などジャンプ系に配慮が求められていた。
観たのはM-1グランプリ準決勝。その日17時から東京のある会場で開催された準決勝を2時間遅れで全国の映画館で配信上映する。中継ではなく2時間遅れだけれど、結果(どのコンビが決勝に行くか)はライブビューイングの終了時間に合わせて発表、とライブビューイングの観客にも配慮されていた。
映画館に行く時間があまり取れなかったかわりに今年は、寝る前にYoutubeで漫才やコントの動画をよく観た。関西人なので、お笑いは空気のように必要で、リラックスできるのです。
準決勝ライブビューイングは今年が初めての試みで、全国でなんと1万人動員するらしい。映画館で配信を観るだけながら、チケットは3000円するので、さすがに吉本興業はお金の匂いがするところできっちり稼いでいくなぁ、と妙に感心。
初めてのライブビューイングは、巨大なお茶の間のようだった。ハイジャンプもジャンプもなかったけれど、炬燵に入って巨大なテレビ観てるみたい!大勢で!と、これまでにない新奇な感覚を得た。高校野球においてはBest8の試合を1日で全部観ることができる準々決勝という佳き日があるけれど、M-1準決勝もそれに似た、気になるコンビを一度に観られる佳き日で、来年もライブビューイングがあったら観に行こうと思う。吉本の思うツボ。
M-1について。「おもしろい」という十人十色の感覚に、十人十色の理由をもって順位がつけられる、その事実が面白くて、年に一度の大きな楽しみ。準決勝で初めて知るコンビも多かったけれど、私が好きだったコンビは優勝に絡みそうなインディアンス、ミルクボーイ。話題になりそうなのは、すゑひろがりず。それから自虐で笑いが取りにくい昨今、笑いってどういう方向に進化するのかなって考えていたけれど、ぺこぱというコンビの漫才は誰も傷つけない優しさがあって、笑いの世界は奥が深くて、思いもよらない可能性があるんだなぁ、と気持ちよく爆笑した。
Anna

亡くなったと知りアンナ・カリーナの映画の中で好きなものを考えたみたけれど、やっぱり『アルファヴィル』。ゴダールの中でも一番好き。どう見てもパリなのに、いやここは未来都市アルファヴィルであるぞと全篇に渡り主張する強引さがキュート。見立ての面白さ。アンナ・カリーナの美しさは、カラフルな他の映画より、モノクロ無表情のほうが際立っていた。黒いワンピースに白い襟、黒いコートにファー、そんな洋服を好きになったのはこの映画のせいと思う。モノクロで撮られているから、実際に何色かは知らないけれど。
写真はパリ…じゃなくて2019年東京のケーキ屋(美味しい)。漢字もひらがなも写っていないから、東京の景色もトリミングすれば1965年のパリって言い張れるかもしれない。東京タワー?いいえ、エッフェル塔です。
『アルファヴィル』は学生時代、みなみ会館で観たのが初見でした。ヌーヴェルヴァーグのみなさんの訃報に触れるたび、ゴダールは長寿だな、と思う。
師走

気づけば12月も半ば。うちの界隈は銀杏のメッカで、地面に落ちた銀杏が風で竜巻のように舞い踊り通行の邪魔をする銀杏テロリズムを警戒する季節。
昨夜、大河ドラマ『いだてん』完走し、感無量。歴史の授業であまり教えてくれない近現代史やスポーツ史がしっかり描かれ、同時に東京の物語でもあって、1年間夢中で観た。オフィスの窓から新国立競技場が徐々に出来上がっていくのを眺めながら、こんなに近所だと来年の大会中はきっと通勤に影響甚大だろうけれど、都はまだ何も指針を出していないよね…とじりじりしていたけれど、前の東京オリンピックにあわせて開通した新幹線も首都高も、完成したのは開会式のたった10日前だったと予想外のバタバタぶりを『いだてん』で知り、きっと今回もまーちゃんみたいな情熱ある人々が寝食忘れて準備しているのだろうから、直前まで何も知らされなくても都民としては静かに受け止めようと心に誓った。真夏の断水は避けてほしいところだけれど。
オリンピックが近づくと映画館にかかるだろうと思っていた市川崑『東京オリンピック』、国立映画アーカイブの特集でかかるようで、観にいくつもり。次の日曜だから『いだてん』延長戦みたい。
https://www.nfaj.go.jp/exhibition/olympic201910/#section1-1
しばらく書くことをお休みしていたけれど、徐々にまた書いていこうと思います。毎日は難しいかもしれないけれど、日記も更新します。何か書いてるかな?と28を覗きに来ていただけると嬉しいです。
東京国際映画祭

明日で終わってしまうけれど東京国際映画祭、4枚チケット購入。今年は日本映画比率が高かったような気がするけれど何か事情があったのかな。
コンペティション部門の審査委員長にチャン・ツィイーが選ばれたというニュースを読んでから、会期中にきっと記念上映があるだろうと心待ちにして、真っ先にチケット確保。デビュー作『初恋のきた道』特別上映後、Q&Aに登壇したチャン・ツィイーがこちらです。きゃー!章子怡!!!
中華圏には魅力的な俳優・女優がたくさんいるけれど、ずっとチャン・ツィイーが一番好き。立ち姿や所作の美しい人が好きで、映画でそんな人を発見して経歴を調べるとダンスの素養のある場合が多い。中央戯劇学院という名門演劇学校が北京にあるけれど、チャン・ツィイーはその舞踏科出身、小さい頃から中国の舞踏の世界で名前が知られていたエリート・ダンサー。Youtubeか何かで、解放軍の制服を着て華麗に踊るチャン・ツィイーの映像を観た記憶があるけれど、あれは一体何だったのだろう。もう一度観たいけれどどう検索しても探し出せず、幻だったのかもしれない…。
と、そんなチャン・ツィイーは映画デビュー20周年だそうで『初恋のきた道』の上映後、チャン・イーモウからのビデオレターも上映された。Q&Aの記事はこちら。
https://2019.tiff-jp.net/news/ja/?p=53189
最初に質問した男性は『初恋のきた道』や『グリーン・ディスティニー』のチャン・ツィイーを観て、中国の女性というのはなんとしなやかで生命力に溢れていることか!と感動し、やがて中国の女性と結婚したらしい(!)。チャン・ツィイーはそれを聞いて、それは良いことだわ、中国の女性はきっとあなたをすごく照顾(世話をする、面倒をみる)するでしょう、とニコニコとコメントしていた。私の周囲の中国の夫婦は、どちらかというと旦那さんのほうが奥さんを照顾する傾向にあるけれど、チャン・ツィイーは違うのかな、と興味深かった。
質問の内容が重複して「それはまさにさっき答えたばかりだわ」と言う場面もあったけれど、あなたにもひとつ素敵なエピソードを教えるわ、と質問者ががっかりしないようにフォローするなど、チャン・ツィイーは素敵な人だった。なんだかとても陽のオーラのある人で、幸せそうで何より、もしやこれが「推しが幸せそうで、私も幸せ」というやつかしら。
『初恋のきた道』は、初々しいチャン・ツィイーは確かに可愛いけれど「男性が勝手に妄想する女性の可愛さ」の、よくできた結晶という感じがして、私はあまり好きな映画ではない。映画の経験のないチャン・ツィイーのために工夫したのかセリフが少なく、料理をする、掃除をする、走るといった動きに感情を乗せていく演出が「動くチャン・ツィイー」の魅力に合っていた。あれだけ走って上半身がブレないチャン・ツィイーの鍛えられた体幹を愛でる映画であった。
私が好きなチャン・ツィイーは『2046』と『グランド・マスター』のチャン・ツィイー。ウォン・カーウァイの映画の中で不思議なほどチャン・ツィイーは輝く。この2本はウォン・カーウァイらしい物語の破綻を、チャン・ツィイーの動きの魅力が補填するバランスの危うさもたまらない。チャン・ツィイーのファンでなければ、ただのよくわからない映画、だがそこが良い!特に『グランド・マスター』の駅でのアクションシーン(あの列車はやたら長いが、チャン・ツィイーのアクションを永遠に観られるなら1000両編成の列車が存在しても良い。万里の長城を作った国なら、そんな列車は作れる)、『2046』はマカオに行った時、ロケ地になった安ホテルにも行き、ここでチャン・ツィイーが!と、ひとしきり写真を撮った。完全にファンの行動である。
コンペの審査委員長は最終日、各賞を発表した後、記者会見でコメントするはずなので、今年の東京国際映画祭は最後まで楽しみです。
【本日更新】Cinema on the planet 009 山形国際ドキュメンタリー映画祭2017

ご無事でしょうか。東京都心、私は無事です。台風19号の被害に遭われたみなさまに、心よりお見舞い申し上げます。
映画にまつわる場所を巡るリレー連載Cinema on the planet、本日更新しました。第9回は主宰・辻本の山形旅行記。山形国際ドキュメンタリー映画祭は隔年開催でまさに今、2019年度を開催中ですが、前回(2017年)参加した時の記録です。
映画って縁もゆかりもない他者を間近で観察できてしまう不思議な時間だと思うのですが、はるばる山形まで出かけ、20時間近く映画を観たけれど、色濃く覚えているのは映画館の外での30分間の出来事で、それを記録しておきたいと思いました。あの時間こそが映画だったんじゃないか、という気がして。
しぶとい残暑を大雨が洗い流し、東京はいよいよ肌寒くなりました。こちらからどうぞ、お楽しみください。
増税初日

増税初日のお買い物。用事の帰りに通りかかった肉屋のコロッケ(本郷4丁目/まる屋肉店/菊坂コロッケ)、120円内税、現金のみ。

はじめてのキャッシュレス還元はファミリーマートで。レシートの情報量が多い…。こんなややこしい仕組み考えたん誰や(怒)!でも、日常のことだからあっという間に慣れるんだろうな。
是枝監督の新作について、友人が送ってきてくれた記事が読み応えあった。
https://bunshun.jp/articles/-/14167
友人(パリ在住/音楽家)によると、ドヌーヴが「そこはパリじゃない」と言う古い撮影所があるエピネという街は、友人が指導に通っている音楽学校のある街で、確かにパリではない、とのことだった。しかし距離的には北駅から10分程度とさほど遠くなく「ドヌーヴ的には距離というよりスノッブじゃない、という意味かな。左岸から動かなさそうだもんね」「左岸から動かないリッチなお年寄り多そう」とのやりとりをした。
この記事、ドヌーヴ、ビノシュ、イーサン・ホークのエピソードが、私がそれぞれの俳優に抱くイメージそのものだった。是枝監督、とりわけ好きな監督ではないけれど、いつも私の好きな俳優がたくさん出ている。『真実』は日本では10/11公開だけれど、フランスではクリスマスにようやく公開されるらしい。
9月

あっという間に9月も終わり。気象庁が「夜には一気に世界が変わる」と警告したほどの台風、みなさんご無事だったでしょうか。私は偶然、翌日が休みだったので早朝の交通の心配は不要だったけれど、新居にソファを買うべく(増税前に!)ショールームの相談サービスを前々から予約していたので、やや乱れていたメトロで青山界隈へ。道すがら、ばらばらと花が落ちていた。

地元に戻り帰り道、台風コロッケならぬメンチカツを買うの図。美味しそうだったのでつい。エコバッグを忘れ、まぁ近いし、とこの状態で数分持って歩いていたら、

近所もこんなに葉っぱが落ちていた。新居、頑丈にできているのか雨風にもぴくりともせず、音もまったく気にならなかったので朝まで熟睡。逆にどんなレベルの気象なら目が覚めるんだろう。有難いような恐ろしいような。
新しい部屋、あまりにも私に最適化された空間すぎて、なかなか外に出る気にならない。私の部屋ほど私に気持ち良い空間、外にある?って気分に浸っており9月は2本ほど映画館で観た以外、時間をみつけてamazon primeとプロジェクターを接続して映画を観た。無料になるのを待っていると、観たいと思っていたことすら忘れてしまいそうだから、何本か有料購入。
とりわけ引き込まれたのは『愚行録』。これ、ギンレイホールに流れた時に観に行こうと思ったけれど出演者の不祥事で上映中止になった記憶がある。
主演のふたりの抑制された静かな演技(ラスト20分、巻き戻して3回観た)に加え、カメラがいい。普通の日本の風景だけれど、どこか絵空事のような架空の乾いた街のような写り方で、と思っていたら、撮影はピオトル・ニエミイスキというポーランドの方で、なんでも石川慶監督はポランスキーやキェシロフスキも学んだポーランドの映画大学出身で、撮影監督とはそこでの縁だそう。
こちらにその経緯
http://filmers.jp/articles/2017/02/11/_24/
もっと、この人の撮った映画を観たいけれど、難しいのかしら、と思っていたら10月公開の『蜜蜂と遠雷』は『愚行録』の監督&撮影コンビと知って、ノーマークだったけれど観たくなっている。
新しい生活にも慣れてきたので、10月、増税にも負けず、もっと日記を更新したいと思っています。
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