襲撃
過去の桜シリーズ。千鳥ヶ淵界隈。この週末は暖かそうで、いよいよ東京の桜も咲きそう。『オッペンハイマー』、IMAXを予約済。これからNHKのドキュメンタリーを観て予習する。
映画には関係ないけれど。フライデー襲撃事件後のビートたけしの会見が、映画以上に映画みたいで今でも時々観る。やったことの是否をいったん横に置けば、日本の記者会見史に残る会見だと思う。
で、これを観た上で、さらば青春の光の動画を観てほしい。令和のフライデー襲撃。今週いちばん面白かった動画、これです。よい週末を!
Cinema memo: 高峰秀子特集
もらったチラシ。国立映画アーカイブの高峰秀子特集。もうすぐ。
この特集に限らず、生誕100年の今年はいろんなイベントがあるみたい。
https://www.takamine-hideko.jp/
『衝動殺人 息子よ』(1979年/木下恵介監督)、この機会に是非と思っている。この映画で加藤剛が演じる中谷という役(犯罪学を研究する大学教授で犯罪被害者遺族支援に奔走する)は友人のお父さんがモデルで、ずっと前にその話を聞いたのに観る機会を逸し続けていた。
https://www.nfaj.go.jp/exhibition/hideko_takamine202402/#section1-2
ロケ地巡り
GWの早稲田松竹はエドワード・ヤン特集。『ヤンヤン 想い出』35mm上映、必ず行く。
http://wasedashochiku.co.jp/archives/schedule/40690
長らく国外に行っておらず、コロナ前最後の海外はマカオで、マカオ最高!って帰ってきたけれど、次に行くならちょっと長めに台湾に行きたいと考え始めたら妄想が止まらなくなり、台北でどこに泊まるかな?私はその街で歴史のあるホテルに泊まるのが好きなので、交通は不便そうだけれど圓山大飯店の眺めの良さそうな部屋に泊まってみたい…圓山大飯店といえば『ヤンヤン 夏の想い出』に出てきたからロケ地巡りも兼ねられる…あの映画、また観たいなぁ…
と思っていたところなので、タイミングばっちり。写真は2017年の台北、牯嶺街のバス停。
Cinema memo: 成功したオタク
週末の上野公園。桜はこれからです。曇り空の日曜、朝9時台にスワンボートを漕いでいる人々がそれなりの数いることに驚き。早起きして上野でスワンボート!って楽しみにしてたのかな。
3月30日から公開されるドキュメンタリー映画『成功したオタク』、観に行けるか微妙なので後で配信してほしい…必ず観ます。
https://alfazbetmovie.com/otaku/
韓国のドキュメンタリー。ある日突然、推しが性加害事件で逮捕された、そのファンが撮った映画。これこそ今観なければいけない映画なのではないかと公開の第一報を聞いてから思っている。同時に思い出したのは作家の柚木麻子さんが書いたこちらの文章。
「彼」自身の言葉で、語るべきではないか
https://nhkbook-hiraku.com/n/n2e8e11f7d8fd
柚木麻子さんが「彼」を好きなことは以前から知っていたけれど、あまりに語り口がユニークで、エンタメ性に溢れていたので勝手に、どこかネタのように捉えていた。「彼」を好きな気持ちの背後に、そんな切実さがあることを、この文章を読んで初めて知った自分を恥じたと同時に、誰かが誰かを好きな気持ちだなんて、理由があってもなくても、他人からは何ひとつわからないことをあらためて思い知った。
BLUE GIANT
早稲田松竹ジャズ映画特集で、アニメ『BLUE GIANT』。
仙台の高校生・宮本大は、世界一のジャズプレーヤーになると決意する。卒業を機に上京した彼は、ライブハウスで出会ったピアニストの沢辺雪祈をバンドに誘う。やがて、彼は高校の同級生・玉田と雪祈の3人でバンドを組むことになる。
漫画を読む習慣がなく原作は読んでおらず。物語はシンプルなので、予備知識が何もなくても全く問題なし。声優をつとめる俳優陣、宮本大(山田裕貴)、沢辺雪祈(間宮祥太朗)、玉田(岡山天音)がみんな、特に岡山天音くんがハマってて良かった。音楽は上原ひろみが担当。主役・宮本大のサックスはオーディションで決定した馬場智章とのこと。
公開時、良い音で鑑賞できるスクリーンを求めてタイムラインが賑やかだった記憶があり、配信が始まったけれど、映画館で観られて本当に良かった。少年漫画の主人公要素を詰め込んだ宮本大のまっすぐでシンプルな人生。目標がはっきりしているので、人生の帰路に立たされた時に自分の夢を最優先して情に流されないドライな感じ、「誰もが平伏す才能」が前提にあるとして、わかりやすいキャラクター。私は都会的でクールな態度をとりながら、実は苦労人で質素な生活を送る沢辺雪祈が魅力的だと思った。映画は大の物語として続きがあることが示唆されて終わり、今作は沢辺雪祈の物語だと思った。
『BLUE GIANT』、とても楽しんだけれど、おそらく私がジャズという音楽に興味はあっても、ジャズミュージシャンの卵たちの人生の物語には強い興味がない、という距離感がもたらす楽しさだと思う。私はお笑いがとても好きだけれど、芸人たちの苦労が昇華される物語や、苦悩そのものを描くフィクションには全く興味を持てなくて、『火花』とか『浅草キッド』とか観るぐらいなら、自分が好きな芸人のYouTubeを観るほうがよほどリアルで面白いと思っており、逆の感情がジャズ、『BLUE GIANT』に対して生じたのかも。愛や興味の対象との距離感と、どこまで含めて消費したいか。
白鍵と黒鍵の間に
先日、早稲田松竹のジャズ映画特集で。冨永昌敬監督『白鍵と黒鍵の間に』。ジャズピアニスト南博さんの自伝的エッセイを映画化。「南」と「博」の一人二役を池松壮亮が演じる。1980年代の銀座を舞台に、若きピアニストの運命が動く一夜を描く。
なんとも感想をまとめるのが難しい映画で、1980年代の禍々しさを表現するためかキャスト全員が少しずつ過剰な演技をしている気がするし、南と博を同じ俳優が演じることで、えーとこれってどっちでどういう状況だっけ、と理解が追いつかない部分もあったけれど、総じて「珍品」として愛でたくなる不思議なチャーミングさがあった。この感触を解きほぐすべく「考察」を始めそうな陣営を、そんな子供っぽい野暮なことやめなよ、って鼻で笑いそうなムードがある。
南博さんの原作エッセイは2008年、刊行当時買って読み、その後出会った南博ファンの友人に譲った記憶がある。その前から南博さんのライブには時々行っており、演奏から入ってエッセイで人物を知る順番。2005年頃、当時の私は会社員と学生を同時にやっており、自分もどうせ眠らない(眠れない)から24時間営業の街に住んだほうが便利!との合理的理由で新宿に住んでおり、たまに何もかもにうんざりしてすべてを投げ出し映画館か、末広亭で落語か、新宿ピットインでジャズかの選択肢から、財布と携帯だけ持って歩いて遊びに行く、そんな夜に南博さんのピアノを何度か聴いた。
東京生まれ、映画の中にも「新橋のおばあちゃん家に…」というセリフがあったけれど、南博さんは演奏も人物の印象も、ごてごて飾るでもなく、軽やかで気持ちのいいパリッと糊のきいた浴衣みたいな、言語化が難しい「江戸っ子」というものを体現する存在として私の印象の中にいる。別の言葉にすると「ノンシャラン」なのかもしれない。
何この変な映画!と楽しんだ最後にエンドロールで流れる「Nonchalant」、ピアノはもちろん、口笛も素敵だった。また演奏を生で聴きたい。
真夏の夜のジャズ
先日、早稲田松竹のジャズ映画特集で観た『真夏の夜のジャズ』。
Cinema Radio 28の川本悠自さん回で「ジャズベーシストが選ぶジャズにまつわる映画」として紹介いただいたうちの1本。ちゃんと全編通して観たことがなかったので、映画館でかかるタイミングで観ようと思っていた。
上映前、「川本さんが言ってた若い時から禿げてたジャズ・レジェンドって誰だったっけ?」って、早稲田松竹のロビーでCinema Radio 28を再度聴き、ジム・ホールね…ジム・ホール…見つけられるかな?って思ってたら冒頭に出てきた。その通りのルックスで笑った。
27:57ぐらいから『真夏の夜のジャズ』の話をしています
アメリカ合衆国の東北部に位置するロードアイランド州ニューポート市で開催された、1954年から現在も続く、伝統ある恒例の夏フェス「ニューポート・ジャズ・フェスティバル」。本作は1958年7月3日から6日まで、真夏に開催された第5回フェスと、同時期に開催されたアメリカズカップの模様を撮った〝熱い“ドキュメンタリー。
ルイ・アームストロング(サッチモ)、セロニアス・モンク、アニタ・オデイ、チャック・ベリーなど、伝説のミュージシャンたちが魅せる圧倒的迫力のパフォーマンスと、それを楽しむおしゃれな観客たちの姿をカメラに収めたのは当時新進気鋭の写真家として有名だったバート・スターン。まるで場面のひとつひとつが完成された1枚の写真のような、不思議な魅力に溢れた“熱い”作品となっている。その後の日本のジャズシーンの方向性を決定づけたとも言われ、おしゃれな港町で、真夏の夜に繰り広げられたミュージシャンと観客の夢のようなコラボが見るものの心を躍らせる!
私の鑑賞メモ。
・ジャズ・レジェンドが続々登場するステージの映像はもちろんのこと、同じかそれ以上の分量で観客が写されるのが「1958年のアメリカ」の記録として面白い。ステージ上との比率と反転するように観客はほぼ白人で、アジア系はほとんどいなかった。ゼロだったかもしれない。半世紀以上経過した現在、多様化って確実に進んでいるのだな、と実感。
・同じ街で同時期に開催されたアメリカズカップの映像が時々差し込まれるせいか、ヨットとジャズの全米決戦、これぞアメリカの誇り、アメリカがアメリカたる所以!というムード漂う構成になっている。
・観客のファッションはラルフ・ローレンやJ.Crewのカタログから抜け出した人々が動いているような、まさにプレッピー!という感じ。年齢層の高めの紳士淑女はもう少しクラシカルな装いで、帽子に誂えのワンピースと50年代のハリウッド映画みたい。
・ジャズミュージシャンたちの装いも正装を少し「夏の港町」仕様に着崩した雰囲気で、アニタ・オデイはクラシカルなワンピースにストロー素材の帽子、ハイヒールもプラスティックのヒールで、小物で軽さを加えていて素敵だった。
・パフォーマンスはどれも素晴らしく、特にルイ・アームストロングが登場した時の観客の盛り上がりが凄かった。MCと漫談みたいなトークで会場を沸かせた後、MCが「This city is yours!」だったけな、街は君のものだ!って演奏のスタートに繋げるくだりが痺れるかっこよさで、その後は生のルイ・アームストロングと彼に酔いしれる観客が交互に写り、確かに街はルイ・アームストロングのもの!って気持ちにさせられる一連の流れ。小さい時、父がルイ・アームストロングのレコードをずっとかけていた記憶があるので、童謡を聴いているみたいな懐かしい気持ちになった。
BGVとしても、ちゃんと観ても楽しめるジャズ映画、機会あれば皆様も是非!
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