黄色い本にサイン

仕事帰り、青山ブックセンター本店で西川美和監督「映画にまつわるXについて 2」刊行記念のトークへ。ああ楽しかった。あと3時間はお話を聞きたい。気遣いもサービス精神も抜群で、素敵な人。
本の中に「永い言い訳」脚本執筆で、是枝監督やスタッフと一緒に小津安二郎ゆかりの「茅ヶ崎館」で合宿するエピソードがあり、西川監督が泊まった一番の部屋に、私も泊まったことがあるので、サインをいただきがたら「監督が泊まられたお部屋、私も泊まったんです。新藤兼人監督部屋だと思っていたのですが、西川美和監督部屋でもあったのですね」と言うと、え?と驚いた表情で顔を上げ「え!…畏れ多いです…」と。あの宿はいい宿ですよね、と頷きあいました。
次に行ったら二番の部屋(小津部屋)に泊まりたいけれど、もう一度、一番の部屋でもいいな。西川部屋ですもの。
Joaquin & Converse

映画館でポップコーンを食べる習慣がなく、たぶん一度も買ったことがないと思う。けれど家で映画を観る時は話は別で、レンジでチンするポップコーン大好き。定番は成城石井で売っているFUN POP!味はナチュラル、バターの2種類。ナチュラルのほうが好き。いろんなメーカーのいろんなものを試したいと思っていたら、りえこさんが手土産にくださいました。ちょっと変わった味がする…と言われたように思うけれど、味はさほど癖は感じず、けれどFUN POP!より、出来上がりのポップコーンが小粒で驚いた。あんなに小粒のポップコーンが存在するとは、世界は広い。
眠って起きたらカンヌの各賞が発表されており、ニュースをチェックしながら身支度。私の気になる人はほとんど入っていなかったけれど、あれこれ読んだレビューからすると、少なくとも去年よりは順当のように思う。日本に配給される頃には、すっかりタイトルが変わっていて、見逃すこと多し。
ノーマークだったけれど、ホアキン・フェニックスの男優賞、これは観たい!と思ったら、ニュースが可愛すぎた。今年のカンヌで最も和むエピソードを最後にありがとう。ガールフレンド、というのは隣に座ったルーニー・マーラのことで、ホアキン・フェニックス、こんな柔らかい表情するんだなぁ。ルーニーは偉大ということか。そして履いているのがコンバース!コンバース好きとしては、ホアキン&コンバース&ルーニー&カンヌって、可愛さインフレ甚だしい。
https://www.cinematoday.jp/news/N0091863
どちらも大好きなので、ハリウッドのカップルで私の中で好感度第1位である。2人が共演した、ルーニーがマグダラのマリア、ホアキンがキリストを演じた映画、いつ公開でしょうか。
遠い海の向こうでも、映画のお祭りは楽しい。
黄色い本

「メッセージ」を観る予定が、昨夜観た「パーソナル・ショッパー」の余韻が強く残っていたことと、起き上がっても気がつけばウトウトすること数度、疲れを自覚し、外出をあきらめた。夏に向け予定が入ってきているから、休める時は休まなければ。平日に時間を作るのが難しく、「メッセージ」は次の週末まで観られないけれど、その頃には空いているかしら。
西川美和監督の「映画にまつわるXについて 2」を読み始める。しょっぱなから惹きこまれ、私はやっぱり映画監督・西川美和より文筆家・西川美和のほうが好きかもしれない。
「映画にまつわるXについて」1(白い表紙)は、文庫本で3回買い、3冊とも人に薦めがてら贈呈したので、手元にない…と思っていたら、先日、鎌倉の古本屋でハードカバーを発見し購入。これは手元に留めておきたい。薦めた人はみんな気に入って没頭して読んだみたい。「夢売るふたり」のために監督と主演・松たかこさんがフォークリフトの免許取得に教習所に通う1篇が「ローマの休日」風でとりわけ好き。改めて「夢売るふたり」を観てみたら、フォークリフトの場面は1分にも満たない短さで、映画1本を作り上げるまでの道のりの長さに気が遠くなる思い。
文字を読むことにぐっと集中できるブックデザインもさりげなく素晴らしい。
blue/orange

ルビッチ特集を観て以来、久しぶりに映画館へ。何気にバタバタしており、仕事帰りに映画を観る時間がない。六本木ヒルズに行くと必ず撮る東京タワー。薄いブルーとオレンジ、夕暮れの東京。
オリヴェエ・アサイヤス「パーソナル・ショッパー」、観に行けないうちに、、上映館も六本木だけ、1日1回だけになっていた。そのせいか場内満席。これまで観たオリヴェエ・アサイヤスで最も好きかもしれない。賛否両論なのだろうな。今晩はクリステンの魅力を噛みしめる。

観終わって外に出ると、東京タワーは、行きとは違う色調ながらブルー、オレンジ。何故この色?と思ったら、土曜の夜は基本的にこの色なのだとか。東京タワーのサイトなんて、初めて見た。
https://www.tokyotower.co.jp/lightup/index.php
カンヌ、コンペ作品は軒並み評価が低く、突出してこれぞ、という映画はなかったらしい…と、流れてくるニュースやレビューをチラチラ見る。批評家の点数を集計したものを見てみたら、
http://cannes-rurban.rhcloud.com/2017
very good new films、見事にコンペ以外の部門や特別上映、そして最高得点はツインピークス!アニエス・ヴァルダの新作もきになるし、”The Florida Project” (Sean Baker)は、一昨年の東京国際映画祭で観た「タンジェリン」の監督の新作。当時書いた感想はこちら。「タンジェリン」は全篇iPhoneで撮影されたことで話題だったけれど、映画の骨格がまず先にあって、世界観を成立させるために珍しくも新しい撮影方法が選ばれた印象で、監督の次回作を観てみたいな、と思っていたので配給を期待。
Safdie brothers

カンヌのコンペに入っている、アメリカのサフディ兄弟(ベニー・サフディ&ジョシュ・サフディ)、2014年の東京国際映画祭でグランプリを獲っている。東京国際はチケット発売と同時に、グランプリ作品上映のチケットも買えて、コンペの中から何を観るのか直前までわからない博打っぽさも楽しく真っ先に予約することにしている。「神様なんかくそくらえ」はそのようにして観て、サフディ兄弟の名前も覚えることとなった。写真右の2人が監督。兄弟で監督するってどんな気分なのでしょう。
「神様なんかくそくらえ」は、その後、公開もされた。原題は「Heaven knows what」
この映画は賛否両論だったようで、映画そのものとしては私は好きではないけれど、背景を知ると興味深いという種類の感想を抱いた。以下は当時書いたメモ。
—————-
主演女優(写真の女優、アリエル・ホームズ)はもともと女優ではなく、監督が街で見かけて映画に出てもらおうと食事したら、彼女の当時の生活のほうがよほど映画的で、そちらが映画になった、という一本。主演女優が体験を書いて、監督が映画に仕立て、女優は自分自身を演じた。彼女はホームレスでドラッグ中毒で暗い暗い恋をしていた。
何年か前のフランス映画「わたしたちの宣戦布告」もそんな映画で、カップルに生まれた子供が重い病気で、それを乗り越えた日々をカップル自身が演じ、女性のほうが監督している。日本映画でフィクションだったら、病気を乗り越え家族の絆は強くなりましたって耳触りのいい歌でも流れて終わりそうなところが、あのフランスのカップルは乗り越えたけれど、別れてしまうあたり、現実だなぁ…と思ったものだ。そしてこの2人には、物語にして自分を演じることがセラピーだったのかな、とも思った。
「神様なんかくそくらえ」は、どうしようもない日常が、キツい出来事すら呑み込んで永遠に続いていくことを示唆するような物語で、でも演じた彼女は女優として東京の映画館で目の前にいたから、物語にすることであの日々から抜け出したのだろう、と推測した。
映画をつくる、自分を演じる、歌にする…など、これなら自分にもできるかな、という方法を選択し、自分に起きた出来事を物語にして、過去のものにしていく。日記を書く、文章を書くこととも同じかな、と思った。
—————-
サフディ兄弟の新作「GOOD TIME」はカンヌで公開された。日本でも配給されるようで、楽しみ。ロバート・パティンソン!「トワイライト」シリーズを観ていないので、アイドル的人気がどうだったかは知る由もないけれど、クローネンバーグ「コズモポリス」の主演が彼で、あの映画と、あの映画の中のロバート・パティンソンがとても良かった!!!けれど、周りの誰も観ておらず話し相手がいない…。「GOOD TIME」を観ていないので何とも、だけれど、作品選びの上手い人なのでは…。
http://www.festival-cannes.com/en/films/good-time
映画祭のテンションでしか観ない映画というのはあるもので、毎年、時間の隙を見つけてランダムに観ているアメリカのインディーズ映画はまさにそれで、どれも音楽の使い方がとても上手いのが印象的です。
矢田部氏の日記によると。
http://www.cinemacafe.net/article/2017/05/26/49714.html
David Lynch T-shirts

この夏のTシャツ。現在開催中のカンヌ映画祭、70周年だそうで、映画祭と親交の深いagnes b.からデヴィッド・リンチのTシャツが発売された!黒と白があって、黒はcinemetal Tシャツを持ってることだし、アジアの夏は過酷なので黒ばっかりもね、と、涼しげな白にしてみた。
http://www.agnesb.co.jp/news/cannes
デヴィッド・リンチが大好きなアメリカの歌手リッチー・ヴァレンスが歌う「Donna」がモチーフとのこと。ポストカードサイズの説明もついていた。

話題のツインピークス新作は、5/25(今日!)カンヌで上映されるもよう。デヴィッド・リンチ、カルティエ財団であった個展を観た時も思ったけれど、手書き文字が意外な可愛さ。あの展示、妖しい絵の横にボタンがあって、押すとドドォーン、ヌォーンと映画の効果音のような不穏な音が流れるのが面白かったけれど、当時知り合いだったヨーロッパ圏の人々が軒並み、リンチのアートを酷評していたことを覚えている。世にも醜いものを観た!という感じで。私にそのスイッチがないから気づかない禁忌に触れているのかな…と思ったけれど(キリスト教とか歴史とか)、謎のまま。

背中には70周年記念の文字が。何日か前の、70周年記念セレモニーは、あの人の隣にあの人がさらにその隣にあの人も!と目が忙しい絢爛豪華さであった。
http://www.festival-cannes.com/en/festival/web-tv/channel/70th-anniversary
「木更津キャッツアイ」から「逃げ恥」まで

早稲田大学演劇博物館の続き。行ったのには目的があって、関連イベントのトークを聴くため。「木更津キャッツアイ」から「逃げ恥」まで というお題で、脚本家・野木亜紀子さんとプロデューサー・磯山晶さんが登壇されるトークがありました。お二人がこれまで手掛けてきたドラマのシーンを自らピックアップされたものを講堂の大きなスクリーンで観る時間も挟みながら、2時間ほどのたっぷりトーク、大学が主催とはいえ、これで無料って時々お金の意味って本当によくわからないな。
こちらのブログに詳細の書き起こしあり(全3回)。素晴らしい、ありがたい。
お二人とも、大人数のチームの中で働く女性特有の、四方八方からの無理難題に職人のごとく応えつつ、山ほど細かな意思決定を重ねながらじりじり前に進む日々を送る人だけに漂うような、独特のさっぱり感があって素敵。以前、西川美和監督のトークでも似た印象を持った。
私自身は熱心なテレビドラマ好きというわけではないけれど、それでもトークで紹介されたドラマはほとんどリアルタイムで観ていたことに驚き。数分だけ上映されたドラマを、毎週楽しみにテレビの前で待機していた自分も懐かしく思い出し、そして数分だけの上映でも、全体の面白さの記憶を引っ張り出すのにじゅうぶんすぎて、ああ「池袋ウェストゲートパーク」も「木更津キャッツアイ」も、他のドラマも、全部また観たいなぁ。
好きだからしょうがないけれど、映画好きであることは、映画にとても時間を割く人生になるということだね、という事実について時折考えるけれど、テレビドラマ好きな人々は、たかだか2時間で終わる映画に比べ、1つのドラマを最初から最後まで観るために、映画よりずっと長い時間を愛するドラマに捧げる人生を送っているのだなぁ。進行の岡室美奈子さんが「このトークのためにこのドラマを見直していたのですが…」と、軽くおっしゃるたびに、ふと思った。映画好きとしては、例えば生涯鑑賞本数が3000本を超えれば、2時間の映画が1時間で観られるようになります…!といった特別な魔法が使えるようになればいいな…と遠い目で妄想することはしょっちゅうある。
野木亜紀子さんは映画学校出身で、映画の人々はとかく映画を神聖なものと扱い、テレビドラマを下に見る傾向があるけれど、どちらもそれぞれ違う魅力があると思う、とおっしゃっていて、私も同意。時折、テレビドラマの話をすると、え?映画好きのあなたが、ドラマも観るの?と意外そうな反応があるけれど、日本の俳優はシームレスにどちらにも出演する人が多いので、映画で素敵だったあの人がドラマに出てる…その逆も!と、観る側としては楽しみは倍増し、楽観的合理的な私としては、わざわざ映画館に行ってお金を払ってしか会えない人と、チャンネル合わせるだけで自分の部屋で会えるなんて、なんて便利なの…テレビありがとう…という気持ちしかない。
映画館にわざわざ行って暗闇で、という場のアウラは映画の魅力ではあるけれど、お茶の間にもお茶の間のアウラがある。例えば「逃げ恥」の、働く女性が多かれ少なかれ抱えてるだろう呪いの提示と、それを解く最終回の百合ちゃんのセリフ、ああいった描写は映画や周囲の同じような境遇・立場の人々の会話では存在していたけれど、わざわざ映画館に行かずして、あんなポップなテレビドラマで、多くの人が気軽に観る中で、スパッとお茶の間に向かって言ったことに、少なくとも私の中では大きな意味があった。みんな観ていたからみんなと話ができるもの。観ること自体のハードルが低いこと、マスであること、大衆的であることの力強さ。映画を観ることは誰かと一緒だとしてもとても孤独な行為と思うけれど、テレビドラマにはその孤独感が不思議となく、そこが一番楽しいところかもしれない。
最後に磯山プロデューサーが、学生へのメッセージを求められ、辛いことも多いけれどテレビドラマは総合芸術のようなもの。興味を持っていただけたらみなさんも是非一緒にドラマを作る人になってもらえれば…。と、宗教の勧誘のようなトーンになって、ご自分でも笑っていらしたけれど、私はちょっと、じーんとした。楽しみにしていたドラマの裏に、こんな方が昼も夜もなく働いていたんだなぁって、目の当たりにできただけでも素晴らしい時間だった。そして「木更津キャツアイ」は、最近観た映画について話をする中、「八月のクリスマス」を観た磯山プロデューサーと、「スナッチ」を観た宮藤官九郎さん、観る映画の傾向がいつも重なることがなく、けれどどちらの映画の要素も盛り込んで「木更津キャツアイ」ができたというエピソードが興味深かった。そんな流れで、あの奇抜な構成のドラマが仕立て上がる職人技。そして視点の違う人々が集まってチームで何かを作ることの良さがあるなぁ、と。
紹介された中では「空飛ぶ広報室」のみ観ていなかったので、これから観るつもりです。これからのトークも豪華。争奪戦だろうけれど、予約できるかな…。
http://www.waseda.jp/enpaku/ex/
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