秋の奈良

残暑厳しき折、遠くに送るため、銀座にかりんとうを買いに。たちばな。東京3大かりんとうとは、湯島の花月、浅草の小桜、銀座のたちばな、このうち支店もオンラインショッピングもできないのは銀座たちばなだけ、らしい。
今時、その場所でしか買えないものほどロマンティックなものはない。
なら国際映画祭の情報が徐々に更新されてきているけれど、今年は行けない予定。審査委員長はムンジウ。楽天トラベルと連携して映画鑑賞券つきの宿泊予約もできるようだし、河瀬監督の作風や人柄は好き嫌いが分かれるでしょうが、欲しいものばりばり手中におさめる種類のバイタリティに圧倒される。
前回グランプリ(ゴールデンSHIKA賞)を獲ったイランの女性監督は天理市で映画を撮り、オープニングで上映されるそうで、詳細が出たのでチェックしてみると、主演は加藤雅也さん(奈良出身)、そして今をときめく石橋静河さんも出るようなので興味が湧いてきた。東京でも公開されるかな。
『二階堂家物語』、詳細はこちら。
オーシャンズ8

『オーシャンズ8』は、TOHOシネマズ日比谷で。
http://wwws.warnerbros.co.jp/oceans8/
このところ、女性の描かれ方にモヤモヤすることが多くなってしまい古い映画(特に邦画)から遠ざかっているけれど、では2018年現在、果たしてどんな描かれ方が正解なのか?の最適解、もしかして『オーシャンズ8』では。
タイトルどおり8人の女性が結託しメットガラの夜、カルティエの巨大ダイヤを盗みに行く。出所したサンドラ・ブロックが入所中、練りに練った計画を実行するためメンバーを探して口説きまず7人、やがて8人が集う。バランスよくアジア系、インド系も含まれる点は現代ハリウッドらしい多様性への配慮というところだけれど、集められた女たちが誰も湿っぽい物語を背負っておらず、シンプルに目的達成のため考えうる最高の精鋭が集められただけで、計画に参加する目的が、女だからと虐げられた鬱屈を晴らすためではなく、貧しさから脱出するためのお金目的でもなく、面白い仕事きたね!腕が鳴る!のテンションなのが素晴らしく、そんな女たちだからということか、つまらないマウンティングも発生しない。
ラスト、それぞれの人生に戻った8人が得た大金で何をしたかが短く紹介される。8人のうち、独身であることにモヤモヤしていた1人が、結婚してパリで幸せなハネムーンを過ごす描写があったのがとりわけ良かった。女の幸せのバリエーションとして「結婚して幸せに暮らす」が「身軽に一人旅に出る」「趣味の店を開く」「新たなキャリアにチャレンジする」などなどと並列にあって、誰もが当たり前に肯定されていた。何かを得たら何かを失わなきゃ、なんてこともないし、何も我慢することもないし、欲しいものをのびのびと手に入れ、欲しいものは人それぞれ。
メットガラのキラキラも楽しいけれど、自らのブランドのコレクションが酷評され、目のまわりを流れたマスカラで真っ黒にしたヘレナ・ボナム・カーターがヌテラ瓶抱えてメソメソしながら舐める一瞬のシーンで、この映画の面白さを確信。男前すぎるケイト・ブランシェット、リアーナのbefore/afterに見惚れるのはもちろん、ハリウッドでの自分の評判を逆手に取ったアン・ハサウェイの開き直りと満開の美しさも天晴れ。これ、男の人が観るとどんな気分になるんだろ?と一瞬思ったけれど、ま、どうでもいいか。
Cinema memo : 秋のエルメス

酷暑でシンプルな映画しか観られなかった夏の東京、これから上映される映画のメモばかり増えてゆくけれど、秋には、映画への集中力も取り戻せているかしら。
銀座の路地、新橋会館。5・6階の「稽古場」が気になる…。
9月10月、メゾンエルメスでのチネチッタ特集、どれも面白そう。ずいぶん前に観て、もはやマギー・チャンが出ていたという事実しか覚えていないオリヴィエ・アサイヤス『イルマ・ヴェップ』もかかる!
http://www.maisonhermes.jp/ginza/le-studio/archives/770026/
Cinema memo : afcc

春から停滞していた事柄が急に動き始め、9月上旬はワイズマン特集に通っている場合ではなくなった。ワイズマン特集と私の波長、合わないことが多くて悔しい…と思っていたら、10月、アテネフランセでもワイズマン特集があるらしい。こちらは行けるかな。
9月上旬のイメージフォーラムと、上映タイトルは重複していない。
アテネフランセ、9月下旬の韓国インディペンデント映画特集も面白そう。
http://www.athenee.net/culturalcenter/program/ko/koreaindependent.html
ロケ地

めいめい好きな食べ物を狙う空腹ペンギンズ。定形外送料が高くなったので、最近はクロネコヤマトの宅急便コンパクトで送ることが多い。小箱にギュッと隙間なく詰める作業が楽しいけれど、切手を組み合わせてベタベタ貼る機会が減って寂しいな。
ペンギン切手、たっくさん買い溜めしたので、切手ファイルの中で大量のペンギンが出動を待っている。
『ペンギン・ハイウェイ』、アニメの場合もロケ地と呼べばいいのか不明だけれど、奈良県生駒市界隈が描かれているらしい。
https://masamunenet.com/archives/916
原作の森見登美彦さんが生駒出身だからかな。ペンギンに加え奈良とくると、もはや私のための映画では…ありがとう…。
アオヤマくんが想いを寄せる「お姉さん」、来世があるとしたら、あの「お姉さん」に転生し、ペンギンの大群を自在に操りたい。号令かけるシーンは、映画至上屈指のペンギン名場面。
ペンギン・ハイウェイ

『ペンギン・ハイウェイ』は公開初日、TOHOシネマズ上野で。
小さな頃にあまり観なかったせいかアニメとの距離感は縮まる気配がないけれど、これからの私にとって、夏といえば?→『ペンギン・ハイウェイ』!と自動的に連想しそうなアニメとの出会いだった。酷暑の今年、どんどん暑くなる日本の夏にうんざりしながら、幼かった頃の夏…今より気温も数度低く、永遠に終わらなさそうな長い夏休みがあり、母が作って冷やした大量のみつ豆、お祭り、夏草の匂い…を思い出し、大人になった私は、もうあんな夏を過ごすことはないのだろう、とふと考えたことを思い出した。そんな映画だった。
そしてペンギン!これまで観たあらゆる映画の中で、最も大量のペンギンがスクリーンに溢れる。
お姉さんが投げたコーラの缶がペンギン化する実験!実験自体がもう魅力的、ボテッと地面に落ちたペンギンの姿が可愛い。私もコーラ缶投げてペンギンを生産したい。
あと、こういう普通の民家の庭を横切るペンギンの描写、私がしょっちゅうしている「もし日常にペンギンがいたら…」妄想の完全アニメ化って感じで、夢みたい!
そんなこんなで、ふぁぁぁぁぁ…ペンギン…たくさん…(うっとり)と、ペンギン熱にうかされた私に、友達が「映画どうだった?」と聞いたので、「もうもうペンギン大行進、ペンギン大集会、ペンギン大洪水、ペンギン大運動会映画で最高!」と答えたら、「……。」と困惑の表情をされたので、気をとりなおしてペンギンを頭の隅に追いやり、
「ペンギン以外の感想としては、上野の科学博物館で熱心にメモをとったり、夏休み子ども科学電話相談に電話をかけて理知的な口調で質問するような男の子・アオヤマくんが主人公で、アオヤマくんが想いを寄せるお姉さんがこの世の謎、わからなさ、憧れ、を一身に背負ったような存在で、しかも蒼井優ちゃんの声で絶品で、ひと夏の冒険の流れでこの世のふしぎに触れ、触れてしまったが故のほろ苦さも同時に味わい、夏の終わりにちょっとだけ大人びたアオヤマくんの姿に、小さい頃の夏ってこんなだったな…と遠い目になったところに宇多田ヒカルの主題歌が流れてエモの極み!エモの洪水!ペンギン大洪水!って映画」
と説明すると、急に態度が変わり「それはエモい!」と興味を持ったようだったので、最初からそう説明すべきだったのかもしれない。
NHKの宇多田ヒカルに密着した番組で、ちょうど主題歌「Good Night」が生まれる瞬間が映っており、「これは少年が年上の女性に恋したことを、大人になってから思い出している歌」と説明しながらレコーディングしていた。歌詞、ギリギリまで言葉が絞られているのに、『ペンギン・ハイウェイ』の世界がまるごと入っており、暗闇で最後の一行を聴き終わると映画は見事に着地した。鮮やかな技だった。
Cinema memo : KANO

今年はお盆も仕事をしていたけれど、長らくお盆は休んでいた習慣の蓄積が「なるべく休みたい」の無意識を形成し、打ち合わせが入らなかった隙に午後から休みをもらって、ランチがてらビアホールでビールを飲んだ、の図。
甲子園決勝はリアルタイムで観られなかったけれど、今年は本当に楽しかったなぁ。些細なことまでニュースになった金足農業のエピソードを読むと、私の夏のノスタルジアも喚起された。高校の先生だった母は数年単位で県内のあちこちの学校を異動し、農業高校で働いていた時期の夏休み登校担当日(のような日。授業や行事はないけれど教師が持ち回りで登校し学校の実務をする日)、他に誰もいないから私も母の職場についていき、ビニールハウスの点検に付き合ったり、草むしりを手伝ったり、広いプールで浮かんだり。幼かった私に農業高校の校内はアミューズメントパークみたいだった。
農業高校が決勝に進むのは1931年、日本統治下だった台湾から出場した嘉義農林(嘉農)以来ということで、未見だった『KANO』は今こそ観るべきと思い出した。公開時の熱に煽られて映画館で観ることは確かに楽しいけれど、興味を持った時こそ映画を観る最適のタイミングで、複製芸術だからそれが可能、ということをこんな時に実感します。
【about】
Mariko
Owner of Cinema Studio 28 Tokyo
・old blog
・memorandom
【search】
【archives】
【recent 28 posts】
- 1900s (3)
- 1910s (5)
- 1920s (10)
- 1930s (26)
- 1940s (18)
- 1950s (23)
- 1960s (58)
- 1970s (14)
- 1980s (40)
- 1990s (46)
- 2000s (37)
- 2010s (240)
- 2020s (28)
- Art (30)
- Beijing (6)
- Best Movies (5)
- Book (47)
- Cinema (2)
- Cinema award (17)
- Cinema book (58)
- Cinema event (99)
- Cinema goods (15)
- Cinema history (2)
- Cinema memo (127)
- Cinema Radio 28 (8)
- Cinema Studio 28 Tokyo (92)
- Cinema tote (1)
- Cinema Tote Project (1)
- Cinema trip (43)
- cinemaortokjyo (2)
- cinemaortokyo (100)
- Drama (3)
- Fashion (40)
- Food (65)
- France (15)
- Golden Penguiin Award (11)
- Hakodate (6)
- Hokkaido (3)
- HongKong (3)
- iPhone diary (1)
- journa (1)
- Journal (248)
- Kamakura (1)
- Kobe (1)
- Kyoto (18)
- Macau (2)
- memorandom (4)
- Movie theater (212)
- Music (43)
- Nara (15)
- Netflix (3)
- Osaka (2)
- Paris (13)
- Penguin (16)
- Sapporo (3)
- Singapore (1)
- Taiwan (47)
- TIFF (24)
- Tokyo (358)
- Tokyo Filmex (14)
- Weekly28 (10)
- Yakushima (3)
- Yamagata (11)
- YIDFF (6)
- Yokohama (5)
- Youtube (1)
