夜道に猫

早急に体力をつける必要があり、ここのところ夜、軽く運動中。車が通らない細い路地ばかりのこの界隈、夜は猫パラダイス。数メートルおきにのびのび歩いているいろんな種類の猫に出会う。光のあたり方がドラマティックな黒猫さん。

を、しばし尾行。迷惑そうに何度も振り返っていた。
「5時から7時までのクレオ」、クレオは部屋で子猫を2匹飼っている。産まれたばかりです!という、ほわほわした小さな夢のような可愛さの。
部屋に音楽家が訪問する場面でカメラを左右に揺らし、音楽家→クレオ→音楽家→クレオと映るカットがあり、カメラが移動する途中、子猫がきゃいきゃい戯れている様子が一瞬映ること数回あり、音楽家役のひとり、ミシェル・ルグランより、歌うクレオより、カメラを動かさず子猫にズームしていただけないでしょうか…?と願うほどの可愛さ瞬間最大風速が吹き荒れていた。忘れていたけれど、猫映画でもあった。
クレオの部屋

昨日、真冬の格好でウロウロしたせいか酷く疲れて二度寝に三度寝を重ね眠りこけたけれど、12時50分からイメージフォーラムと潜在意識にすりこんでいたせいで、むくりと起き上がりメトロに乗って、遅ればせながらドゥミ&ヴァルダ特集へ。
http://www.zaziefilms.com/demy-varda/
ずいぶん久しぶりに観た「5時から7時までのクレオ」(1961年/アニエス・ヴァルダ)は、記憶に残った断片からイメージしていた映画とは違う顔をしていた。時が経つと見え方が変わってくる系の映画だったのね…と呆然と帰ってきたけれど、暑さのせいで細かいことが考えられず、何がどう、と説明する余力がない。夏のよれよれ。
久しぶりに観たクレオの部屋、ずいぶん素敵だった。天井が高く、真っ白で、子猫がいて、ぶら下がり健康器のような謎の道具があり、ベッドは天蓋つき。ハイヒールを放り投げ洋服を脱ぎ散らかしても、後からついて拾って整理してくれるメイド兼マネージャー的女性もいるし、ピアノがあって、ミシェル・ルグランが訪問してくる!
広い部屋に、ぽつりぽつりとそれらの要素が配置してあり、床面が大きく見えている。私の好きな部屋は、広い床面にモノがなくてガラガラ感のある部屋、そして普通あるべきものが見当たらなくて、普通それないでしょ?という奇妙な道具が何故かある部屋。クレオの部屋、「ティファニーで朝食を」のホリーの部屋に並び、映画の中の住んでみたい部屋ランキング上位にランクイン。
エキストラ

心待ちにしている監督の撮影中の新作、大掛かりなシーンがあり、たくさん人が必要で人が足りないという情報を得たので、都内某所にてエキストラで参加してきた。映画に出たいなど考えたこともないけれど、メイキング本も熟読するほど好きな監督なので、撮影現場を観てみたくて。
トリュフォーの映画「アメリカの夜」は、映画の撮影現場の物語で、タイトル「アメリカの夜」は、昼間にカメラにフィルターをかけて夜の場面を撮ることを指す用語らしい。映画ってよくできた嘘ですね、ということを表す美しい用語で印象に残っているけれど、真夏の今日、冬の設定で屋外撮影。2017年現在ではなく過去の時間を撮るもので、参加してみて本当に、ああ、映画ってよくできた嘘だなぁ!と身に染みた。私はよくできた嘘を心から愛しています。
熱中症対策に配られたミネラルウォーターと、冬ムードのため持参したスエード手袋のミスマッチよ。夏服の上からコートを羽織った。帰宅して汗だくになった服をクリーニング行きの袋につっこみ、お風呂上がりにビール飲んでる。
公開は来年夏。ここから先も気の遠くなるような工程を経て、映画って出来上がっていくのだろうなぁ。
海辺の生と死

「海辺の生と死」、公開は今日から。先月、完成披露上映で一足先に観た。戦時中、加計呂麻島を舞台とした、島尾敏雄・島尾ミホの出会いの物語。映画の中では朔、トエとそれぞれ名前が違う。
南の島といえば、海、空、砂浜…と海なし県・盆地育ちの私が抱くステレオタイプなイメージを裏切るように、この映画で映される加計呂麻島の風景はどこか翳りがあり、ひんやりした風が吹いていた。島唄、方言、踊りを異国見物のように眺めながらも、朔とトエが出会い熟してゆくにつれ、島の風景も人々も後退し、次第にあなたとわたし、ふたりだけの密室に変化してゆく。
トエという女性は単なる激情型というわけでもなく、俯瞰しながら演出する監督の役割と、中心で演じる女優の役割を往復しながら自分の物語を推し進める。島に暮らしながらもどこか遠くを望むような寄る辺のなさを抱え、相手役を待ち望んでいたところに朔が登場し、腕を掴んで強引に舞台に引きずりあげる。朔のほうも、繊細な文学青年っぽさと、特攻隊の隊長という強い役割の間を揺れ動く掴みどころのなさがあり、ふたりの隙間が偶然ぴたりと符号したように見えた。ふたりのその後の展開を知ってしまっているため、特異で特別なふたりの出会いの物語、と色眼鏡で観てしまうけれど、すべからく恋って、こんなふうにどうしようもなく不意に始まってしまうもののようにも思える。クライマックスの長い夜、物語を盛り上げる材料はすべて揃いましたという熱気の中、女優人生・一世一代の名演を見せる時、それは今!とばかりに芝居がかるトエの動きはトエならでは、ではあったけれど。
登壇した満島ひかりさんの「島尾ミホさんは、島生まれだけれど東京で生活していたこともあって、また島に帰ってきたり、どの場所にも居場所が見つからず、愛だけが居場所だったのかな、と思う。私自身も沖縄で生まれ東京に来て、似たようなところがある。」との言葉が耳に残った。舞台挨拶のニュースは、主演2人の噂ばかり書き立て、こんな言葉があの場所にいなかった人に伝わらないなんて、勿体ないことよ、と思ったのでメモしておく。
衣装も素晴らしく、島の自然にすんなり溶け込む天然素材の服に、ほとんどノーメイク。そんなトエが着替えてガラリと別の女になるような、それでもやっぱりトエの延長のような夜の場面が印象的。
http://www.umibenoseitoshi.net
youtube theater

先日食べた、四谷三丁目フルーツパーラーフクナガの桃パフェ。生クリーム比率が少なく、桃シャーベットが絶品で、私のような甘いものたくさん無理だけれど、果物は好きというタイプにぴったりの味だった。長らく食べたいと切望していたので、願いが叶って嬉しい。
広くはない店内に着席した人々が見事に全員、桃パフェをオーダーしていて、桃パフェ以外に食糧が存在しない惑星に不時着したみたい。
いこさんが感想を書かれていた市川崑初期作品(こちら)、観たいな!と思ったけれど、そんな都合よく観られるものでもありませんね…と調べてみたら、youtubeで有料で映画を丸ごと見られるラインナップの中に「あの手この手」はあった(こちら/300円)。「人間模様」も観たいぞ!と調べたら、近所の図書館にDVDがあったので予約した。近々どちらも無事に観られそう。便利な世の中ですこと!
早稲田松竹

早稲田松竹、ずいぶん久しぶり。そしてこんなに混んでいる早稲田松竹は初めて!というレベルで混んでいた。10時半からの上映に、9時45分ごろ到着すると、もう50人ぐらい並んでいた。
「哭声/コクソン」と「お嬢さん」2本立て。「お嬢さん」は2度目。1秒たりとも観客を退屈させてはならぬ!と高らかに宣言するかのような韓国映画の心意気。妙に内省的な映画より、こういうサービス精神旺盛な映画を観ると、私の中の関西人細胞が活性する。ウジウジした映画観るとすぐ疲れちゃって、どうでもいいよアナタのことなんてってすぐ思っちゃうもん。
初回から満席立ち見なのに(どちらも2時間半の長い映画なのに…)、みんなスクリーンに集中しているのか客席は水を打ったように静か。そして座って観ていただけなのに運動後のような、プールの後のような身体の重さを感じて帰宅後、気絶気味にバタッと寝た…。
早稲田松竹のいいところは、最前列からスクリーンまでの距離が広めで、最前列で観ても身体が疲れないことです。前に座る族としては、座席とスクリーンの距離、大事。
観たい方には、朝早めの到着をオススメします。明日も混みそう。
http://www.wasedashochiku.co.jp/lineup/2017/ojosan_kokuson.html
揺蕩う

起きて外に出ると、昼の世界が光で真っ白。アイスが枯渇していたので、この間くじ引きで当てたパルムをもらいに行こうとセブンイレブンまで歩く。アイスケースにチョコミント氷があったのでそれも買う。嬉しくて帰りがてら道ばたで写真を撮ったら、光と影の陰影が真夏だった。間もなく梅雨も明けるだろう。隅っこに写ってる手とアイスの影が猫みたい。
台北で観た2本の映画…「ミレニアム・マンボ」と「夜の海辺で一人」と、行きの飛行機で読み始め、東京で読了した柴崎友香「寝ても覚めても」が、どれも女の人が居場所をどんどん変えて揺蕩う物語で、なんとなく自分のムードに寄り添っており、この気分から抜け難く、しばらく浸っていたい。そんな物語ばかり摂取したのはまったくの偶然だけれど、自分が引き寄せたようにも思う。
けれども早稲田松竹、これは混むだろう!と予測した2本立ては案の定混んでいるようで、立ち見を避けるためには、揺蕩う気分から抜け出し、早めに電車に乗らねば。1日に何本も映画を観る映画好きって、気分の切り替えが早い人が多そうで(私も時々ハシゴするけれども)、この気分にもうちょっと浸っていたいなんて時は、皆さんどうしてるのかしらね。
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