Cinema memo : 年末の恒例

気温がなかなか低くならず、上着が要らない11月。律儀にクリスマス仕様に変化してゆく街を歩くと、気温との不整合っぷりに混乱する。銀座サエグサのウィンドウ、こんな可愛い子供服ってあるかしら。天使専用って感じ。
フィルメックスのチケット、勢い余ってたくさん買ったけれど、ここに来て他の魅力的な上映とバッティングしていることに気づいた。フィルメックス、行きたいけれどチケット頑張って買うほどではない…という方がいらしたら、チケットをお譲りできるかもしれないので、私のメールアドレスをご存知の方は是非お問い合わせいただきたい…。
DVD化されていない大好きな映画のうち1本『大阪物語』がついにDVDになるらしい。しかも池脇千鶴の誕生日に。粋な計らい。DVDになっていないから、頑張って何度も映画館で観た。
https://natalie.mu/eiga/news/304372
DVD化されていない大好きな映画のもう1本は、『東京上空いらっしゃいませ』です。何卒よろしくお願いします。
年末といえば、の恒例行事は目黒シネマの市川準特集。12月前半だと油断していたら11月後半から始まる。しかも、前田あっちゃん!とても行きたいけれど、あっちゃんのファンは多いから難しいかしら。『あしたの私のつくり方』は大好きな映画。
http://www.okura-movie.co.jp/meguro_cinema/now_showing.html
TIFF2018/愛がなんだ

ぼやぼやしているうちに、次の週末にはフィルメックスが始まる。またたくさんの映画を観る前に東京国際映画祭で観た映画について簡単にメモ。
コンペティションで観た今泉力哉監督『愛がなんだ』。監督、主演の岸井ゆきのさん、若葉竜也さんの舞台挨拶、上映後に監督のティーチインつき。『愛がなんだ』を観た後、岸井ゆきのさん(実年齢26歳)についてぼんやり考えていたら、朝ドラ『まんぷく』でタカちゃん(14歳)役として登場したので、それが仕事と言えばそうなのだけれど、俳優という職業の変幻自在ぶりに妙な感慨が生まれる。
https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31CMP09
『愛がなんだ』は角田光代の同名小説の映画化。
主人公は28歳のOLテルコ。彼女は、想いを寄せているマモルに自分の時間のすべてを捧げてしまう。しかし、マモルはテルコのことが好きではない。完全なる一方通行の恋。 周りが見えなくなるほど、マモルへの想いが膨れ上がっていくテルコ。全力すぎる片思いの末に、テルコが下した思いがけない“決断”とは…。

今泉力哉監督の映画は『サッドティー』を偶然観て以来、気になってなんとなく追いかけているけれど、登場人物が多数登場し、誰もが誰かを好きだけれど、矢印は交わることがなく相関図がいたずらに複雑になってゆく…という物語を撮る人という印象で、ただ成り行きを追うのが楽しかっただけだったのが、『愛がなんだ』は果たしてこれは、これまで通りクスクス笑って観終えただけで良いのか、まさしく「愛がなんだ」の物語なんじゃないか、とぐるぐる考えてしまう。見応えがあった。
テルコの度の過ぎた行動を伴う重度の片思いの物語ではあるけれど、物語が進むうちに相手は別にマモルじゃなくても良いんじゃないか、と見えてくる。あなたじゃなくちゃダメなの、ではなくて、「私、そして愛」について具体的行動を交えながら考察したい時に、目の前にマモルがいて、まるで相手にされないわけではないから、考察が終わらない。テルコ自身が、みずからの愛についての考察の到達点を「片思いが成就して両思いに」なることでも「心と頭だけでなく、肉体関係に移行する」ことでも「関係を結んだ末に、それが終わる」ことにも置いていないから、いつまでも終わらない。関係に決着がつくのをテルコ自身が回避しているようふしもあり、マモルの存在を用いたテルコの愛についての考察が終わるのは、テルコが「気が済んだ、もうじゅうぶん」と判断した時なのでは。と、考えると、献身的なようでいて、ずいぶんエゴイスティックな女である。
そして自分にざぶざぶと愛が向けられている時は、気が大きくなって尊大な態度をとりがちな人物でも、自分が誰かに愛を向ける時は尻尾をぶんぶん振る従順な犬になってしまうという、ありふれた事実がしっかり映っていて興奮した。
テルコ(岸井ゆきの)とマモル(成田凌)の関係を観察するだけで多分に面白いのに、江口のりこが登場してから物語が加速度的に膨らんでゆくさまが見事。初めて観た若葉竜也という俳優さんも素晴らしかった。劇場公開は来年とのことです。
インタビュー

今日は特に書きたいことはないけれど、毎日書く癖を取り戻すために書いている。習慣ってコツコツ積み上げても、一瞬で怠惰になれるものですね。写真は映画祭の映画と映画の隙間に六本木まで友達が会いにきてくれて一緒に食べたサラダ。これスライスするのは簡単だとしても並べるのは技が要求されそう。薄いキュウリをこんなふうに並べる人はその時どんな表情をしているのかな。と考えながら食べた。
東京国際映画祭で『21世紀の女の子』という新進映画監督が撮る短篇を多数集めたオムニバス映画を観て、そのうちメモを書こうと思っているけれど、冒頭の1篇が山中瑶子監督のものだった。
https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31JPS09
その1篇は正直、苦手だな、と思ったけれど、上映後のトークで山中瑶子監督の発言がいちいち心に引っかかったので、『あみこ』(話題になっていたけれど入院でバタバタしていた時期に公開されたから未見…観たい…)についてのインタビューを読んだら、めっぽう面白かった。監督のことを何ひとつ知らずに読んでも、面白いと思っただろうなあ。
https://cinemore.jp/jp/news-feature/452/article_p1.html
ごく稀に、作品は好みではないけれど、発言には興味がある、という人に出会うけれど、それって好意の一種なのかしら、と自分でも戸惑う。
夢の旅

しばらく前、金曜夜に『アナザースカイ』を観ていたら、ゲストが柄本佑さんで、ポルトガルを旅していた。
柄本佑さんは携帯の待ち受けに監督の写真を設定するぐらいのマノエル・ド・オリヴェイラ監督のファンだと耳にしたことがあったけれど、筋金入りとはこのこと、という熱狂的なファンのようで、きゃっきゃっと踊るように監督の映画ゆかりの地を巡っていた。新婚旅行もポルトガル・オリヴェイラ・ロケ地巡りツアーだったそうで、あの夫婦のそんな旅なんてただ淡々と記録するだけで映画が誕生しそう。地上波であんなにオリヴェイラ、オリヴェイラと連呼されることはこの先なさそうだし、最後には司会の今田耕司まで「いやぁ、そんなに熱く語られると、観たくなるねぇ!オリヴェイラ」と述べ、まさかこの人の口からオリヴェイラの名前が!と意外性におののいいたが、きっと絵に描いたようなリップサービスで、今ちゃんは絶対にオリヴィエラを観ないであろうよ。
オリヴィエラのロケ地巡りポルトガルツアーは私にとって夢の旅なので、この『アナザースカイ』は消去せず録画を保存してある。どんな詳しいガイドブックより私の狭い要望に答える内容だった…。
そんな柄本佑さんがポルトガルで撮影された映画に出演すると何かで見知っていたけれど、この週末から公開されるそうで、早速観に行くつもり。
『ポルトの恋人たち 時の記憶』
http://porto-koibitotachi.com/
*ポルトガル補足
テレビで偶然観た中では、NHKの『ちょい住み』リスボン篇も最高だった。リスボンでの生活を擬似体験できる内容も、竹内涼真も。
http://www.nhk.or.jp/choisumi/lisboa/index.html
【本日更新】「雲の上で踊る」2018年 夏

Cinema Studio 28 Tokyo 本日更新しました。
雲の上で暮らす翠子さんの春夏秋冬と、その季節に観た映画の記憶について。連載「雲の上で踊る」2018年 夏。
建設中のオリンピックスタジアムが見える都心のオフィスで、昼休みの終わりに届いた翠子さんの原稿を、コーヒー飲みながらiPhoneで読んでいたら、最後の一節に差しかかったあたりで、予期せず涙がぶわっと溢れてしまって、同僚から話しかけられ、あわてて涙を目の奥にしまいました。
禍々しくやってきて、あっという間に去っていった夏。これまで通り過ぎたあらゆる夏。夏のすべてが文と写真とその隙間に詰めこまれていたから。
この夏を満喫した人も、そうでない人も。雲の上から届いた2018年 夏の手紙、どうぞお楽しみください。
*春の手紙はこちら
https://cinemastudio28.tokyo/kumonouede_001
絵画

東京における私の秋の恒例行事、その1(東京国際映画祭)が終わり、その2(フィルメックス)に向け、しばしの静寂が訪れた。
この秋、近所の公園こと上野公園は、ルーベンス、ムンク、フェルメールの展示が同時に開催され、ずいぶん賑わっているみたい。不忍通りを歩いていると、カフェの前に「叫び」の顔はめパネルを発見。写真では伝わりづらいけれど、顔の部分が空洞になってる。あの顔にトライしてみたい人は是非どうぞ。根津界隈です。
そんな中、きっと静かに展示されているであろう西洋美術館の特別展示「リヒター/クールベ」が気になっている。
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2018richter.html
オリヴィエ・アサイヤスの…邦題は『アクトレス 女たちの舞台』だったっけな。原題はClouds of Sils Mariaで、シルス・マリアは物語の舞台となるスイスの地名なのだけれど、とにかく映画を観るとシルス・マリアに行ってみたくなる。そして西洋美術館ではリヒターの描いたシルス・マリアの風景画を観られるらしい。「リヒター/クールベ」の会期は長く、来年1月20日まで。メモメモ。
鯉川 鉄人うすにごり酒

先日、友人たちが快気祝いに神楽坂のお店を予約してくれ、おおいに美味しい熟成肉を楽しんだ。その際、快気祝いにいただいた日本酒。映画モチーフのラベル!さらに、最近行ったばかりの山形・庄内の鯉川酒造という偶然。日本酒、たくさん売られていたけれど、これは見かけなかったな。

山形+映画モチーフだから、山形国際ドキュメンタリー映画祭にちなんだラベルかな?と思えば違って、山形県鶴岡市出身の冨樫森監督の高校の同級生が鯉川酒造の蔵元、という縁なのだとか。監督の映画『鉄人28号』にちなんで、「鉄人うすにごり酒」という名前です。これは映画&お酒好きには嬉しいギフト!
東京国際映画祭が始まり、以前ほどの本数ではないけれどヒルズに頻繁に通っている。観たい映画のスタートが21時台と遅いことが多く、久々に終電を気にしながら映画を観ている。体力勝負。健康を取り戻せて良かった…(しみじみ)…。そして、コンペで観たフルーツ・チャン監督『三人の夫』が強烈だった…!
https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31CMP14
もうもう女優さんが圧巻の演技だったので、あの人にたんまりと賞をあげてほしい。なかなか片手間には書けないので、映画祭が終わる頃に1本ずつ感想を書こうと思います。
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