銀座

GW初日。今年はGW前に旅行に行ったので、GWは東京で。数寄屋橋交差点の早朝。空は青々としておった。
なんだか身体が疲れてる…?と不審に思ったけれど、考えてみれば屋久島で25kmトレッキングの後、あらゆる交通手段で長距離移動した数日後なのだった。しかしまぁ喉元過ぎればなんちゃらとか言いますけれども、ほんまに過ぎたことは忘れていくんですねぇ…。

東京ミッドタウン日比谷にはまだ足を踏み入れていない。通りにあった地図にも、表示されていなかった。これから更新されるのかな。帰りに寄ってみようかな?と出来心が芽生えたものの、ごうごうとした人の波が明らかにミッドタウンに向かっていて、混んだ場所嫌いとしては当分無理では…と、すごすごメトロに乗った。

銀座、メゾンエルメス4月の上映はエルンスト・ルビッチ『生きるべきか死ぬべきか』。
http://www.maisonhermes.jp/ginza/le-studio/archives/703706/
おそらく二桁回数は観ていると思うけれど、今回は過去最高に集中して観た。昨今の永田町方面のゴタゴタにさすがにニュースを追う気力すら奪われているけれど、国会中継って音を消して眺めてみれば、クラシカルな内装の室内に仕立ての良いスーツの大人が集まって、ちょっと映画みたいっていつも思う。現実は耳を疑う茶番が繰り広げられているけれど、音量を上げると、実は『生きるべきか死ぬべきか』のような粋な物語が演じられているのです!という世界線を妄想…って、現実逃避も甚だしいですね。
ベルリン生まれのルビッチはナチスによってドイツ市民権を剥奪されている、と思えば、笑いに巧みに内包された哀しみがじんわり弾け、セリフのひとつひとつも染みてくる。嫌味も反抗もエレガントに、しかし確実に急所は狙って、こんなふうに振る舞える自分にいつかなれるだろうか、と観るたびに考える。
しかし、ルビッチ映画があればもう世界は充足し、他の映画は要らないのでは?と観るたびに思ってしまうのは、よろしくない傾向。
シェイプ・オブ・ウォーター

観た映画は遅くなっても全部記録しようと決めた2018年、『シェイプ・オブ・ウォーター』は公開日(3/1)夜に観た。
この3月はなかなか壮絶で、記憶がもはや薄いけれど、月のはじめにこの映画を観たことは、よき思い出として私の心をあたため続けた(…この雑な英文和訳のような文章よ…)。3月1日の東京、強い雨が降って止んだ後の日比谷の街は冬の埃がさっと払われたようにみずみずしく、春の予兆に満ちていた。
シャンテの前方の席で、私は今、とても素敵なものを観ている!と思いながら眺めた。ずっと読みたかった絵本をようやく手にしてめくったような。めくる速度も早すぎず遅すぎずちょうど。そんなことは滅多にあるものではない。
主人公の女性が暮らすアパートは昨今観た映画の中の建物のうち、とりわけ住んでみたいと思った。ほとんどお客さんが入っていないガラガラの名画座の上の部屋!大家さんは映画館の館主でもあって、チケットブースに家賃を払いに行くと、無料券をあげるからどうか映画を観に来てくれ!って懇願される。
そんな部屋に暮らす女性は、女優のように見目麗しいわけではないけれど、仕草や身体のラインに艶やかさがあって、ただ単純に彼女の人生にその相手がまだ登場していないだけで、恋に落ちる準備はいつだってできている、という女性のように見受けられた。相手が人でも、幽霊でも、映画の中の俳優でも、怪物でも、モンスターでも。そして目の前に現れた”彼”は、造形的に美しく、もう相手として十分ではないか、この人だよ、と納得できる引力があった。恋をした女性が、みるみるうちに艶やかさが増していく、微細な変化も見逃せない。
おそらく最新技術がふんだんに投入され、気の遠くなるような時間をかけて作られたのだろうけれど、描かれるのが、アパートの階下で上映されるような、映画の創世記からとっくに存在していたクラシカルな愛の物語、という点がとりわけ好みだった。こんな、ずいぶん手の込んだ遠回りを辿りながら、あらすじだけ抜き書けばたった一行で終わりそうなシンプルな映画が生まれることが贅沢だと思った。私の好きな種類の遠回り感、存分に味わった。
http://www.foxmovies-jp.com/shapeofwater/
名画座にまわった時に、また観ると思う。
Cinema memo : 楽日

鹿児島の港の近く。水族館の魚が一部、海の区切られた一角を泳いでいるゾーン。おさかな天国。
京都みなみ会館のさよなら興行のラインナップを遠く東京から眺め、蔡明亮監督『楽日』がかかったと知る。 台北郊外の映画館の営業最終日の物語。なんて素敵なチョイス!と遠く東京から感激したけれど、私、『楽日』、あらすじだけ知っているだけで未見なのだった。観なければリストの筆頭に追加。
原題は『不散』。
法善寺

屋久島には伊丹空港から往復したので、東京に戻る途中、大阪にも京都にも一瞬だけ立ち寄り。大阪、いつぶりだろうか。難波界隈で食事したので、ついでにぶらぶらと法善寺へ。

いこさん連載第5回で取り上げた映画『夫婦善哉』でおなじみのお店。満腹だったので入らなかったけれど、過去に入って食べたことあったかなぁ。覚えてないなぁ。

貼られていたポスターは、森重主演の映画版ではなく、森山未來主演のNHKドラマ版のもの。

1人前が2つのお椀に分かれているから、1人でふたつ食べてもいいし、2人で分けて食べてもいい。

こちらの説明看板には、織田作のことも映画のことも書かれていました。
公式を調べてみて知ったことに、夫婦善哉のお店、和食さとを経営してる会社なのね。驚き。
https://sato-res.com/meotozenzai/history/
有縁

屋久島、縄文杉までのトレッキングをガイドしてくださった方、屋久島生まれ屋久島育ちの男性で、奥さんは北海道、知床羅臼の出身らしい。生まれ育ちの遠いふたりはどうやって知り合ったのか問うてみると、山梨で働いていた頃に…とのこと。ちょうど中間地点!帰省の際の日本縦断っぷりを想像して果てしない気持ちになった。縁とは不思議なものなのですね。奥さんの実家の前の海では、流氷が見られるらしい。
1日がかりで体力を消耗しながら縄文杉を見ても、振り返ってみると記憶に残っているのは、その場に行かないと会うことのなかった人の、知ることもなかった人生の話だったりする。
流氷を見ることに憧れのある私は、いいな!と思ったけれど、反射的に思い出した映画は『私の男』だったり『東への道』だったり、自然の厳しさ吹き荒れる流氷場面のある映画ばかりだった。

トレッキングの復路で、野生の鹿と遭遇。見慣れた奈良の鹿より、毛の色が濃く、お尻の白い毛はハート型だった。
Storytelling

島から東京にワープ!タンバリン・ギャラリーで開催中の展示「Storytelling」、仕事の後に行ってきた。28に連載「One movie , one book」で参加くださってる小栗誠史さんが参加されています。
4/29(日)まで
http://tambourin-gallery.com/tg/2018/04/storytelling.html
ギャラリーでの展示に小栗さんがどう参加されるのかな?と思っていたら、選書&展示される絵やオブジェにまつわる文章を書き、文章はプリントされたものが置かれていて自由に持って帰ることができる、というユニークさ。その場で読んでもいいし、とりあえず持ち帰って絵やオブジェの記憶を反芻しながら後から読んでみるのも良さそう。エッセイもあればショートストーリーもあった。
私が好きだったのは、木でできた船のオブジェに添えられた一篇。半分ほどは関西弁の語りで書かれており、関西要素のなさそうな小栗さんが?!の意外性と、関西弁が一字一句、過不足なく正確であることにも驚き。どなたか、関西弁ネイティブの方が監修されたのかしら。時折、中国語を話す時、発話においては「音」として意識するだけだけれど、この会話、文字にすれば全部漢字なんだよな…という事実を面白く思うけれど、関西弁って文字にすると、ひらがな比率が高い言葉のように思えて面白い。誰が書いても宮本輝っぽくも田辺聖子っぽくもなる点も興味深い。
言葉を立体で捉えられて、小栗さんのまだ見ぬ引き出しも垣間見え、短いながら豊かな時間を過ごした。トークに伺えなかったのが残念。遠くの島にいたので…。
ギャラリーに向かうべく、夕方の外苑西通りを久しぶりに歩いた。ずいぶん景色が変わっていた。

オリンピック用っぽい建造物。これはメインのスタジアムじゃないと思うのだけれど、詳しくないので自信はない。

道すがら、花がもうもうと咲き乱れていた。カラフルな季節。
縄文杉

屋久島。見どころはさまざまあれど、やはり縄文杉でしょう、と早朝から標高1300mの高みに聳える古木を目指す。ハート型の空洞はウィルソン株。

歩くこと6時間…到達。こんな場所に立つと現実的な私もさすがに、宇宙、空、自然、山、水、木そして私…って遥かな気分になるのかな?って妄想していたけれど、ならなかった。うねる木の根、森の中で撮られた映画ってあったよな…と『アンチクライスト』を反射的に思い出した。
3時過ぎに起き、5時過ぎから歩き始め、縄文杉で折り返し、出発点にふたたび戻ると夕方。歩行距離も歩数も前代未聞の数値を叩き出していた。目的地があれば人ってこんなに歩けるのね。

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