Cinema memo : 3月

札幌で、雪まつりの日に飲んだお酒は「雪ふるる」。
北から戻ってから仕事が慌ただしく、よれよれなので新作公開ラッシュを見送ってばかりだけれど、3月の楽しみな上映メモ。
3/9〜15、早稲田松竹のレイトショー『静かなる叫び』はドゥニ・ヴィルヌーヴ監督好きなので要チェック。朝型にはレイトショーは辛いけれど。
http://wasedashochiku.co.jp/archives/schedule/527#film3
3/9〜15、ギンレイホールは東出くん祭り、というよりキネマ旬報ベストテン上位作の上映なのかな。『菊とギロチン』、去年の静養モードの時、新宿でしか公開しておらず長い映画なので見逃したのだった。
http://www.ginreihall.com/schedule/schedule_190309.html
それから3月、メゾンエルメスはリンクレイター!『ウェイキング・ライフ』、公開当時、今は亡き京都朝日シネマで観た記憶。
http://www.maisonhermes.jp/ginza/le-studio/archives/883573/
TOPIAN

28の執筆陣、地理的な理由から、お会いするのがなかなか難しいおふたりにそれぞれ会えた今週。人とは会うべきタイミングで会うようになってるな、としみじみ思う。
雲の上にお住まいの翠子さんから金曜に連絡いただき、土曜に東京でお会いした。はじめまして。いただいたTOPIANというお菓子が美味しい。連載「雲の上で踊る」秋のお手紙も支度中です。
http://cinemastudio28.tokyo/kumonouede_001
http://cinemastudio28.tokyo/kumonouede_002
My Silver Penguin Award

金曜夜、『LA LA LAND』地上波放送ということでチャンネルを合わせてみたものの、日本語吹替のテンションについていけず、そっと消したの図。
Golden Penugin Award 2018、1本だけ選ぶというのがなかなか選択に思考が必要だな、と思っているけれど、
https://cinemastudio28.tokyo/goldenpenguinaward_2018
執筆陣それぞれ、選び方にも個性があるのだろうけれど、私は年末に振り返って5本程度に絞ってから決めている。最後まで迷ったけれどGolden Penuginには選ばなかった映画は、
『きみの鳥はうたえる』
観た後なかなか言葉にならなくて、そのかわりに函館に行った。
『スリー・ビルボード』
https://cinemastudio28.tokyo/2018/06/16/
『ファントム・スレッド』
https://cinemastudio28.tokyo/2018/07/07/
『アマンダ』
https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31CMP01
東京国際映画祭のグランプリ上映で観た。6月に『アマンダと僕』というタイトルで公開されるとのこと。
http://www.bitters.co.jp/amanda/
ここ数年、グランプリ上映は観ているけれど、『アマンダ』が最も好みで感激した私は、その週末にアンスティテュ・フランセであったミカエル・アース監督『この夏の感じ』上映にも行った。どちらの映画もその街の水で洗濯しその街の空気で乾燥させた衣服を着る人々の、地に足のついた暮らしと喪失と再生が描かれており、我らの時代の新たな監督と出会えた喜びでいっぱい。
これらの映画に私のSilver Penguinを捧げたい。
ひかりの歌

ユーロスペースで。『ひかりの歌』を観た。
歌人の枡野浩一と映画監督の杉田協士が、映画化を前提に開催した「光」をテーマにした短歌コンテストで、1200首のなかから選出した4首の短歌を原作に制作した4章からなる長編映画。それぞれ孤独のなかを生きる主人公4人の女性を、ときに静かに、やさしく包む光がある。この世界で生きるための支えになるささやかな光のありかを描き出す。
この映画の存在を知ったのは、年末に根津であった「短歌、映画的」というトークイベントにデザイナーあずささんと行ってみたら、会場の隅っこにいらした男性が『ひかりの歌』の杉田監督で、トークの後半に参加された、という経緯。
短歌について一般的な知識しか持っていなかったけれど、歌人である小野田光さんのお話によると、短歌のどの部分から言葉が浮かぶかは人により(小野田さんは下の句から出来ることが多いそう)、複数の短歌が集合して「一連」というチャプター、章のようなまとまりを形成し、どの歌の後にどの歌を配置するかも一連の印象に影響する…という、ルールがありながら独創的な言葉遊び。字数制限のある原稿を書くと、最初はそんな字数で私の思いは書き終わりませんよ…と抵抗する気持ちが芽生えるものの、徐々に削ることの面白さに目覚める。削れば削るほど、残った言葉の背後で削った言葉が強く香るもので、短歌の楽しみとは、そういったものなのだろうか、と考えた。

『ひかりの歌』は私のイメージする短歌そのものに似て、登場人物たちの、言葉で説明されなかった心情が映像の背後で強く香る映画だった。行動ひとつひとつに動機や目的が存在したとしても、それを他者に説明したり打ち明けたりする場面は人生においてほとんどない、という現実が映っていたように思う。第1章から第3章にかけてそんな映像を積み上げ、第4章では違う展開を見せるが、私は第3章までが好きだった。
特に第2章。若くて可愛い女性が、彼女の住む狭そうな世界で「若くて可愛い」と言われるたびに追い詰められ、愛を告白されるなんて理不尽な暴力みたい。そんな苦悩を打ち明けようものなら「やっぱりモテるよね、可愛いし」としか言われず絶望を味わうことも目に見えているから誰にも言えない。そりゃもう、走るしかできることはなくて、自販機の光に出会うまで彼女が走る暗闇の、映画らしい照明が照らしてはくれない真っ暗さがとりわけ良かった。
魔法のような瞬間が散りばめられた映画だけれど、31文字の短歌から映画を編む監督こそ魔法使いみたい。
それから

秋ドラマ『獣になれない私たち』の松田龍平(最高!)を観ているうちに、無性に『陽炎座』『それから』あたりの、飄々とした高等遊民の松田勇作映画を観たくなった。これらの映画は集中力が必要で、自宅で観られる気がしない。どこかでかからないかな…と念を送っていたら国立映画アーカイブでの上映を知った。
https://www.nfaj.go.jp/exhibition/kurosawa201812/#section1-2
対談

TOHOシネマズ日本橋、観客層が落ち着いていて、窓から神社が見えるなど、なんとも気持ち良い気が流れる場所なので、何があったかわからないけれど、無事すぐ再開できるといいな。
TOHOシネマズ日本橋が営業中止、再開時期は未定
https://natalie.mu/eiga/news/318070
名画座の編成担当のこちらの対談、面白かった。
https://realsound.jp/movie/2019/01/post-310954.html
ずっと通ってる早稲田松竹、ある時を境に急にラインナップが私好みになったのだけれど、現在のこの方に変わったタイミングだったのかな。2本組の組み合わせ、以前はもっとベタでわかりやすかったけれど、最近はさりげなく提案が盛り込まれており、1本目当てに行って、ついでにもう1本観た時も、新鮮な発見がある。
お客さんが全然入らなかったと語られている『あさがくるまでに』『グッド・タイム』の2本立て、この格好いい作品たち!とホクホクした気分になったので、それぞれの監督の次回作を心待ちにするようになりましたよ、、と言いたいです。
最前列とスクリーンの距離、2本立ての間に外出できる、学生街だからか観客層が比較的若め、まわりにコーヒーショップやコンビニがいくつもあって便利などなど、早稲田松竹を好きな理由はたくさんあって、かかる映画だけではなく、映画館の魅力って総合力だな、と思う。
廃墟の美術史

週末、ユーロスペースに行く前に松濤美術館へ。「終わりのむこうへ:廃墟の美術史」という展示。再開発の進む渋谷の片隅で観ることに意義がある。
https://shoto-museum.jp/exhibitions/181haikyo/
廃墟を愛で描くことが西洋から伝播した日本においても、画家たちがそれぞれの手法で廃墟を描く。澤部清五郎「群羊図(伊太利アッシジ附近)」がユニーク。掛軸、構図は山水画、画材はコンテ。丘の上の廃墟から麓の羊の群れまでの高低差。主題は西洋だけれど、ぺたっと奥行きのないフラットさがいかにも日本人の絵という印象で、順路に従い西洋の廃墟画を見慣れた目に飛び込んできたので、とりわけ面白く凝視した。
こちらに画像あり(PDF)。
廃墟から羊までなめらかに流れるような群羊図を観ていると、長らく観ていない溝口映画の流麗なワンシーン・ワンカットを思い出した。溝口映画、女性が気の毒な描かれ方をされていることに辛くなってしまうから避けていたけれど、心を無にして絵画のように眺めればいいのかもしれない。廃墟画に学ぶ溝口鑑賞法。
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