テアトル新宿

 

東京での映画初めはテアトル新宿の2018邦画大忘年会という上映会で。昨年公開された濱口竜介監督『寝ても覚めても』を。上映後に監督と主演の東出昌大さんが登壇されて長めのトークがあった。

 

http://netemosametemo.jp/

 

映画は3度目の鑑賞。あまりうまく感想をまとめられていないので追って書くとして、この日のトークについて。監督からも東出くんからも、七草粥も食べないうちからありがとうございます。新年あけましておめでとうございます。と客席に言っていただいたので、今年は良い年になる気がします(単純)。

 

映画の解釈を監督に問いかける質問(あの場面、私はこういう意味だと思ったのですが、合ってますか?…といった内容)に、監督は解釈は観た人の数だけあるので正解も不正解もない、という答えだったけれど、それを聞いた東出さんが「監督は絶対にあれはそういう意味なんですよ、と解釈を言わない人なんです。俳優陣も自分が出演していない場面について質問したりしたけれど、教えてくれないんです。例えば…」と、質問した人ががっかりしないよう華麗なフォローをされていた。七草粥も食べぬうちに、好青年of the year 2019、もう決定か。

 

東出さんは質問への受け答えも当意即妙で、豊かな語彙の海にざぶんと飛び込み、最適の表現を拾って答えられる、きっと読書家なのだろう、話した内容を文字起こしするだけでそのまま記事になりそうな、日本語文法も完璧の印象の人なのだけれど、徐々に、まるで台詞を暗記してその場にいるみたい、「主演映画のQ&Aに登壇し答える東出昌大」の役を演じているみたい、そんなはずないのに、という不気味な気持ちが増してくる人でもあって、まったく、『寝ても覚めても』の麦/亮平の二役をどちらも演じられるのは、きっとこの人だけだっただろう、と思った。

 

 

この日は三つ揃えのスーツを着ていらして、写真では写っていないけれど、ジャケットの裏地が凝っていた。衣装なのか自前なのか不明だけれど、どこのブランドだったのかな。

 

映画の裏話で面白かったのは、原作では登場人物たちの周囲にあるテレビの画面に何が映されているかが描写されており、例えば同時多発テロのニュースなど、が登場人物の生きる時代をあらわす道具として有効に使われていたけれど、映画撮影においてテレビ画面を表現するとなると、映される番組そのものを作る必要があり製作上大がかりになってしまう。そのため、映画ではラジオ音声にその役割を担わせている。ラジオ音声は『ハッピーアワー』に出演している男性の音声(関西で番組を持っているパーソナリティの人…と言っていたような…うろ覚え)、『ハッピーアワー』と『 寝ても覚めても』どちらにも出ている唯一のキャスト、とのこと。以上、メモ。

 

 

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Mariko
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